止まった時間 南風一
3人目の孫が誕生して
1年前にも同じことを繰り返したことに気付く
1年前から全く時間が進んでいないような錯覚に襲われるけれど
1年前に生まれた孫はマットの上に座って玩具で遊んでいるから
保育器の中で眠っているのは1年前の赤ん坊ではない
57歳を迎えるジジイの昨年と今年の秋には何の違いもないけれど
孫の1年には大きな違いがある
昨年生まれた孫は片言を喋って可愛い盛りだが
もう何年かして気が付けば
髭面の青年になっているのだろう
歳月は赤ん坊を赤ん坊のままに留めてくれず
赤ん坊は成長して大人になる
ジジイやババアは年老いて死んでいく
ジジイやババアが死んで行く頃には
孫たちはジジイやババアに抱っこしてもらったことは
すっかり忘れている
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