南風一の世界

南風一の世界

2023/06/15
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  卑怯な男   南風一

高校生のとき同じ電車に乗り合わせる一学年下のある女子高生のことが
好きだった
私は英単語集や学習参考書ばかりを読むふりしていたけれど
彼女のことばかりが気になっていた

彼女と女友だちが話すお喋りに聞き耳を立てたり
彼女の横顔や表情ばかりを盗み見て
勉強なんてちっとも捗らなかった

彼女のあっけらかんとした明るさや朗らかさに
惹かれてしまったのだろうと
思う
もちろん彼女の容姿や可愛い仕草にも
惹かれたのだろう

彼女にラブレターを書いて
その後6年が経って
再び彼女に再会して
一度は彼女にプロポーズしたつもりだったけれど
結局彼女から逃げてしまった

それはやっぱり彼女との6年間のブランクを
どう良いように解釈しても私は許せなかったこと
そして何より彼女には
昔私が高校生の頃の彼女に抱いた
(それは単なる幻想に過ぎなかったのかも知れないけれど)
屈託のない無邪気な彼女ではなくなっていたから

もちろん 女性が23歳にもなって
15,6歳の女子高生のままでいるなんてことは
あり得ないけれど
彼女の容姿にも行動にも
幻滅してしまったのだろうと思う

最早足かせにしか感じられない女性と結婚するなんてことは
あり得ない
私は都合よい理由を見つけて
まんまと彼女から逃げてしまった

彼女が私のラブレターに寄こした返事には
「これからあなたが作った私の偶像を壊したい」という趣旨のことが書かれていた
結局 彼女の言葉の通りになったのは
運命の皮肉だったのかも知れない

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Last updated  2023/06/15 10:14:32 PM
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