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あけましておめでとうございます。謎の不動産屋、Mr.Xです。昨年はせっかくブログを始めてはみたものの、長続きせずにサボってしまいました。お正月にゆっくり休んでリフレッシュしたので、まずは今日から再開し、今年は一年間コンスタントに更新し続けることを目標にします。さて、新年最初のテーマは、私のおすすめしたい本についてです。よく不動産投資系のブログですと、たいていの場合、まず第一に挙がる本があります。いわずとしれた、『金持ち父さん貧乏父さん』です。というわけで、私もまずはこの本について思うところを書いてみようと思います。この本については多くの方が、読んで衝撃を受けたとか、今までの常識がひっくり返ったとか、何かに目覚めたとか、いろんな表現でそのインパクトの大きさを讃えています。もちろん、私もそれに反対するつもりは毛頭なく、まぎれもなくすぐれた名著だと思いますし、実際に私自身、かなりの影響を受けてきたことは間違いありません。しかし、私はどちらかというと、目からウロコが落ちたというよりは、自然にスムーズに頭の中に入ってきたという感じでした。「衝撃」ではなく「親近感」を感じたのです。多くの方は、もしかしたら急激なパラダイム・チェンジを覚えて、知的興奮と共にこの本を読んだのかもしれません。しかし、私の場合は自分のパラダイムがこの本によって全面的に肯定されたように思いました。ロバート先生によって、それまでの自分のお金に関する考え方は間違ってなかったんだと安心させられ、心がとても慰められたことを覚えています。どうやら、私の頭の中には元から金持ちのマインドが育っていたようです。話は変わって、昨年末、といってもまだ先週のことですが、不動産投資家の友人と一対一で居酒屋ミーティングしました。この人とはいつ話してもなかなか話が尽きないのですが、夕方五時から飲み始めて11時まで一つ所で飲み続けていました。その際に貯金の話になり、私はつい深い考えもなく、『金持ち父さん』を読んで以来、給料日の天引き貯金を欠かしたことが無いという自慢話をしてしまいました。ところが、帰りの電車の中でよくよく考えてみると、天引き貯金のアイデアは必ずしも『金持ち父さん』からではなく、その前に読んでいたもっと別の本から教わったものだったことを思い出しました。お正月に本棚から引っ張り出し、再度読んでみたのはこの本です。明治、大正から昭和の戦前期にかけて活躍した学者に本多静六という人がいました。この人は本業である学問でも立派な業績を残したそうですが、同時に金銭面でも莫大な財産を築いたそうです。そのことを本多博士本人が振り返り、『私の財産告白』という書名で出版したのだそうです。昭和20年代のことでした。現代でこそ『金持ち父さん』以後、金持ち本が多く出版されるようになりましたが、その時代ではまだ、お金のことをオープンに語るような書物はまずなかったそうです。つまり、金持ち本の走りの走りだった訳です。その『私の財産告白』を題材にし、内容のエッセンスに著者自身の解説を加えて著されたのが私が読んだ本です。(原典は古い本ですからなかなか手に入らないかと思います。私がもし古本屋で見つけたら即買いします。)以上、ひとまず本のあらましについて紹介したところですが、詳細は次回につづきます。※ブログを長続きさせるために、毎回少しずつ書くという方針にしました。 なお、必ずしも毎日ではありません・・・・・・、書く時は毎回少しずつという意味ですのでご了承下さい。Mr.X新年なので、蛇足ですがここで一首。今年の目標はブログの継続なので、その意気込みを詠ってみました。年明けて再び開ける書(ふみ)の箱あかないまでにあくまで続けむ
2011年01月06日
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こんばんは、謎の不動産屋、Mr.Xです。日本海大家さんとの討論の結果ですが、結局、お互いのポジションが違うために見解も異なるということで上手くまとめられてしまいました。大筋では異存はありません。むしろ、なるほどと気付かされた部分もありました。というか、私としては今まで書いている中で必ずしも自他のポジションを意識していなかったもので、かえって誰にでも通用する最良の策を提唱しているつもりでした。しかし、それができるのはあなただけだよと冷たく突き放された格好です。ちと淋しいです・・・。が、確かに私が弱小一般家主でないのは紛れもない事実。。。一般の家主さんにはリスクの大きい方法は勧められないというのもうなづけます。結局、誰にでも通用する方法はないということなのでしょう。さて、事故物件問題が一応の決着を見たところで、新たな議題として【満室至上主義】を提唱してみたいと思います。詳しくは次回よりスタートします。明日より本業の方で取引きのラッシュが始まるため、すみませんが一週間ほどお待ち下さい。Mr.X
2010年10月14日
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こんばんは、謎の不動産屋、Mr.Xです。ぼ~やさんからコメントをいただきました。なんと、私の勝手な予想に反して、自殺者数の方が4倍も交通事故死者数より多かったそうです!いやはや、そんな時代なのですね。これでは、私も含め世の大家さんたちは、もっと事故物件化するリスクを勘定に入れて対策を練った方がよさそうです。肝に銘じます。しかし、そうかといって事故物件化する確率が極端に高まった訳ではありません。予想よりも高かったというだけで、賃貸経営する上でのトータルの視点から見れば、依然その優先順位が低いことには違いありません。50%の確率で起こりうる問題については、50%なりの智恵と労力をつぎこむべきですし、 10%の問題については10%の労力を、1%の問題には1%の対策を、そして0.1%の問題には0.1%なりに重視していればよいと思います。そのため、事故物件化するリスクを下げるような対策があれば、漏らさず実行すべきですが、これを恐れてそもそも投資しないというのは、些事に捉われているように思います。なお、私もけっして向う見ずなことばかり言っている訳ではなく、自分で出来るだけの対策は取っているつもりです。自己所有のRC6階建物件には、元々屋上へのハシゴがかかっており、6階廊下から誰でも自由に屋上へ登ることができました。でも、それでは飛降り事故を起こされてしまう危険性がありますので、ハシゴに続く通路にフェンスを設置し、フェンス上部にはグルグルと鉄条網を巻きつけました。ここを乗り越えて屋上に達するためには、ちょっとしたプリズンブレイク!?の覚悟が必要となります。このフェンス設置の施工費は約10万円でした。万が一しか起きないだろう問題に対してかけるお金としてはちょっと高いかなぁと思いつつも、一度やっておけば後は安心できると考えて、結局実行しました。ちなみに、この選択が正しかったのか間違いだったのかは今後永久に検証されません。 やらずに飛降りられた場合だけは、設置しておけばよかったと後悔するはめになりますが、やって効果があって無事な場合と、やらなかったとしてもそもそも飛降りがなかった場合との区別はつかないからです。単に10万円ムダにしただけの可能性もあります。あと、一応、やっても防げない場合もありますが・・・・・・、死を覚悟した人は鉄条網をも乗り越えるかもしれませんから。。。ただ、手が傷ついて「痛い!」となった時に、やはり死にたくないと思い直してくれれば本望です。愛の鉄条網です。(ホンマかいな?)さて、日本海大家さんからまた次のようなコメントをいただきました。~~~以下引用~~~この例では8戸満室の状態で殺人事件が起き、3戸が空室に成ったみたいです。