読書つれづれ

読書つれづれ

2007.03.19
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カテゴリ: 読書 書籍案内
昨年の夏前、有る機縁があり但馬の国出石に出掛けることが有りました。
姉妹の家より車で水害の跡の残る堰堤を走り、出石の町に入りました。
ある店で出石蕎麦をお腹いっぱい食しました。特段の味はありませんが
小さな白磁に盛られた蕎麦を全員で30枚くらい頂きました。
枚数の注文を聴き驚きましたが一口位ずつ盛られた蕎麦を食べ、お皿をつ
み重ねる風情が出石の蕎麦の食感なのでしょうか、食後も机に重ねられた
皿を見ながら蕎麦の余韻を愉しみました。

出石蕎麦

その後出石の町を散策しました。但馬の国に生まれながら出石の町は数年
前職場の旅行で訪れたのが最初でした。

沢庵和尚は出石で生まれ、十歳の時、浄土宗の寺で出家した。
十四歳の時宗鏡寺に移った。この寺は山名氏の菩提寺であった。

崇境寺



城下町のはずれ緩やかな傾斜を登ったところに宗鏡寺はあり昼時の所為か
拝観料を受け取る人も居なかった。
センサーが稼動し人が近づくとお寺の説明がスピーカーから流れ始めた。
境内の上部に山名氏歴代城主のお墓があり当時の大名の権勢を偲ばせるも
のであった。
小高い台地の上に沢庵和尚のお墓があり、その下からプールで水浴する子
供達の歓声が聞こえていた。

沢庵和尚

その後大徳寺の僧董甫が出石城主前野氏の招きで宗鏡寺に来た。その後こ
の住職が京都に帰るとき、お供して大徳寺に入り京都での生活が始まった。
しかし京都の生活は権門に阿る住職の考えと違いが煩悶する日々であった
ようである。
董甫が亡くなった時大徳寺を出て堺の南宗寺陽春庵に一凍を訪ねた。宗彭
(沢庵和尚)はこの師より引証の語と「沢庵」の名を頂いた。
一凍亡き後南宗寺の住職となったが、勅命を受け大徳寺の住職となった。
しかし、大徳寺に入山後三日目に退院上堂の偈を述べて南宗寺へ帰ってし
まった。
「法度事件で」徳川家康の信任の厚い崇伝の横車を受け大徳寺の代表とし
て江戸に召還された。しかし崇伝の意見が通り当事者は厳罰に処された。
沢庵は出羽上山へ流罪となった。
将軍秀忠が死んだとき特赦があり許され三年の上山生活を離れ江戸に帰っ
た。時齢六十歳。
赦免後の沢庵禅師に対する将軍家光の傾倒は一方ならず、しばしば禅師
を招き教えを受け、品川に東海寺を建立し禅師を住まわせた。

大徳寺の教団に満足をせず、又時の幕府の政策に宗教人として硬骨の
対応をし、身の回りを質素に保ち続けた禅師。最後は家光の保護を受け
て安穏に暮らし初めても自嘲禁じえなかったそうである。





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Last updated  2007.04.04 15:37:43
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