2007/01/17
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小春日和の日曜の翌日、気温が急に氷点下に下がって一日中霧が立ちこめていましたが、昨日・今日と再び肌寒く雨がちの天候に。

相変わらずドイツ語と格闘しながら論文をじりじりと前に進めています(苦笑)。
年のせいか、あるいはワインの飲み過ぎか、記憶力の低下を感じることもしばしば…たしかこの辺りに書いてあった筈だけどな、と一度読んだ本をもう一度ざっと読み返して、それでも見つからないのでもう一度丁寧に読んでいるだけで、時間はどんどん過ぎていきます。ふ~。

今日のテーマは中世都市の水事情。15世紀に至るまで井戸水に依存していた中世都市。その井戸水の近くには、汚物や排泄物を捨てるための縦穴-時に深さ10mにおよぶこともあった-が掘られていることもしばしばあった。深さ10mといえば、地下水脈とほぼ同レベル。したがって、水を飲むことは病菌を飲むことに等しかったわけです。

ところが、人間一日あたり3リットル前後の水分を摂取しなければ生きていけないのは今も昔も変わらない。では、水が飲めなかった当時は何を飲んでいたのか?そこで登場するのがビールとワイン。ワインの産地では日常消費用に絞りかすから醸した安酒が、産地以外ではもっぱらビールが、文字通り水がわりであった。ワインの原料は葡萄果汁。根が吸い上げた水分は当然、井戸水より衛生的。ビールは醸造過程で水は煮沸されるので、これまた衛生的。それより何より、アルコールの殺菌効果が非常に有効であったらしい。身分の低い召使いにしても、生水を飲むときは必ずワインで割っていたという。主人のケチぶりを愚痴る一節から読みとれる習慣である。

だったら、何もアルコールに依存しなくても一度湧かしてから飲めばいいじゃん、と思うのだが、どうもそんな習慣や知恵はなかったらしい。紅茶・コーヒーがヨーロッパに持ち込まれるのは近世に入ってからのこと。そんな訳で、「飢えている者には食べさせ、渇いている者には飲ませよ」という聖書の教えにしたがって、貧者への施しを述べた少なからぬ遺言状が、パンとともにビールの配給を指定している。これは北ドイツ都市の例だが、アルザスあたりだとビールがワインになる。救貧院-オスピス・ド・ボーヌもその一つ-で配給されるワインは、一日2リットルもざらじゃなかった。

一日2リットル?毎日そんなに飲んだら、アルコール中毒じゃん、と思うのだが、史料によれば2リットルなのである。生きていくのに必要な水分をワインで摂取しようとするからそういう量になるのだろうけれど、だとするとアルコール度も相当低かったのかもしれない。水っぽくて酸っぱいワインを、仕方なしにすすっていたのだろう。ちびちびやっているうちに、なんとなくいい気分になって、神様が近づいてきたような気になることが出来たのかもしれない。アーメン。





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Last updated  2007/01/18 05:58:19 AM
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李斯。@ お久しぶりです。 御無沙汰しております。 何時も拝見してい…
pfaelzerwein@ Re:ひさびさのドイツ・その64(04/05) 「ムスカテラー辛口」は私も買おうかと思…
mosel2002 @ Re[1]:ひさびさのドイツ・その54(03/14) pfaelzerweinさん >私の印象では2013年…
pfaelzerwein@ Re:ひさびさのドイツ・その54(03/14) 私の印象では2013年からは上の設備を上手…

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