女神たち

女神たち

Jun 19, 2024
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カテゴリ: 讀書録


いつもどうり 事前情報無しで タイトルでSFっぽい話かななどという

いいかげんな理由で選んだ一冊でしたけど

読み進める中で 行間から浮かび上がってくる 不穏な緊張感に 襟を正すことになりました

それぞれ20ページに満たない 15の短編で それぞれテーマは異なっていますが

正常から異常までの 様々な人間心理の闇の深さや

耐えられないような重圧をもって迫ってくる 世界や社会のありようで

心が揺さぶられたような気がします

特に1901年にドイツで生まれた作者が生きた戦火の時代は

同じく敗戦国家である日本にも通じる空気感を感じて

ヒットラーの好戦国家ではなく そこで生きていた一般庶民の悲惨な姿にも感じるものがありました


最後の訳者あとがきで 本書が「カシュニッツ短編傑作選」の第二集だと知りました

出版順に読むべきであったかはわかりませんが

近いうちに第一集も読まざるをえないでしょうね 今の気持ちでは


​​『ある晴れたXデイに カシュニッツ短編傑作選 』​​
  DER TAG X UND ANDERE GESCHICHTEN

 著 者 マリー・ルイーゼ・カシュニッツ

 編訳者 酒寄進一

 発行所 東京創元社

 初 版 2024年4月26日

 収録作品

  『雪解け』Schneeschmelze (1960)
  『ポップとミンゲル』Popp und Mingel (1960)
  『太った子』Das dicke Kind (1951)
  『火中の足』Die FuBe im Feuer (1964)
  『財産目録』Das Inventar (1966)
  『幸せでいっぱい』Glickes (遺稿 1960年から1964年の間)
  『作家』Der Deserteur (1965)
  『脱走兵』Der Deserteur (1960)
  『いつかあるとき』Zu irgendeiner (1964)
  『地滑り』Der Bergrutsch (1949)
  『トロワ・サパンへの執着』Die ubermaBige Liebe zu Torois Sapins (1960)
  『チューリップ男』Der Tulpenmann (1966)
  『ある晴れたXデイに』Der Tag X (1963)
  『結婚式の客』Die Hochzeutsgast (遺稿、おそらく1946年頃)
  『旅立ち』Die Abreise (1950)







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Last updated  Jun 19, 2024 02:15:51 PM
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