しかし、立地の悪いボロアパートで8戸中6戸入居中、事件が起きて3戸退去された場合はどうでしょうか?8分の3の入居ならローン返済にも困るかもしれませんし、もともと満室にも成らない物件だとしたら、事件の影響は長期化どころか再起不能の可能性もあります。今回のケースは満室物件=まあまあの立地&設備&築年数だから、表面上のリカバー可能だったのかも?しかし、最近の不況を考えてみれば、物件の供給過剰状態の中、家賃の下落圧力は大変高いです。この状況下での殺人事件物件、なかなかの問題児だと思います。~~~引用ここまで~~~確かに鋭い指摘です。私の見た実例では、もともと8戸満室で順調にアパート経営できているという状態でした。まあまあの物件だったからリカバー可能だったというのは、いかにもおっしゃる通りかもしれません。しかし、私の見解では、そもそも満室でない状態でいることは大家力が低い証拠だと思います。8戸中6戸しか入居していない状態とは、いかに立地が悪いボロアパートだったとしても、今までにすべき対策をしていなかったということです。誤解を恐れずに極端なことを言いますと、どんな物件でも満室にならない物件はありません。どんな部屋でも決まらない部屋はありません。家賃を半値にしなければ決まらないというのであれば、半値にすれば決まります。8戸中6戸しか入っていないのは、残り2戸を決めていないからその状態なのです。事故物件化したときに被るであろう損失が大きければ大きいほど、だからこそ、いつ事件が起きてもよいように満室でいなければいけないのです。満室とは結果ではありません。そうしなくてはいけないという、いわば必要条件です。この満室絶対主義については、また日を改めて語りたいと思います。Mr.X
2010年10月12日
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こんばんは、謎の不動産屋、Mr.Xです。日本海大家さんより、前々回の記事(「心理的瑕疵」)についてコメントをいただきました。~~~以下引用~~~小心者で金銭的余裕も無く、適切な対応も出来るかどうか自信の無い私が、もしも1億円位の物件をローンで買って、このような事故が起きたら、きっとノイローゼに成ると思います。~~~引用ここまで~~~さて、もしも自分の所有物件内で自殺や殺人事件が起きたらという話ですが、そんな時は、私もきっとノイローゼになると思います。決して人並み外れて度胸があるとか、余裕があるから平気という訳ではありません。ただ、私の場合は、そんなことにはまずならないと思っているだけです。確率が極端に低いことは考えてもしょうがないので、「万が一そんな目に遭ったら」なんてことは考えません。だって、飛行機が落ちる確率は0.000何パーセントとかですが、だから私は飛行機は安全だと思っています。(正確な統計は知りません。詳しい方がいましたら教えて下さい)。しかし、同じ数字を見ても、「落ちる可能性はゼロではない。ゆえに私は飛行機に乗らない」とか言う人もいる訳です。ゼロでない限り安心できないのならば、人生何事においても不安が消え去ることはないでしょう。今の時代、自殺や殺人事件は飛行機事故より多いみたいですね。そう考えると心配になってしまう気持ちも分かりますが、また別の考え方もできます。 自殺や殺人事件よりも交通事故死の方が多いのです。(たぶん・・・・・・。データは調べていません。間違っていたら指摘して下さい)交通事故死する危険がありながら、そんなことを大して気にも留めずに外出するのが現代に生きる我々です。冷静に考えると、よくもあんな危険な自動車というものを毎日乗り回せるものですね。 しかし、それでも我々は、事故に遭う危険性と行きたいところに行けるというメリットとをトータルに考えて、車に乗った方が良いという選択をしている訳です。車を乗り回せる私たちならば、自殺を心配する必要はありません。落ち込んだりノイローゼになったりするのは、いざ自殺された時のためにとっておきましょう。今から心配するのは、まだ陥ってもいない未来の不幸を先取りし過ぎです。また、仮に自殺されても大丈夫です。大家さんにとっての不幸には違いありませんが、でも、、、大丈夫です!それでも何とかなっている大家さん、物件を見ています。我が町で、実際に殺人事件を起こされた物件を知っていますが、人の噂も75日というのは本当でした。75日といったら2ヶ月半ぐらいですが、本当に2ヶ月半後には誰もその事件の話をしなくなりました。そこの大家さんも最初はノイローゼ気味で、もう物件を売ってしまいたいとか言っていました。でも私は、今売ったらそれこそ買い叩かれるだけだからやめておきましょうとアドバイスしました。そこは全8戸のアパートです。殺人を犯した犯人の部屋が一部屋、事件を怖がって退去した人の部屋が二部屋、合計三部屋が空部屋になりました。(事件前は満室でした)。しかし、その後しばらくして、ちょうど噂も消える2ヶ月後ぐらいには、犯人の部屋以外の二部屋は入居が決まりました。(多少安くはしました)。半年たった今、犯人の部屋だけがまだ残っていますが、ここは大幅に安くしたので、やがて近い内には入居が決まるでしょう。時がたち、大家さんは精神的に立ち直りましたし、経済的にも以前と変わらず立ち行きそうです。もちろん、当初満室で運営できていた状態からみると、大きな損失を被っていますし、 いくら噂が消えたと言っても、やはり売る場合の資産価値は大幅に減少していると思います。大家さんにとっては大きな災難でした。しかし、致命的な結果にはなっていません。意外に何とかなるもんですよ。冷静にリスクを分析して、無用の損失を被らないようにする工夫は必要ですが、心配のしすぎもよくありません。心配や不安は、未来という変えられない部分に時間を使うことに該当していると思いますが、いかがでしょうか?Mr.X追伸:私は未来や現在よりも、過去について考えすぎて時間を浪費しがちです。 現在にフォーカスして時間を使うとは正に至言ですね。 (参照:日本海大家さま「時間の使い方 その2」)
2010年10月09日
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こんばんは、謎の不動産屋、Mr.Xです。本日は読者の方から質問があったので、生活保護者の入居について思う所を書きたいと思います。(書くネタが不足気味のため、トピックの提供をいただけると大変嬉しいです)。さて、大家さんにとって、生活保護者を入れるメリットには次の様なものがあります。 一、家賃が安定的に入る。 但し、家賃が確実に入ってくるための方策をたてる必要があります。(市町村から直接入金してもらったり、保証会社の保証を付ける、など)二、長期間にわたっての入居が見込める。 生活保護者は高齢であったり、そもそも仕事に就けないために生活保護を受ける人が多いため、いったん入居してしまえば滅多なことでは余所へ引越しません。三、市町村の定める上限家賃で契約できるので、物件によっては募集家賃より高く貸せる場合もある。 30,000円で募集している部屋を、生活保護者に貸す場合に35,000円に値上げするなど・・・。 但し、単に値上げするだけでは足元を見ているようなので、 その代りにフリーレントを付けるとか、入居時一時金の一部を大家持ちにするなどの交換条件も必要です。※入居時一時金は、月額家賃の上限とはまた別に、市町村によって上限が設定されています。 例えば、ある市で月額家賃は35,000円が上限でも、一時金は家賃の3ヶ月分までが上限という条件だったとします。 家賃30,000円、敷金2ヶ月、仲介手数料1.05ヶ月、保証会社への保証料25,000円、火災保険料20,000円、鍵交換代15,000円の物件の場合、 市から下りる一時金は敷金60,000円と仲介料の一部30,000円の合計90,000円だけです。 