何年前のことかな 南風一
仕事を利用するつもりなんて毛頭なかった
きみだって仕事とプライベートは別
だから素早く反応したに違いなかった
「会社から借りている携帯なので仕事以外でかけて来られると
困るんです。
昨日はちょうど接待の最中だったんです」
これまでに見たことのないきみの怒った顔を見て
「そうかこれは仕事の顔じゃないんだ
プライベートになればきみもこういう顔つきになるんだ!」
(きみから放たれた言葉の意味は横に置いておいて)
とにかくこれは発見というかこれはちょっとした感動ものだった
のんきに俺はそんな風に考えていた
「なぜ俺は一線を越えて
きみに何度も電話をしたのかな?」
何かを期待したのは間違いない
きみが好意的に応じてくれたら
デートなんかを楽しんで
その後何を期待したのかな?
今から想えば
能天気にもほどがあったね
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