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マイナス金利の責任は誰がとるべきか? 南風一2月10日朝日朝刊に「マイナス金利5年泣き笑い」という記事の中に黒田東彦総裁の「効果が副作用を上回ってきた。従って続けてきたということ」というコメントが載っていた。黒田総裁がいう効果の射程範囲は金融経済に限定されるのだろう。効果の範囲を、財政収支や勤労所得、消費者物価、税収、勤労者の住宅ローン負担、年金額まで広げると、恐らく効果は「マイナス」と評価した方がいいのではないかと思う。コロナ禍は想定外ではあったと思うが、私は政府が進めるコロナ対策緊急小口融資を取り扱う窓口に勤務する。昨年3月以降の緊急小口融資の受付をしていて思うのは、今日の生活資金に事欠く人たちにとって、そもそも預金がないからマイナス金利政策は無関係である。また住宅ローン金利が低かろうが、所得が低すぎて住宅ローンなど組めるわけがない。生活費を穴埋めするカードローンのキャッシングの金利は依然高い。OECD統計によれば日本の勤労者実質平均賃金は1990年以降の30年間ほぼ横ばいで2019年は35か国中24位であり日本は最早平均賃金が高い国ではない。麻生財務相がいうには、昨年国民に給付された10万円の特別給付金は大部分が預金として積み上がったという。他方で、金融庁は投資信託を進めるので、特別給付金を元手にネット証券取引を始めた人もあるという報道がある。余りにも長いマイナス金利政策は、国民の道徳観にも悪影響を与えていると思う。昔は貯蓄が推奨され、今は貯蓄が悪とばかりに、安い金利で借金するか、リスクを負って利益を稼ぐ証券投資の方が推奨される。これでは、汗水たらして事業の種銭や住宅ローンの頭金を蓄えようとする堅実な国民は消えてしまうのではないかと危惧する。(詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2021/02/11
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石の上にも三年石の上にも三年という諺がある。何事も3年間ほど一生懸命取り組めばひとかどの専門家になれるという意味があり、何事も3年間は辛抱しなければものにならないという意味もあるという。何事にしろ一つのことを3年間続けるということは結構骨が折れる。あと少し辛抱すればものになるというところで辛抱できず、せっかくの苦労が水泡に帰す若者も多い。かくいう筆者もその一人である。私は生まれつき飽きっぽい性格である。一つのことを長く続けるということができない。ほどほどに取り組んだらもう飽きてしまって、ほかのことをやりたくなる。大学がそうであった。文科系大学に進んだものの、つまらなくなって留年して理科系大学院へ進んだ。大学院で勉強して学者になろうと思ったけれど、爪楊枝で重箱の隅を突つくような研究に嫌気がさして企業に就職した。割に給料が高いと思って入った企業だったけれど、俗物が多いのに嫌気がさしてシンクタンクに転職した。転職したシンクタンクは銀行系だったので、銀行で使いものにならない者たちの吹き溜まりだった。余り長居するところではないと思ったので、一年余りでさっさと転職した。その後は一つところで働いているが、部署は3、4年ごとに変わっている。天職というものは、なかなか発見できない。近頃では、私は天職を探すことが天職だと達観しつつある。それほどこれこそ自分の仕事だとぴったり思えるものに出会うことは難しい。人との出会いについても同じである。これと思える友だちに出会うことは難しい。またこれと思える人生の師に出会うことも難しい。自分に価値がないことを棚上げしておいて、他人にばかり強く出るのはけしからんとお叱りを受けそうだが、確かにこれぞという終生の友人に出会うことは難しい。だからこそ、そんな友人を得たときは神様に感謝しないといけない。これと思える友人のどこがいいかといえば、まず接していて楽しいということだろう。一緒にいて話すのが楽しい。これは一部恋人にも共通している点だ。しかし親友と恋人との違いは、親友は1年でも2年でも放っておくことができるが、恋人は1か月として放っておけないことである。恋人を1か月も放っておけば、恋愛関係はすぐに破綻してしまうが、親友関係は何年会わなくても破綻することがない。極端な話し、5年や10年くらい会わなくても、一度出会うと昔のままに俺・お前の関係に戻ることができる。結局何が言いたかったかというと、長く付き合ってみないと物事の本質はつかみきれないということである。1年や2年で自分の向き不向きというものは判断できないし、ましてや相手が生身の友人や親友といった場合は、少なくとも10年くらい付き合ってみないと真価は分からないということである。大学にしろ、会社にしろ縁あって入ったのならば、少なくとも3年くらいは歯を食いしばって頑張ってみようではないか。自分にできなかったことだから余計にそう思う。
2005/04/10
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