仲介料の消費税分1,500円と、残った諸費用分を全部合計すると、61,500円ですが、この分は入居者本人に負担してもらう他ありません。 これを家賃35,000円に値上げし、その代わりに保証料25,000円は大家で持つということにすれば、入居者負担額は36,750円に軽減されます。 (さらに鍵交換を省略し、旧鍵のままで引き渡すことにすれば、21,750円ですみます)。 大家が負担した保証料は、家賃アップ分の5ヶ月分で回収できます。 (但し、保証料と火災保険料は2年ごとの更新時にもかかるので、更新時以降は入居者に負担してもらうように、最初によく理解させておかなければなりません)。 なお、生活保護者の場合、2~3万円すら自己負担できない人も多いですが、そうかといって敷金は負けない方がよいです。 理由は次に述べるデメリットで明らかにします。生活保護者を入れる時のデメリットには次の様なものがあります。一、人物的な問題から生じるお金の面以外でのトラブルが起きる可能性がある。 ゴミ屋敷にされるなど・・・。 といっても、それ以外に特に思い当たるようなトラブルはありませんので、余計な心配かもしれませんが、生活保護者は一般人よりもモラルが低い場合があります。 こういうと差別的ととられるかもしれませんが、経験上、そういう人が多いです。 もちろん人それぞれの属性や、生活保護を受けるようになった経緯によりますので、よくよくその辺の事情を把握して、入れるかどうかを判断しましょう。二、高齢者や病気がちの人の場合、亡くなるリスクがある。 面倒をみる家族がいないために生活保護を受けている場合が多いので、これもよく事情を聞いて、 いざ容体急変という時に誰か駆け付ける人がいるのかどうかを確認しておきましょう。 (単なる独居老人よりは、生活保護者の方が市の福祉課の職員が定期的に連絡を取るので安心だという意見もありますが、 よほど心配な病気でない限り、職員もそう頻繁には訪問したりしないと思います。 また、市の職員は公務員ですので、少なくとも夜間と土日には決して連絡が取れません)。 メリットの二で、長期間の入居が見込めると言いましたが、そのことは同時に、死ぬまで住み続けるということにも考えられるので、解約される時は亡くなる時だということになります。 (入院するとか、親戚の家に引き取られるとか、就職して引越すという場合もありますが・・・・・・)三、生活保護を打ち切られるケースもある。 入居者が就職したような場合は、生活保護は打ち切られます。 給料が少しばかり入るようになっても、かえって以前よりも生活が苦しくなり、家賃を払えないという場合も考えられます。 また、市に隠れて密かに行っていたバイトがバレたり、本来持っていてはいけない車を持っていることがバレた場合も、生活保護は打ち切られます。 これも、入れるかどうかを決める前によく事情を聞いて、本来働ける年齢なのに生活保護を受けているような場合には、 近々働く予定はないかどうか、またズルをしそうな人かどうかなどをよく確認しましょう。 但し、保証会社の保証が付いていれば、生活保護打ち切り後の家賃も回収してくれます。四、解約後の原状回復費用を払ってもらえないリスクがある。 月々の家賃は取りっぱぐれることはありませんが、解約後(退去、または死亡)の支払いまでは市も保証してくれません。 もちろん一般の人でも取れないリスクはありますが、生活保護者はまとまったお金が無いことが明らかな人たちです。 そのため、敷金は原状回復に足りる分だけ(部屋の大きさによって1~2ヶ月分)を預っておきましょう。 また、保証会社の中には原状回復費まで保証してくれるところもありますが、面倒な手続きはあるので、敷金があるにこしたことはありません。五、ヤクザの女である可能性がある。 ハッキリと実例を知っている訳ではありませんが、聞くところによると、ヤクザは自分の息のかかった女に生活保護を受けさせることがよくあるそうです。 年配の大家さんに時々いますが、昔は単に単身女性というだけで、悪い男を引き入れるからという理由で入居を断っていた時代もあったそうです。 私は若いころ、まだ不動産屋に勤めて半年ぐらいの時に、これで失敗した経験があります。 中年の単身女性をファミリータイプの広い間取のマンションに決めたのですが、大家さんからどうも怪しいという不審の目を向けられました。 私はそれにもかかわらず、大丈夫ですよと押し切って契約してしまいました。 しかし、入居させてから一週間目に、その部屋にヤクザ風の強面の男が出入りしていることが判明しました。 そこの大家さんからはたいそう責められたものです。以上、考えられるメリットとデメリットです。デメリットの方は、引越理由と経緯をよく把握し、また人物面を含めた審査をすることである程度のリスクを防げます。また、敷金を預かったり保証会社を付けることを怠らなければ、十分安心できると思います。そこまで対策を講じた上で、いったん入れてしまえば、後は長期安定入居者になります。 ですので、私は大家業を経営的に考えるのならば、生活保護者を入れるのに賛成です。 ただし、入れるのに反対な大家さんは実際のところ、とても多いのが現状です。いろいろな理由で断られますが、つまるところは、「まっとうに働いていないのはけしからん」ということのようです。まあ、これはそう言われても、しょうがないといえばしょうがないとも思います。なんといっても、生活保護で家賃として支給される金額の原資は、働いている人が納めた税金ですからね。本当に可哀想で生きていけないような人もいれば、単に制度に甘えている人や、ズルしてるだけの人もいますので・・・。入れるべきかどうか、モラルの面ではまだまだ議論の余地はあると思います。経営面だけ見れば、入れても良いと思います。Mr.X
2010年10月08日
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こんばんは、謎の不動産屋、Mr.Xです。楽ラボさんより質問があったので、心理的瑕疵について思う所を語ってみます。心理的瑕疵とは、賃貸物件で自殺や殺人事件などの物騒な事件があった場合のことを指します。そんな時、その部屋をまた新たな借り手に貸し出すには、借り手の側に心理的な抵抗がある訳ですが、貸す側のオーナーとしてはこの手の問題をどう考えるべきでしょうか?私の答えはカンタンです!「そんなことは心配してもしょうがない」です。万が一そんな事態が起こったら、その時は観念しましょう。まず、“万が一”という言葉がありますが、これは一万回に一回起こるようなことという意味の言葉です。これを多いと見るか少ないと見るか・・・・・・。人によって感じ方はいろいろなのでしょうけど、私はそれは少ないと見ます。一万回に一回起こるということは、それは同時に一万回に九千九百九十九回は起きないということです。そんなことは心配してもしょうがない。人間、生きているといろんなリスクがあります。街を歩いているだけで、車にひかれるリスクがあります。電車に乗るだけで、電車が脱線して事故に遭うリスクがあります。車を運転するだけで、事故に遭って自ら怪我するリスクと他人を怪我させてしまうリスクがあります。言葉を発するだけで、他人を怒らせてしまうリスクがあります。生きるということはリスクと共に生きることなので、リスクを一切引き受けないというような都合のよい状態は望むべくもありません。一万分の一しかリスクがないのなら、喜ぶべきことです。だから私は、自殺とか殺人事件とか、頻度の低いことは初めから問題にしません。ホントは“火事”だって、そんな滅多にないことを考えることはバカらしいと思っています。ただ、世の中には火災保険というものがあってそのリスクをカバーしてくれているので、利用して損はないので利用しています。