南風一の世界

南風一の世界

2015/03/15
XML

カテゴリ: カテゴリ未分類


傘    南風一

昭和40年代
黄色の学童傘はまだ高価だった
現代の百均店やコンビニ店で売っている傘ほど
安価でも手軽に買えるものでもなかった

そんな学童傘を小学校からの帰り道に
振り回して
首の長い草を払うのが爽快だった

何も起きないときはそれで良かったけれど
ちょっと茎の固い雑草2、3本をまとめて払ったときには
さすがに傘の柄もその固さに耐えきれずぽっきり折れてしまうことがあった
翌日晴れのときは
何も問題なかった
ところが何日かすれば雨が降ることもある

朝から雨降りの日に
傘を差さずに濡れながら歩くことほど惨めなことはなかった
雨の冷たさもさることながら
道近くの近所の人の視線が
つらかった
「なぜ傘を差さないの?」
「うん 学校に忘れて来たから」
嘘を付いて
その場を取り繕った

小学校に着いたからと言って
傘など置いているはずなかった
帰りも濡れながら歩いて帰る日もあった
母親に叱られるのが怖くて言い出せなかったものだが
再び傘を差して行っていたから
その後どうにかなったのだろう

今ではその辺りの事情も忘れてしまった

(詩集の宣伝)
「きみのちきみ120%」3月26日発売。

購入は、
こちらからどうぞ


詩が良かったと思う方は
人気blogランキング







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2015/03/15 10:53:18 AM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: