プロポーズ 南風一
恋の告白が
プロポーズになってしまって
きみの返答は
「結論は急いではいけないと思うの」だった
高校を卒業して
大学生活を送る直前のことだったから
きみの返答はそれなりに正しかった
そして大学を卒業するとき
今さら言わなくても分かってるだろう
という俺の言葉に
「いや。口に出して言って」と言っていた
きみも俺もそんな台詞を並べつつ
全然そんな台詞を信じていなかったのだろうと思う
俺は言葉のような結末へ進むとは思っていなかったし
(多分決定的な破局がやって来るのだろうと直感していた)
きみはきみで俺がきみとすんなり結婚することなど
信じてもいなかった
最初から
そうだったのかな
高校時代にその後のことなど考えもせずに
毎日通学電車の中で隣り合っていた
その頃が胸ときめいて
最高に幸せな一時であったのかな
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