しかし、火災保険と言う仕組みがない世の中だったとしても、私は大して深く考えずに不動産を持ったと思います。建物が火事で無くなってしまったら、しょうがないと思うしかないのです。私は毎日ニュースを見ていて思うのですが、世の中の大半の人って失うことを恐れすぎていると思うのです。まあ、マスコミ自体の不安を煽る姿勢が問題だと思うのですが、それにしてもビクビクオドオドしている人ばかりです。毎日ニュースで報道される事件についてですが、近年異常な事件が多く、世の中ヘンになってきたという認識が一般的です。しかし、私はそんなに心配するほどのことではないと思っています。ニュースというのは、日本全体で一億二千万人からの人口がいる中で、その中のごく一部の人が起こした異常な事態を報道しています。ということは、そもそもニュースになるようなことというのは普通ではない訳です。普通でないからニュースに取り上げられるのであって、世間にありふれた普通なことは報道される価値もないのです。しかし、毎日異常な事件が続き、それが毎日ニュースに取り上げられると、まるで凶悪事件はどこにもありふれていると勘違いしてしまいます。ですが、実際には日常生活で凶悪事件に出くわすことなんて普通の人ではまずないと思います。一日一件の凶悪事件がニュースで報道されているとして、一年には365件の事件しか起きていません。確率的には、一億二千万分の365ということで、イコール0.0003パーセントです。一人の人間が100年生きて、凶悪事件に出くわす確率は0.03パーセントです。身の回りの100人の中の誰かが100年の間に凶悪事件に出くわす確率は3パーセントです。 この辺でやっと現実味を帯びてきました。世の中物騒だなんていうのは幻想です。実際には、平和でありきたりな日常が昨日も今日も明日も続きます。私の場合は、もしも凶悪事件が身近であれば、犯人を取押えたらヒーローになれるかな?とか、時々妄想します。もちろんそんな事件に遭遇すれば、自分が被害者になって死んだり傷ついたりする側になる可能性もありますが、そんなことは考えてもしょうがないです。どうせ確率の低いことを想像するのですから、どちら側に考えても大した違いではありません。そんな小さなことよりも、今の平和な日本が心配しなければいけないことは、中国に支配されることです。この危険な隣国に呑み込まれないための努力を、我々はする必要があります。まあ、こういった政治的問題は大ごとなので、また改めて書きたいと思います。さて、今日はこのへんで。。。毎度思うのですが、文章を書きだすと終わり方が難しいですね。ビシッと結論付けられなくてイマイチですが、多少唐突でも終えることに決めないと終われないものですから、今日はここまでとさせていただきます。Mr.X
2010年10月01日
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こんばんは、謎の不動産屋、Mr.Xです。気がつけば一週間ぶりの更新となってしまいました。本業の方が何かと忙しく、ついついクラブ活動はサボりがちに・・・・・・。楽しみにして下さっていた読者の皆さまには申し訳ありませんでした。さて、気を取り直して本日は、我が街のスーパー大家さんをご紹介します。我が不動産店に来る大家さんの中に、とびきりパワフルなおばあちゃんがいます。この方はなんと、不動産屋を介さずに自ら客付けします。どんな方法かというと、不動産屋の前に張込み、出てきた客に声をかけるという方法です!「あら、ちょっとそこのあなたがた、アパートでも探してるんですか? 不動産屋さんではいい物件紹介してくれたの?」こんなふうに気さくに声をかけます。もし相手が、「いや、まだ見つかってないんですよ」とでも言おうものならチャンスです。「私がいい物件紹介してあげるから、一緒に見てみましょう」こう言って、半ば強引に自分の物件に連れて行きます。これが、なかなかどうして、けっこう決まるのです!毎年少しずつですが、この方式で成約しています。案内して決まると、大家さんはそのお客さんを我が社の店舗に連れて来てくれます。あとの手続きは不動産屋でやってくれというスタンスです。ちなみに、最初に張込む不動産店舗というのは我が社のライバル会社の前です。我が社にとっては素晴らしいエージェントです。ある時は、バス停でスカウトして来た人と契約しました。元々は見知らぬ人同士だったのが、バス停で共にバスを待っている間に世間話をしていて、ふと賃貸住宅を探しているという話題になり、それなら私の所に住みなさいよということになりました。急遽行き先を変更し、バスには乗らずに自分の物件まで連れて行ったそうです。また、ある時はブラジル人の青年に路上で声をかけ、連れてきました。このブラジル人はまだ若く、サッカー選手のカカ似のイケメンでした。まさか遠い異国に来て、おばあちゃんにナンパされるとは思ってなかったのではないでしょうか?こんな方法はなかなか真似できるものではありませんが、そういう手もあるということで参考にしてみてはいかがでしょうか?では、今日はこの辺で。Mr.X
2010年09月30日
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こんばんは、謎の不動産屋、Mr.Xです。本日、私の所有物件に住む入居者さんが更新に来てくれました。この入居者さんは、じつは我が物件内の最重要顧客です。というのも、平成ヒトケタの年代から入っている方で、私が競売で取得して大家になる前からの入居者さんなのです。そういう場合に容易に想像されるように、この入居者さんも例にもれず、周囲より割高な家賃で入っています。どのくらい割高かと言うと、あまり大きな声では言えませんが、相場家賃で70,000円相当の部屋を80,000円で借りてくれています。しかも、この物件は競売前に安く入居した人たちがいて、同じ70,000円相当の部屋を60,000円で借りている人も多いのです。つまりは、お隣同士で家賃に20,000円も差があるという、超不公平物件な訳です!6万円を基準にすると、なんと33%増しですね。。。我ながら、たいへん申し訳ない気持ちでいっぱいです。しかし、悪魔クラブの一員としては、決して自ら値下げを申し出たりはしません。ww 言って来られたら考えます。そのときはちょっとだけ下げてあげようと思っています!?さて、そんな優良な入居者さんが、私の不動産店に更新手続きに来てくれました。最初はその人だとは気付かなかったので、私は店の奥にいて、女性事務員が応対している様子を見ていました。しかし、その人の顔は特徴的でしたので、ちょっと考えている間に思い出しました。「あっ!505号室の天野さん(仮名)だ」と。そういえば、と、ここで過去の思い出がよみがえってきました。じつは2年前、私がこの物件の大家になり、契約書の巻き直しをした際に、この人とはけっこう気さくに話をしました。地元でラーメン店を営んでいるとのことで、「大家さんもこんど食べに来て下さい!」と熱心に勧誘されました。私も二つ返事で、「それはぜひ、近々行きますよ!」なぁんて調子の良いことを言っていました。しかし、結局この2年間の間に一度も訪れることはなかったのでした。地元のホントに近い場所にあり、何の縁が無くても、普通に食べに行っておかしくないようなお店であるにもかかわらずです。しかも、その間周辺の他のラーメン店には何度も訪れているのにです。その理由は、皆さん当然お気付きだと思いますが、値下げ交渉されないためにです。ヘンに接触をもってしまうと、何かの話のはずみで家賃の問題が出て来かねないからです。「ねぇ大家さん、ウチの隣の○○さんちも同じ家賃なの?」とか聞かれたら困ってしまいます。