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2023.12.14
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カテゴリ: 神社仏閣・御朱印
埼玉二日目の最初の目的地は武蔵一宮 氷川神社を目指します。
大宮駅から氷川神社三ノ鳥居まで徒歩で約3.5㌔50分程の歩き。
大宮駅から一旦南下し、旧中山道の県道164号線を経て一ノ鳥居を目指しました。
旧中山道の左に氷川神社の赤い大鳥居と武蔵国一之宮の石標に到着。
日本一長い参道とも云われる氷川神社の参道は、ここから延々と約2㌔続き、ゴールの三ノ鳥居まで写真データでは30分はかかっています。
今回は、氷川神社の一ノ鳥居から三ノ鳥居をくぐった境内の一部までを掲載します。
尚、参考所要時間として写真撮影時間を入れておきます。
9:32

参道左には享保7年(1722)に寄進された氷川大明神と刻まれた社号標が立てられています。
旧中山道から旅の途中に氷川さんにお参りとばかり参道を進めば、先も見えないなっがーい参道が待っている。

この一の鳥居は、大正12年(1923)の関東大震災で倒壊し、昭和9年(1934)に三ノ鳥居を移設したが、老朽化により昭和30年(1955)に新しく建て替えられたもの。
しかし、耐震補強が必要となり、2023年春にリニューアルされたばかりで、朱も鮮やかなピカピカの明神鳥居。

その傍らに「氷川神社 是より宮まで18丁」と刻まれた石柱があります。
真っすぐに伸びる参道の先に社殿は見えない、一丁が約109㍍なので18倍…遠いぞと言う事だ。
毎年8月1日に行われる氷川神社の例大祭では、皇室からの勅使もこの「一の鳥居」から参道を通って参向されるという。

上は天保年間(1831~1845)、斎藤月岑が7巻20冊で刊行した江戸名所図会、その13冊にある氷川神社の社頭の挿絵。
手前は旧中山道(現在の県道164号線)で、そこにも社標と鳥居が描かれており、周囲の光景は様変わりしますが街道と参道の位置関係は今も何ら変わっていません。
参道には並木一八丁と書かれており、現存する当時の丁石は二丁、六丁、九丁、拾丁、十六丁の5基が神社や博物館で保管されているそうです。
現在参道で見られる丁石は、氷川神社崇敬者により寄進されたものだそうです。

けやき並木が続くなっが~い参道。
真っすぐに伸びる参道は個人的にも好きですが、氷川神社の参道は日本一長いと称するだけの事はあります。社殿はまったく見えないが、丁石を探しながら進めばやがて見えてきます。

楢姫稲荷神社
吉敷町の崇敬者によりお祭りされている稲荷神社。
9:37

入母屋瓦葺のこぢんまりとしたシックな建物に朱色の明神鳥居と拝殿扉が印象的。

この建物はここから5分程北東に大宮南小学校が建っています。
かつてその場所に大宮南尋常高等小学校があり、そちらで天皇・皇后両陛下の御真影奉と教育勅語を納めるために建てられた奉安殿(昭和7年頃建立)でした。
戦後解体される事無くここへ移築し、奉安殿から稲荷社本殿に姿を変えたもの。
毎年3月第1日曜日には初午祭が行われます。

こうした奉安殿は国の威信を象徴する性格から、豪華なものが多く、空襲から守るため蔵のような堅牢なものも多かったが、終戦後そうしたものは取り壊され、一部こうして流用されたようです。

楢姫稲荷神社は奉安殿移設前から鎮座していたものと思われ、いつ頃建立されたのかは不明。
境内には狐の姿は見られず、唯一鬼瓦に宝珠の紋が入っているくらいです。

楢姫稲荷神社
創建 / 不明
祭神 / 宇迦之御魂神
所在地 / さいたま市大宮区吉敷町2-142

広い参道両脇の杜は往古、主に松や杉が主だったそうで、大正から昭和初期にかけて鬱蒼とした杉並木が続き「並木十八丁鉾杉つづき」と称されたようです。
現在は杉に変わって欅やスダジイや楠木などが主で、樹の種類が変った背景には戦中、戦後の資材難でそれらが伐採されたことが一因にあるようです。
現在の樹々の多くが昭和60年に入って植栽されたもので、参道沿いには今も伐採された切株が残されていました。
訪れた時は丁度彼岸花が綺麗な時期で、緑のトンネルに鮮やかな赤のアクセントを加えていました。

参道にはこうした丁石が立てられています。
これが18になれば到着なんですが先はまだ〃先。
9:42

庚申神社
歴史を感じさせる風貌の石仏は、宝暦10年(1760)大宮宿下町講中が建立したもので、台座に三猿の姿を彫り込み、その上には餓鬼を踏まえた青面金剛の姿があります。
参道右脇の側道に写真の覆屋があり、中には一体の古びた石仏が安置されています。
9:45

