悩める裁判員経験者・似蛭田妖のブログ

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2020.03.19
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​​ 何度も言いますが、僕には守秘義務があるので、僕が話せることには制約があります。

 今回、お話することは、僕が思ったことではなく、新聞記者が言っていることを代わって伝えることとなります。

 勿論、それは、評議の秘密を漏洩したり、裁判員個人のプライバシーに触れたり、判決における事実の認定や量刑の当否についてコメントするものではありません。


 対馬放火殺人事件の裁判員裁判は公判が22回も開かれ、検察弁護側双方の証人が51人出廷しました。

 検察弁護側が主尋問と反対尋問ですべての証人と質疑応答を繰り返すのは当然のことです。彼らは与えられた時間と機会を絶対に無駄にはしません。

 また裁判長、左右陪席判事たち3名の職業裁判官が、疑問に思ったことを証人に訊くのも、ごく当然のことです。

 しかし、せっかく、全ての証人の出廷の際、最後に、裁判長が「裁判員の皆さんからは、証人に何か訊きたいことはありませんか?」と振っているのに、何も質問せず、黙って座ったままでいる6人の正裁判員達の姿をメディアの人達は妙に感じていました。

 市民感覚を司法に反映させ、開かれた司法を実現するためには、積極的に裁判員が
法廷で発言しないと、裁判官と対等な事件の評議員としての資質を疑われることになりかねません。

 この対馬放火殺人事件はメディアの報道で「識者でも判断が有罪と無罪に分かれる」と言われていました。被告人の自白も凶器の発見も目撃者もなく、直接証拠が皆無の事件であったからです。

 だから、有罪無罪の判断は、弁護側が言う所の「胡散臭く、改竄の疑いがある複数の間接証拠」をどう評価するか、という点にかかってくるということをメディアは報じていました。

 ところが、「22回の公判期日の総勢51人の証人に対して、正裁判員から質問がなされたのは、1,2度だけだった。こんな重大な事件で正裁判員は何をやっていたんだ」と新聞記者は疑問を呈しました。

 公判が終盤に差し掛かると、裁判長が「裁判員の人達と質問することを相談してきますから、しばらく休廷します」と言うことが連発するようになりました。

 このことについても新聞記者は不思議だと言いました。

 正裁判員の席にはマイクがあって、小さい声で話しても、ちゃんと声が法廷に響くようになっています。

 新聞記者が「この事件の無期懲役の判決は、裁判官とりわけ裁判長が誘導して決めたんじゃないか、裁判員に押し付けたんじゃないか。そこを教えてくれ」と僕に詰め寄るのは、このような所にも原因があるのです。複数の記者がそう言っていました。










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Last updated  2020.03.19 21:19:00
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