または冗談で、「餃子一皿サービスしとくからさぁ、ウチの家賃もサービスしてよ」とか言われかねません。そんな危ない場所には近付かないに限ります。ラーメン一杯食べに行って、家賃1万円下がったのでは、驚くべき高額ラーメンだったということになります。それが悔しいことに、そこのお店はとても評判が良いみたいです。地元にいながら一度も味わったことがないのはつくづく残念なところなのですが・・・。 さて、そんな記憶を辿りつつ、天野さんの顔を思い出した私は、心なしか背中を丸め、いつしかパソコンの陰に隠れるような体勢となってしまいました。このまま手続きが事務的に進めば、そのまま同じ家賃で継続されるはずです。私はそれまで息を潜めて、じっと待っていようと思い定めました。ところが、そんな姑息な考えは通用しないかのように、すぐさま事務員から「社長!」と呼びかけられました。「○○マンションの天野さんなのですが、お部屋のことで社長にぜひ相談したいことがあるそうです」私がデスクから顔を上げると、天野さんはこっちを見て二カッと微笑みます。いやな予感がしつつも、引っ込めない状況でしたので、重い腰を上げてカウンターまで向かいます。「社長、何とかして欲しいんだが、、、」と天野さんが言います。「何かお困りですか?」「いや~、じつはさぁ、ウチの部屋がいつか泥棒にでも入られるんじゃないかと思って気が気じゃないんだよ」「えっ、泥棒ですか?」「うん、玄関のカギがもう古くなってガタガタなんだよね。ドアとの隙間からなんか突っ込まれてガチャガチャやられたらすぐに開きそうなんだ」「ああ、それは確かに心配ですね。そういう時は修理というよりも、鍵のシリンダーを交換しなきゃいけないんですよ」と、ここでウチの事務員が、「鍵交換は承っていますが、入居者さんに実費で負担してもらうようになっちゃいますよ」と事務的な決まり文句を言います。「え~、いくらぐらいなの?」と天野さん。事務員は鍵交換の案内パンフレットを出してきて、標準タイプの鍵が○○円、ディンプルキーがちょっと高い○○円、その中間のお得なタイプの鍵が○○円といつもの説明を始めます。私はそこで、「天野さん、長く住んでくれてるというのもありますし、更新にも来てくれたので、今回は私の方で新しいのに交換してあげますよ」と言い、結局サービスしてあげることにしました。天野さんが喜んでくれたのは言うまでもありません。前と同じ80,000円の契約書にサインをし、更新事務手数料と火災保険料を気前よく支払い、ニコニコと帰っていきました。こうして私は、つまらないサービスを大袈裟な顔してやってあげて、身に余る感謝を受けてしまいました。むしろ、高い家賃を毎月払っていただいて、感謝しなきゃいけないのは私の方なのですが・・・。つくづく不動産屋というのは、恩着せがましい商売だと思います。ww余談ですが、不動産屋というと、よく「悪徳」という枕詞がつきます。これは、バブル時代以前のイメージというものが大きく、今の時代にはもはや当てはまらないといっても過言ではありません。いまどき、いかにも悪徳不動産屋然とした人なんか、そうそういるものじゃありません。 しかし、皆さん注意して下さい。目に見えるような巨悪は姿を消しましたが、小ズルい悪徳というのは、どんな不動産屋もその遺伝子の中に持っていると思います。仲介業というのは、結局、本質的に価値のあるものを売っている訳ではなく、情報を右から左に動かしているだけです。大したことをやっている訳ではないのですが、大したことに見せかけています。その見せ方を上手くするために、どうしても小ズルく立ち回ることが必要になるのです。 むしろ、人が良かったり、正直だったりすると、不動産屋としてものになりません。私の営業マン時代の上司であり、師匠だった人なんて、外面が良いのに腹黒く、常日頃から「立ち回りが上手いやつが勝つ」と自ら公言していました。まあ、その立ち回りのうまさというのが一つのアートだったので、とても尊敬していましたが・・・。まあ、その辺の話をぶっちゃけ出すとキリがありませんので、この話はここまでに。。。w さて、最後にまとめますと、本日私が入居者さんにしてあげたようなことは、(してあげただなんて図々しい限りですが)、賃貸管理の世界で今流行りの言葉で、「テナントリテンション」というものにあたります。「テナント」とは入居者の意、「リテンション」は保持の意だそうです。大家さんも管理会社も、空室をいかにして埋めるかということに意識が向きがちですが、じつはもっと大切なのは、“空室を出さない”ことだといいます。もっと簡単に言うと、高入居率維持の秘訣は今いる入居者を“退去させない”ことです。 といっても、もちろん無理やり退去させない訳にはいかないので、今住んでもらっている部屋に価値を感じてもらって、よそに行くよりも、今のところにずっと住み続けたいと思ってもらえるようにしようという訳です。私の例はケチくさい鍵交換だけの話ですが、(しかも自発的なものではなく、間に合わせにすぎませんでしたが)、徹底的にやる場合など全戸に希望設備(ウォシュレット、空気清浄機、etc.)を設置するだとか、もっと気の利いた大家さんは花を贈るとかしています。特に2~3年に一回の更新時などは、今まで長く住んでいただいたことと、今後も住み続けてくれることへの感謝の意も込めて、何かプレゼントしてあげるのが良いのではないでしょうか。まあ、何に居心地の良さを感じるかは人それぞれなので、皆さん、自分なりの「退去させない方法」を考えてみて下さい。なお、決して善意の押し売りではなく、良かったと思ってもらえる方法を考えましょう。それが見せかけでも良いと思います(←←この辺の発想が不動産屋の特徴です。笑)Mr.X追伸:余談ですが、テナントとは入居者(借主)の意です。世間では意外と間違って使われているのですが、これを店舗・事務所の意味に取っている人が多いみたいです。アパート・マンションには「入居者募集」という看板がかかっていて、店舗・事務所には「テナント募集」という貼紙が貼られていることが多いから、こういう誤用が広まってしまったのかもしれません。本来はどちらも「借主募集」には違いない訳ですが、事務所の場合には住まないので、“入居者”というのがしっくり来ず、わざわざ“テナント”と表示するのだと思います。私にこれを気付かせてくれたのは、大手ハウスメーカーの大○建託です。ケンタク社員の名刺に、“テナント営業課 鈴木○太郎”とか書いてあるものですから、「店舗専門ですか?」と聞いて、「いや、違います。居住用も事業用も両方やってます」と言われたことがありました。 そこの会社では、賃貸営業マンはみんな“テナント営業”だそうです。だから、店舗を持っている大家さん、注意して下さい。×「ウチのテナントが一年も空いてるんだよ」○「ウチのテナントの美容室が家賃を一年も払わないんだよ」同じぼやきでも、言葉の意味を間違えては恥ずかしい思いをします。
2010年09月23日