八丁石 9:50
十三丁石 9:59
丁石は意表を突く場所に立っていたりするので丁石全てを見つけきれなかった。

天満神社(氷川神社末社)
二ノ鳥居手前の車道脇に鎮座し、菅原道真を祀った神社です。
参道から横断歩道を渡って向かってみました。
10:00

天満神社全景。
一間社見世棚造り流造の本殿と拝所があり、周囲は朱塗られた玉垣で囲われたコンパクトなもの。
社殿の他に境内左に収蔵庫らしき建物がある。


本殿に掲げられた額は天満神社。
祭神は学問の神として知られる菅原道真で、本殿扉には金色の梅鉢紋が施されています。
気が付かなかっただけか?、天満宮につきものの撫で牛の姿がなかった気がする。

境内左は収蔵庫だろうか、シャッターが降ろされ中の様子は窺がえない。
その手前に大岩が置かれ、水が張られた水盤があった。
挿絵の中に姿は見られず、氷川神社HPも創建時期について語られておらず詳細は不明。
氷川神社摂社 天満神社
創建 / 不明
祭神 / 菅原道真
所在地 / さいたま市大宮区東町2

10:04
参道を横切る県道2号線の先にニノ鳥居が見えてくる。

左側に官幣大社氷川神社の社号標が立っている。
ここが社頭と見間違うかもしれないが、三ノ鳥居まで全長2㌔の参道の2/3にすぎない。

ニノ鳥居。
約1.6㌔地点に聳える朱の鳥居。
江戸名所図会の挿絵にはこの二ノ鳥居は描かれていません。
氷川神社HPによれば、この鳥居は明治30年(1897)に北足立郡酒造業組合より寄進された木造の神明鳥居からはじまったものという。
現在の朱塗りの明神鳥居は、昭和51年(1976)に明治神宮より移築された大正9年(1920)に建立されたもの。
高さは約13㍍、幅約17㍍の木造の大鳥居で、関東最大級の規模を誇ると云う。
鳥居に用いられている材木は、大正9年(1920)台湾の阿里山で伐採された樹齢1200年以上の桧で作られているといわれます。
10:08

ニノ鳥居の前には角付きの威厳のある狛犬が訪れる者に睨みを利かせている。

氷川神社由緒。
「氷川神社は、第五代孝昭天皇の3年4月未の日の御創立と伝えられます。
古くから武将の崇敬をあつめた由緒ある大社としてその歴史を誇り、大宮の地名も氷川神社に由来する。
古くは景行天皇のとき、日本武尊が東征のおり当地に足を止め祈願された。
また、成務天皇のとき武蔵国造となった兄多毛比命が出雲族を引き連れこの地に移住し、氷川神社を奉崇した。
称徳天皇の天平神護2年(766)には、朝廷から武蔵国では当社だけに封戸(三戸)が寄進された。
更に醍醐天皇の延長5年(927)には延喜式神名帳に名神大社として社格が与えられた。
この他、鎌倉時代には治承4年(1180)源頼朝により社殿の再建と社領3000貫が寄進されたとされ、足利、北条氏も相次いで尊仰した。
その後江戸時代の慶長9年(1604)には徳川氏より社領300石が寄進され、文禄5年(1596)、寛文7年(1667)には社叢の整備と社殿の造営が行われた。
その後、明治元年(1868)東京遷都に際し、当社を武蔵国の総鎮守「勅祭の社」と定め、明治天皇自ら親拝された。
同4年(1872)官幣大社となり、同15年(1883)に本殿・拝殿等を改修。
昭和15年(1940)、本殿・拝殿・回廊等造り変え現在の景観となる。
祭神は素佐之男命・大己貴命。
例大祭は8月1日。他に神事で有名なのが12月10日の大湯祭である。」

ニノ鳥居から300㍍ほど先の石灯籠。
右の燈籠の竿には「武蔵国一宮東国総鎮守氷川両本宮」の銘があり安政6年(1859)に寄進されたもの。

左の燈籠の竿の正面には「氷川大宮御橋内」右面に「武蔵国総鎮守一宮式内名神大月次新嘗」刻まれており、文化14年(1817)に寄進されたもの。
10:13

この辺りに十七丁石 10:14

参道右に並行して伸びる車道の先に朱の鳥居と社殿が見えます。
後方の建物は氷川神社の関連施設「呉竹荘」
10:15

参拝にと思いましたが、鳥居や覆殿の周囲は見ての通りで、一般の参拝を拒むかのように竹垣で囲われ施設神社的な雰囲気で詳細は不明。
Gマップでは稲荷社とあり、見た目もその雰囲気が漂う、しかし狐の姿がある訳でもなく、なんとなく狐につままれようだ。
ここから左を眺めると参道の先に朱の鳥居が見えていますが、それも狐につままれているのかナ?

