ソクラテスの日記

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Feb 23, 2015

食虫の時代

(6)

カテゴリ：猫日記

２歳児のホープ、トム。

とむ1

一昨日、羽虫を見つけて、じゃれているうちにパクッ。

「げっ！食べた～。」

、、、とまぁ、ニャンコを飼っていると、たまにはこんなこともある。

一時、ニューヨークで昆虫を食すパーティーが流行っていた。

なんでも昆虫は高蛋白で、いつか来るであろう？未来の食糧難に最適なんだとか。

オーストラリアのアボリジニ、東南アジアなど世界各国の原住民をはじめ、日本でも地方の山間部では昆虫を食べる食習慣が根付いており、実は今だ脈々と受け継がれている地域も少なくない。

でも正直、そのような食習慣が無ければ、見かけのその姿に「う゛っ　！！」と来ること請け合いである。

実は、ものがら家のあるこの界隈。

昔からイナゴや蜂の子を食べる習慣がある。

蚕のさなぎなども食べていたと聞くし、実際売っているスーパーもある。

昨日のことだ。

食材を買出しに行った先のスーパーでの出来事。

ピーチ君があるコーナーの前で立ち止まって動かない。

見れば色んな佃煮が陳列してあるコーナーだ。

「何か食べたいものがある？」

の問いかけに、彼はイナゴの佃煮を指差して言った。

「どうしてもって言うほどじゃないんだけど、久しぶりにイナゴを食べてみたいぞ。」

「え゛っ　。イナゴかぁ、、、」声に出したか心の声だったか最早覚えていないのだが、とにかく彼が食べたいとの希望なので買って帰った。

「イナゴってバッタじゃん。。」

家の冷蔵庫にイナゴの佃煮をしまいながらも(やっぱりグロい～)となるべく凝視しないように努める。

ぶっちゃけ、冷蔵庫に入れることさえ少し躊躇われつつも一夜が明けた。

「早速イナゴを食べてみましょう。」とピーチ君。

パックごと食卓に置いた。

テレビではＮＨＫの朝の連ドラ、マッサンが放送されている。

時は品不足、食料不足の戦時中の話だ。

食料が不足がちだったこの頃、我が母もイナゴを採りに行っていた、なんて話をしていたっけ。

テレビを観ながら、ドラマの内容を肴にピーチ君に一言、二言話を振ったように思う。

しかし、彼の受け答えの歯切れが急に悪くなった。

(ん？私、何か変な話でもしたっけ？)

気にしつつも再度、ごはんに箸を付けようと茶碗を覗き込んだその瞬間、茶色の物体が目に入った。

白いご飯の上にちょこんと乗っかっているコレは、、、イナゴだ！！！

「△×□～！！！」

私は何を叫んだが分からないが、その声を聞いたリキ、チョビ、ナナはうろたえて一瞬で何処かへ走り去ってしまった。

その光景を一部始終見ていたピーチ君。

目を三日月にし、堪えている笑いが口元から漏れ出るのを懸命に抑えることに限界を迎えた。

「ひーひー」今までに無い「してやったり！！」の顔でかなり嬉しそうだ。

きっと食べれば何てこと無い味なのだろう。

でも私としては、イナゴの太ももの部分が便所コオロギの足を連想させるのでどうも口に出来ない。

ピーチ君に「してやられた～」と思ったものの、いつかは克服できたらと思うのだが、、、。

負け惜しみの捨て台詞で私は言った。

「食糧難が来たら食べるもん。」

さて、今夜はどんなお返しをしようかな。

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