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こんばんは、謎の不動産屋、Mr.Xです。十日ほど前、「すぽると」(フジテレビ系のスポーツニュース番組)に中日の山本マサ投手が出演していました。そこで彼は、45歳になっても衰えない秘訣を聞かれて、とても興味深い話をしました。 彼は、プロのスポーツ選手にとっては常識であるアイシング(氷で冷やすこと)を一切しないそうです。それが体調管理の要諦だとのこと。曰く、「アイシングというのは、科学的な事には反しているかもしれないけど、自分の感覚としては正しくないと思う」と。これは、昔スポーツをやっていた私の感覚にピタッと当てはまりました。スポーツや、あるいは日常生活でも、人はよく捻挫とか打撲をしたりすると思いますが、そんな時には、冷やすと逆効果です。科学的な根拠はありませんが、経験的にそう考えます。足をひねった時など、余計なことは何にもせず、安静に動かさないのが一番です。冷やすと一時的に痛みは引くかもしれませんが、筋肉や関節が固まって、動かしにくい状態が長期化します。私の弟はスポーツマンで、よくフットサルやキックボクシングなどで足を突き指したり骨折したりしてくるのですが、いつもアイシングしてます。当人はそれが効果的な方法だと確信しているようなのですが、見てると、いつになってもアイシングが取れません。毎日夕食前に氷の出し入れをしていて、それが日課になっていて、もしや一年中体のどこかを冷やしているんじゃないかという様子です。「まだ、治らないの?」と、時々あきれて聞くのですが、いっこうにやめる気配はありません。私は、むしろ人間の体というのは、日常生活のいろんな局面において、冷やすよりも温めることを基本方針にしなければならないと思っています。まず、当り前ですがみんなが忘れていることの一つに、「体が冷えるから風邪をひく」というのがあります。私はあまり風邪をひかないのですが、決して生まれつき体が強い訳ではありません。子供のころから二十歳ぐらいまでは病弱でした。年間通して何度も何度も風邪をひいていて、風邪の結果、気管支炎とか中耳炎を併発したことも多かったです。それが、二十歳のころにある経験から「風邪をひかない方法」を体得しました。前回の記事にも書きましたが、私はその頃、元オリンピック選手の弟子として体を鍛えていました。先生が具体的にあれこれと風邪をひかない方法を教えてくれた訳ではありませんが、風邪をひくと「だらしない」だの「情けない」だの言われるので、自然とひかないための方法を工夫するようになったのです。それに、風邪をひくと、練習を休まなければなりません。練習を休むと上達が遅れます。ということは、上達したければ毎日練習しなくてはならず、毎日練習するためには風邪をひいてはいられないという理屈です。そんなこんなで、日々いろいろと工夫しながら、だんだんと風邪をひかないための具体的なノウハウを身につけていきました。それ以降、だいたい2年に1回ぐらいの割でしか風邪をひかなくなり、今に至っています。 (まったくひかない訳ではないのは、さすがに2年に1回ぐらいは気が緩むからです。。。) 今は運動していないので体は衰えましたが、その時身につけた智恵だけは今も衰えていません。それで、その具体的なノウハウは細かい話になるのでここでは省略いたしますが、その要諦は一言で言いつくされます。風邪をひかないためには、ズバリ「体を冷やさないこと」が一番です。まあ、そりゃそうだなと皆さんすんなり納得されるかと思います。しかし、意外と軽視されてるんですよ、これが。周りを見てると、しょっちゅう風邪をひく人ばかりです。風邪をひきやすい人たちの日常の行動を見ていると、体を冷やすようなことを平気でしています。寒いこと、冷たいことに対して無頓着なのです。お金の問題でもそうですが、自分が得意なことに関しては、他人の至らない部分はよく見えますね。例えば、お金を浪費する人が浪費してしまう行動パターンが、まったく浪費できない私からはよく見えます。反対に、自分が苦手なことでは、きっと周りから見透かされている部分もあるんだと思いますが・・・。例えば、同じ健康に関することでも、私はカロリー計算とかダイエットに関することはまったく苦手です。ごはん一膳が何カロリーに相当するかなど、まったく把握しておりません。大まかに「食べ過ぎると太る」という定理は分かっているつもりなのですがね・・・、でも、たぶん大したことないとタカをくくっているんだと思います。私の場合、出されたものは遠慮せずに食べるというスタンスなのですが、むしろ最近は自分のために食べないという人が多いですよね。特に女性などは厳しいです。訪問先で何を出されても決して手を付けないとか。お茶の時間にお菓子が回ってきても、なるべく受取らないようにしようとか、隣の席の人に横流ししようとか、食べないために必死です。そんな厳しい人たちから見たら、出されたものを素直に食べてるような私みたいなのは、まるで無頓着に見えることでしょう。でも実際に、その無頓着さゆえに、確かに太ってきているんですよね。そろそろ何とかしないとと思う今日この頃です・・・。まあ、それはさておき、私がこの記事で伝えたいこととは、物の見方には必ず表と裏と二方向の見方があるということです。例えばアイシングとは、現代の進んだスポーツ科学が打立てた最先端の方法です。ほとんどのプロスポーツ選手が取り入れて日々実践している方法なのです。しかし、プロ野球の世界の第一線で20年以上投げ続けてきた超大物である山本マサ選手は、この方法に疑義を唱えます。ということは、どんなに確立されたかに見える方法でも、反対側の見方が存在するということです。ちなみに先日の「すぽると」の放送の中では、ゲスト解説者の江本タケノリ氏(通称:えもやん)はこう言っていました。曰く、「今はアイシング全盛の時代だね。昔はそんなの誰もやっていなかった。でも何連投もしたもんだよ」と。もちろん、どちらの見方がより当たっているのかは分かりません。ただ、現代のスポーツ科学にどっぷり浸かっている人たちの中では、アイシングが唯一絶対の効果的な方法かもしれませんが、えもやん氏の中では、それはあくまで一つの方法であり、たまたま今の時代に栄えているだけに過ぎないのだと相対化されているのです。以上、何気なく見た番組の、たかだか10分程度の場面でしたが、なぜか私の中に相通ずるものがありました。結局不動産の話に繋がりませんでしたが、長くなってきたのでいったん終了します。次回に続きます。Mr.X
2010年09月20日
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(つづき)さて、いよいよ本題ですが、じつは前回お話ししたキャッシュフロークワドラント、これを理解できるかどうかは、あなたが自分自身を金持ちと捉えるか貧乏人と捉えるか、そのセルフイメージにかかっています。もうお気づきかもしれませんが、ロバート先生が『金持ち父さん』シリーズで語る語り口は、「金持ちはこう考える」とか「金持ちだったらこうする」とかです。これは、上の例で、私のスポーツの先生が「貴乃花はこう考える」と言っていたことと基本的には一緒です。結局、スポーツであっても、金儲けであっても、何か他の分野であっても、その分野の成功者の視点に立って物事を見るということが、自分自身を成功に導く要素です。言葉にしてみると当り前の様ですが、例えば自分を貧乏人と捉えている人は、なかなか簡単には金持ちのような物の見方をすることができません。そこで、私がおすすめしたい方法ですが、スポーツや、又は自分の好きな趣味の世界で、その世界の最強王者を見つけ、その人の視点や考え方に立つことを練習するという方法です。お金の問題というのはどうしても嫉妬や執着心が絡むので、人は冷静な判断をすることができません。しかし、私情をさしはさまなくてもいい趣味の分野であれば、その分野で上達することが単純に良いことと素直に認識されるので、強者と弱者を冷静に観察して、強者の見習うべき所を探してきて見習い、弱者のダメなところを見つけてきて真似しないようにするといったことが可能です。(それをロバート先生は金儲けの分野でも、強者である金持ち父さんと弱者である貧乏父さんとを対置、比較してその優劣を明らかにしているからこそ名著なのです)。さて、そういった意味で、私は白鵬が成し遂げたことを賞賛し、連勝記録が双葉山を抜くよう、これからも応援していきたいと思います。Mr.X
2010年09月18日