稲荷社
創建 / 不明
祭神 / 不明
所在地 / さいたま市大宮区高鼻町2-266

写真を撮りつつ、小休憩を交え約50分程で三ノ鳥居到着。
鳥居をくぐれば左右に境内が広がり、参道は更に奥に続きます。

江戸名所図会の挿絵から現在の三ノ鳥居周辺。
境内入口の鳥居として建てられ、老朽化から明治44年(1911)に建て替えられたそうで、現在の鳥居は昭和9年(1934)に奉納されたもの。
挿絵が描かれた当時は、鳥居の前に相撲土俵があった様ですが、現在の参道には見られないものです。
10:21

氷川神社境内案内図。
広大な社地には神池、白鳥の池、瓢箪の池を湛え、稲荷社、宗像社、門客人神社など多くの境内社が鎮座します。


挿絵には鳥居をくぐった先の境内の様子も描かれており、この絵にあたるのが以下の境内社と思われますが、当時とは多少配置が変っているかもしれない。

境内左の社務所付近の「戦艦武蔵の碑」
碑文は以下。
「戦艦武蔵は世界最高技術を駆使し、大日本帝国海軍が建造した最後の戦艦である。
パナマ運河幅の制限から、40㌢(16㌅)を超える主砲を持つ戦艦を建造できない米海軍の弱点に注目し、主砲46㌢砲三連装砲塔3基を搭載した世界最強かつ最大の戦艦として建造された。
武蔵誕生に到るまでには多くの技術的困難があり、関係者の苦労は並大抵のものではなかった。
また、海軍の指示により建造造船所である三菱重工業は、所員に対する緘口令等、建造秘匿の徹底を図った。
昭和17年8月5日に広島県呉で行われた竣工式には、氷川神社より6名の神職が出向し、四季が厳しく執り行われた。
艦内神社には、氷川神社が分祀され武蔵神社と命名された。
昭和19年10月17日「捷一号」作戦発令により、日米両海軍の主力が艦隊決戦を行わんとフィリピンレイテ沖を目指した。
武蔵は米海軍の航空攻撃を一手に引き受け、10月24日シブヤン海に没した。
同作戦により戦艦武蔵の乗員1039名戦死、生存1329名もマニラ防衛戦等に投入され最終的に祖国の土を踏めた者は430余名と言われている。
ここに戦艦武蔵を顕彰し、碑建立に協賛、賛同するものである。
平成27年10月24日建立 戦艦武蔵顕彰会」

大和型1番艦「戦艦大和」は不沈戦艦と称され、同型の戦艦として2番艦の「戦艦武蔵」、3番艦として信濃が建造されましたが、信濃は建造中に戦艦から航空母艦へ構造変更され、竣工前の昭和19年(1944)、横須賀から呉に回航中魚雷攻撃で沈没した。
艦船には艦内神社が祀られますが、大和は天理市の「大和神社」、武蔵は「氷川神社」、信濃については確かな事は分からないが信濃國一之宮 諏訪大社だったか?
資源を持たない国、戦争は避けられなかったのかもしれない。
戦後の今も食物すら満足に自給できない現実を考えると、なにをすべきか道筋は見えていると思うのだが。

挿絵右の入母屋造の建物は現在の神楽殿(右)と思われ、左に額殿が建てられています。

上は神楽殿の額と額殿に掲げられている奉納額の一部。

ずらりと並んだ菰樽。
ここ大宮へは幾度か出張で訪れ、酒席で飲む機会は多かったと思う、そうした酒は全く印象に残っていない。
旅先でも毎度〃美味しい酒は飲ませてもらうが、ラベルやボトルの写真は増え〇△✖の分類は出来ても、味わいまで思い出せないのが悲しいところ。

額殿左の銅瓦で葺かれた三間社流造の社は摂社天津神社で少彦名命を祀る。

天津神社左に鎮座する六社。
挿絵が描かれた当時は、境内に社ごとに祀られていたようですが、どの時点からこうして纏められたかは不明。

左から住吉神社、神明神社、山祇神社、愛宕神社、雷神社、石上神社の六社が祀られており、祭神は以下。
住吉神社 / 底筒男命、中筒男命、上筒男命
神明神社 / 天照大御神
山祇神社 / 大山祇命
愛宕神社 / 迦具土命
雷神社 / 大雷命
石上神社 / 布都御魂命

摂社 松尾神社
境内左に鎮座し、銅葺屋根の三間社流造で大山咋命を祀る。

松尾神社から三ノ鳥居方向の眺め。
氷川神社の歴史を物語るかのように、見上げるばかりに伸び、枝をはった杜に包まれています。

ここから左を眺めると神橋の先に朱の楼門が見えています。
随分長くなったので今回はここでひと区切り、次回は神池周辺から先を掲載します。

武蔵一宮 氷川神社
所在地 / 埼玉県さいたま市大宮区高鼻町
大宮駅から一ノ鳥居経由三ノ鳥居 / ​ 約50分
参拝日 / 2023/09/26
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Last updated  2024.04.12 09:50:22
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