みやび

みやび

2008.02.16
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カテゴリ: collaboration



  きみは何を見ていたのだろう。

  私は何を見ていたんだろう。

  悠久の時の流れの、たった“ひとこま”なのに、私達は何をそんなに急いでいたのだろう。



  何で、こんなんに、なっちゃったんだろう。よくわかんない。

  私が思うんだけど、それはね。

  始まりは、きみがついた小さな小さな“うそ”。

  その最初の“うそ”は、どうでもいい小さなものだったのかも知れない。

  けど、その小さな“うそ”を隠すのに、次から次へといろんな色が塗られた。

  それが、こんなに厚くなっちゃったんだ。

  だけど、これは私の言い分。きみの言い分は違うだろうね。

  もう、今は、きっかけが何であったのかなんて、そんなのどうでもいいくらい

  何もかもが、ごちゃごちゃになってる。

  今は、この隣にきみがいるけど、あと5分後には消えているかも知れない。

  ふっと、目の前から“きみ”という存在全てが消滅してしまいそうな、そんな気分なんだよね。


光のベール3
          photograph  フリー写真ブログもってって!


  ぐちゃぐちゃになってる頭の向こうで、きみは一枚の写真をひらひらさせてる。

  「この写真、見てみなよ。俺たちみたいじゃん。

   本物に見えるけど、これ絶対に精巧にできたガラス細工さ。ツクリモノ。

   俺だったら、片手だね。」

  そう言って、握りつぶすしぐさをしてみせる。

  「違う。これはガラス細工なんかじゃない。

   本物に見えるけど、スクリーンに映し出された映像なんじゃないの。

   片手をかざしたら、向こうまで“すっと”すり抜けてしまいそうな、ね。」

  (私が何も掴めなかったみたいに)



  最後の言葉を飲み込んだ、そのとき、

  写真のフレームが風に揺れて、きみの手からすり抜けて風に舞っていった。

  太陽が、きらっと反射する。

  写真の花びらは、“光のベール”に包まれて、ゆらりゆらりと揺れた。

  どこからか声がする。

  “これは本物だよ。きみたちは本物を掴んでいたはずなのに、

   どうして真正面から見ようとしなかったんだろう”

  あなたは誰。

  声の主をさがそうと振り返った瞬間、私も“光のベール”に包まれてゆく。

  音も聞えない。きみも見えない。

  ただ、その隙間からホンモノの花びらが、はらりはらり、ゆっくりゆっくり

  スローモーションで落ちてゆく、その様だけが見えた。




最小

                  photograph  フリー写真ブログもってって!



♪ みやび に いらしてくださる皆様へ ♪

ようやく このような “かたち”となりました。

まだ

どきどき びくびく で ございます。

不出来な でも かわいい子供を世に出すような 気分です

お借りした写真は “フリー写真ブログもってって!”Katsumiさん の作品です。

他にも とても素敵な写真を撮られていらっしゃいます。

ぜひぜひ ご覧ください。

さらに

一緒に競演させていただきました “眠りの底で”無花果さん の作品を

ぜひぜひ ご覧ください。

たくさんの方々に応援していただき とてもうれしく思っています。

どうもありがとうございました ♪






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Last updated  2008.02.16 22:30:42
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