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こんばんは、謎の不動産屋、Mr.Xです。白鵬が54連勝しました。私はこの人の相撲の取り口が好きです。柔軟に受けて立つスキの無い取り口は、王者の風格があります。しかし、思えば子供のころ、当時の最強力士は千代の富士でしたが、そんなに好きではありませんでした。たぶん、いつも勝つから憎らしいというような、つまらない理由からだったと思います。その千代の富士の引退後、大乃国、旭富士が短命横綱に終わり、続く小錦、霧島が思ったほどは活躍せず、絶対的な強者が不在の一時期がありました。ちょうど若貴フィーバーなどがあり、世間的な相撲人気も高まったため、私もこの時期から本格的に相撲を見るようになりました。この時期は上位と下位の差があまり無く、誰が活躍してもおかしくないような戦国時代でした。若貴や曙がどんどん伸びて、熾烈な出世争いを繰り広げました。若い力が躍動する、見ていてとてもワクワクする時代でした。この頃、私は自然の流れで、若花田、貴花田を応援していました。しかし、やがて若手にも実力が付き、彼らが真の上位として大関、横綱まで登りつめました。そして、彼らの中でも貴乃花が、曙を追い抜いて、最強横綱の地位を占めるようになりました。なぜかこの頃、私は貴乃花が嫌いになっていました。明確な理由はありません。たぶん、いつも勝っていたからでしょう。横綱同士の大一番で曙と貴乃花が対決した時など、意味もなく曙を応援していました。今にして思えば、特別曙を好きだったわけではありません。当時は相撲を見ていた割には、内容を見る目が肥えていなかったので、良い力士と悪い力士の区別がつきませんでした。(ただ、当時好きだったのは、F1相撲と言われるほどスピードの速かった琴錦です。)しかし、そんな私が、ある人の影響で一気に180度見方を変えて、貴乃花の大ファンになってしまいました。95年~98年ぐらいにかけて、ちょうど貴乃花の全盛期と重なるのですが、私はあるスポーツに打ち込んでいました。元オリンピック選手の開く道場に通い、学生でありながらまるでアスリートのように、週7日休みなく練習していました。その先生には、師匠と弟子のように、店番から何からやらされて、貴重な経験を積ませてもらいました。そして技術と体力だけではなく、勝負に臨む上でのメンタリティーとか、勝つための哲学とかを教えてもらいました。私はその競技で、結局そこそこの成果を出したものの、一流といえるレベルに達せずに終わってしまいました。しかし、この修業時代に先生について身につけさせてもらった哲学と人生観が、その後のビジネスに大きく役立ってきています。さて、その先生は、人にものを教える時に、いつも例え話や隠喩を用いて、ちょっと分かりづらく、しかしよくよく考えると腑に落ちるような話をしたものです。そう、有名人でいうと、まるで『オシム語録』で知られるオシム監督のような名言、警句を得意としていました。今、ちょっと具体例が出てきませんが、「ライオンは兎を捕えるときにも全力を尽くす」的な言い回しです。そして、先生はライオンではなく、いつも貴乃花を引合いに出して、「貴乃花は~~だ」「貴乃花は~~する」「貴乃花なら~~しない」というふうに話しました。(なにぶん、もう十年以上前のことで、実例が思い出せないのが残念です。。。)もちろん、ここでいう貴乃花とは、何も相撲に限らず、他のスポーツのトップ選手でもよい訳です。先生は要するに、「最強王者は勝負の時にこう考える」とか、「最強王者は練習の時にこうする」とかの話を伝えたかったのです。そんな環境の中で毎日練習に励んでいた私は、ある日、相撲を見ている最中に、ふと気付いたのです。その日の千秋楽は、貴乃花と、ある前頭の力士の戦いでした。舞の海だったか、智の花だったか、または全然別の力士だったか、ハッキリ思い出せないのですが、小兵で曲者だったことは確かです。そして、私は貴乃花が、このやっかいな相手をどう料理するのかを楽しみにしながら、その取組みを見たのです。その勝負は、案の定、体格で勝る貴乃花が万全の体勢に捕まえて、危なげなく寄り切りで勝ちました。それを見ていた私は大満足でした。そして、「あっ!」と気が付いたのです。以前の私だったら、その小兵がどうやって強い横綱に立ち向かい、大きな壁を乗り越えて行くかという視点で見ていたのですが、その時は完全に貴乃花の目線に立って見ていました。そこには、人が自分自身を強者と見るのか、弱者と見るのかという問題があります。今までの私は、自分を弱者の立場に立たせて、強いものを打ち破ることに意義を見出していたのだと思います。しかし、自分を強者と見るのも自由です。私は気が付きました。その時はまだ漠然とでしたが、スポーツという勝敗を競う世界では、強者にシンパシーを感じ、敬意を払い、そこから多くを学ぶ姿勢でいることの方が正しいと。私はその日から、あらゆるスポーツを見るにつけ、常に最強王者を応援しようというふうになっていきました。(半ば意識的に、半ば自然に)そして、スポーツだけでなく、社会のあらゆる問題まで、強者や成功者の視点から物事を見ようとしてきました。(つづく)
2010年09月18日
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こんばんは、謎の不動産屋、Mr.Xです。BSE問題について語る前に、まず昨夜の記事について一点だけ誤解されている点があるようなので、補足しておきます。~~~以下、日本海大家さんの記事より引用~~~このブログの中で、不動産投資で儲ける方法として彼は3つの手法を上げています。 1.利回りの高い、超優良物件を見つけて買う手法。 2.利回りがそこそこの物件で、返済期間を長く取る手法。 3.現金で激安高利回りの、一戸建やボロアパート買う手法。 この3つの中で、Mr.Xの選んだ手法は1のようです。(まだ、彼の結論は明かされていませんが。) ~~~引用ここまで~~~さて、ちょっと買いかぶられてしまったようで複雑な心境ですが、じつは私の選んだ手法は1ではありません。1でも2でも3でもなく、あえて言うと2の裏バージョンです。1の投資法は、理想的な物件を得るという話ですから、個人の考え方や好みを超えた、ある意味誰でも求めるであろう方法です。現実にはそんな物件はなかなか見つからないので、超人的なスキルや行動量、そして運などが必要とされます。残念ながら、私の所有物件は必ずしも高利回りではないので、このカテゴリーには属しません。何%以上が高利回りかについては、次の条件を満たすものとします。「返済期間を短期にとっても、税引き後に十分なキャッシュフローが残ること」私の場合には所得税を払ったらそこで終わりなので、この条件をクリアしていません。2の投資法は、上記1の物件よりも利回りで劣るので、キャッシュフローを出すために返済期間を長く取る必要があるのです。私の物件の属するカテゴリーはここです。しかし、私は敢えて借金を早く返す方を選択したので、その替わりにキャッシュフローが出ていないのです。これが2の裏バージョンという意味です。逆に言いますと、1で挙げたような条件を満たす物件だけが本当に収益力のある物件であり、収益力の足りない物件は借金パワーを利用して、その収益力の不足を補わなければならないということです。そして、借金パワーの発動方法には二つの方向性があり、一つは一刻も早く物件を自分の物にする方法。もう一つが、完全な所有権の確保を後回しにして、ちょっとずつでも収益を得て行く方法です。いずれの方法も互いに表と裏の関係で、どちらかがより優れているということはありません。むしろ、いずれも、何かを妥協した方法であるという意味で、1のような理想的な物件に劣っています。以上が、昨夜の記事の終盤の分かりにくかった部分の解説です。(今日のでも分かりづらかったら、すみません。。)あとは、2のように借金を利用する投資法と、3の現金による投資法とでどちらが優れているかは、日本海大家さんをはじめとする各派の論客の議論を待ちたいと思います。