今だから 南風一
50代も半ばになって
中学校の同級生のことを思い出している
別に仲が良かった友人でもない
だから親身になって話したことはない
にもかかわらず彼が死んだという話を聞いて
こんなに早く死んでしまうなら
もう少し心を開いて親身になって話しておけばよかったと
悔やんでいる
(本当に当時の俺にそんな事が出来たかどうか疑わしいことでは
あるけれど)
後だしジャンケンのように
その後を知ってしまって
色々な理屈付けをするものだから
あれほど執着したきみの魅力が消えてしまった
一度はプロポーズにYESと言って貰いたくて仕方なかったのに
大学生活よりも人生よりも
生きがいと思っていたその理由が今では分からない
大切と思ったことも
取るに足りないと思ったことも
どちらも等しくそうではなかった
大切なことは大切でなかったし
価値がないと思ったことには価値があった
どちらも消えてしまって
今はない
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