瓜二つ 南風一
友人が私を見かけたという
「南風」と呼びかけたけれど
私は振り返りもせず立ち去ったという
そんなはずはない
それは私に瓜二つの他人
あるいは私の魂が抜けだして
徘徊したい場所を浮遊しているのかも知れない
確か中学生の頃
卓球の交流試合で隣町へ行った友人が
「南風に瓜二つの男がいたぞ」と言っていた
私に瓜二つの男はそんなにたくさん居るのか?
それとも私の親も知らない昔に
父方か母方の家系で血筋が分化して
現代に私と瓜二つの男が同時に現れることとなった
過去を遡れば瓜二つに何の不思議もない
ただ現代に生きる私たちが祖先の分岐を忘れているだけ
それだけのことかも知れない
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