再会 南風一
辻征夫は池袋で元恋人に再会したとき
(元恋人は小さな子どもの手を引いていた
旦那の徹夜マージャンの夜食の買い物に付き合い
元彼女が家に寄って行ってという誘いを断って
今日は一人でいたいと別れた
私の場合は姪の小学校の運動会に行ったとき
近くのコンビニにビデオカメラの電池を買いに行ったとき
小中学校が同じだった初恋の彼女に出くわしたけれど
彼女は私に気付かなかった
(それはそうだろう、彼女と私が最後に出会ったのは
彼女が大学4年生、私が3年生のときだったから
すでに15年が経っていた。彼女も私も37歳)
私は彼女の姿を見たとき
彼女のことがすぐにわかった
彼女の方は私とすれ違ったのに私には全然気付かなかった
大学生のとき
偶然に出会ったときはあんなにはしゃいでいたくせに
15年が経ってしまえば最早私のことなど見分けが付かなくなったものか
それともすっかり忘れてしまったものか
現実の再会ってものは
そんなもの
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