さて、ここからいよいよ、予告通りBSE問題について語りたいと思います。ウィキペディアによると、BSEとは牛海綿状脳症(うし かいめんじょう のうしょう、Bovine Spongiform Encephalopathy, BSE)のことで、いわゆる狂牛病のことです。しかし、肩すかしを食わせるようで申し訳ありませんが、私の語りたいBSEとは狂牛病ではなく、キャッシュフロークワドラントにおけるB、S、E、そしてIのことです。このブログを訪問して下さるような方は、おそらく投資に興味があるような人たちだと思いますので、きっと『金持ち父さん』シリーズは読んでいることでしょう。私から再度説明しても釈迦に説法だと思いますので、ここではキャッシュフロークワドラントという概念の細かい説明は省略します。ただ、話を通じやすくするために、念のため次のことだけ確認しておきます。Bとは「ビジネスオーナー(経営者)」のことです。Sとは「スペシャリスト(専門家)、又はセルフ~~(自営業者)、又はスモールビジネスオーナー(小規模事業者)」のことです。(自営業者の元の英語は忘れました。w)Eとは「エンプロイー(従業員)」のことです。そして、Iとは「インベスター(投資家)」のことです。ロバート先生は、人の職業を大きくこの四つに分類しました。曰く、「大多数の人間はE、もしくはSとして生きている。 しかし、金持ちとはたいていB、もしくはIのカテゴリーにいる人たちである。 金持ちになるためには物やお金に対する見方を変えて、B、もしくはIの人たちの様に生きよう」私はロバート先生のこの分類法と考え方に多くを教わりました。きっと、読者の皆さんの大多数も同じではないでしょうか?しかし、最近思うのは、IがIだけで成り立つのは難しいのではないか?ということです。 まずは皆さん、考えてみて下さい、自分がどこのクワドラントに属するのかを。いわゆるサラリーマン投資家の方たちは、サラリーマンなので当然Eであり、かつ不動産投資を志しているのでIの側面も持っています。あと、不動産を持っている大家さんに多いのが、歯医者さんなど、Sのクワドラントに属する方たちです。この方たちは本業が高収入なので、その稼ぎから蓄えた分を原資にして不動産を買います。(もちろん、本業の収入のみで満足しており不動産に手を出さない人も多いです)。また、会社社長などはBのクワドラントです。会社をやっているからといって皆が皆金持ちではないでしょうが、やはり、なんだかんだ不動産を持っている人は多いです。それらの人はBでありIの側面も持っている人ということが言えます。なお、私の場合は小さな不動産屋を経営していますが、自分のやっていることがビジネスといえるのか、それともまだスモールビジネスなのかは判然としません。せこせこ働いていて余裕がないという意味では、Sかもしれません。自ら必死にがんばらないと儲からない。自動的に儲かるシステムを作っていない。これらの意味で、ロバート先生には金持ちと認めてもらえないレベルです。さて、問題はIです。Iとは投資家の意ですが、投資家が投資家というだけで上手くやっていけるでしょうか?私は難しいと思います。もちろん、ものすごく投資能力が高く、運用だけで倍々ゲームのように資産を増やしていける人も中にはいるかもしれません。しかし、私も含む大多数の凡人たちには、そのような高度な資産運用能力はないと思います。ここで、「自分は投資力がある方の人間だから大丈夫、投資家だけでやっていける」という、すでに高いレベルにいる人や、「投資力をこれから磨いて、優秀な投資家になる」という志の高い人には、これからのお話は関係ありません。あくまで普通レベルの人を基準に話をしようと思います。さて、ちょっと大袈裟かもしれませんが、一言ハッキリ言わせて下さい。私が日常見聞きしているレベルでは、大多数の不動産オーナーは、不動産だけではたいして儲かっていません。反対に、大多数のオーナーは、よそのクワドラントで稼いできた余剰の分を不動産に換価しているだけなのです。まず、サラリーマン投資家が、毎月の給料から着実に貯金をして、不動産を買うための種銭としたケースを考えてみましょう。この場合は明らかですが、この人の貯金というのは、今までに労働の対価として得てきた給料の、余剰の蓄積の分です。サラリーマンといってもいろいろありますので、人によって肉体労働の成果で得た給料かもしれませんし、頭脳労働の結果の報酬かもしれませんが、過去の何らかのがんばりが形を変えたものが、現在の種銭である訳です。それがまた形を変えて不動産になります。次に、歯医者さんが物件を買う場合を見ますと、先のサラリーマンよりも月々の稼ぎが良いので、自然と貯金額は多くなります。しかし、金銭的構造はまったく一緒です。歯医者さんは歯の治療という専門性の高い労働を行い、その対価として一般人よりは多くの報酬を得ますが、これまでにがんばってきた分の余りが現在の貯金です。会社社長でも同じです。自ら働かなくても、従業員を雇って何がしかの組織を維持するというのは大変なことです。社長は智恵を絞る労働や、責任を引き受ける労働をしているのです。その意味で、やはりこれまでの労力の余りが、今あるお金ということになっているのです。以上の人たちが、今までに貯めてきたお金を使って(一部は他人のお金を借りて)、不動産を買う訳です。結局、不動産はそれ単独で儲けようという趣旨のものではなく、過去の余剰を確定させるための手段になっているのではないでしょうか?いや、「おれは不動産投資だけで不動産を増やす」とか、そう考える人は当然いても良いのですが、現実問題、世の中の大多数の凡人たちがやっていることは、不動産を資産の保全のために買うという行為です。私はそれでいいと思っています。私の本業は不動産屋業ですが、これは不動産投資とはまた別ものです。他人の物件を仲介する(売らせる、買わせる、貸させる、借りさせる)ということに、日常主なエネルギーを費やしています。そして、その余剰で自ら物件を買っています。主に稼いている軸は本業の方なので、所有物件はキャッシュフローが出なくても良いのです。ブログなどで有名になった不動産投資家が、やがて不動産を離れて、出版やネットビジネスや情報商材やコンサル業などに方針転換していく例がありますよね。これはある意味当然の成り行きです。不動産は過去に向いたビジネス、他のビジネスは未来に向いたビジネスです。あるいは、不動産はサイドビジネスとして最適であって、それだけを主軸にするには物足りないとも言えます。私の敬愛する、ある有名な不動産投資家は、このごろあまり不動産に熱心ではなく、ネットビジネスの方に主軸を置いていますが、「不動産は速度の遅い投資である。ネットビジネスの方が爆発的に稼げる」と、(表現は正確ではないかもしれませんが)、そのような趣旨の発言をしています。不動産が好きな人はちょっと寂しい思いをするかもしれませんが、至言だと思います。BSE問題に戻りますと、私は結局、不動産投資(Iの分野)は単独で追求するものではなく、他のクワドラントと組み合わせるものだと思います。B+I ビジネスオーナー&不動産。S+I 専門家・自営業者&不動産、E+I サラリーマン&不動産Iは単独では成り立たない。というか、成り立たせるのは難しいと思いますので、クワドラントは四つを対等ではなく、三つプラスアルファと捉えた方がよいのです。Mr.X
2010年09月16日
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こんばんは、謎の不動産屋、Mr.Xです。昨日、一昨日と出張しておりました。移動先で久々に書店に入ったのですが、ちょっとのつもりがついつい何時間も立読みしてしまいました。立読みってけっこう体力使いますね。ずっと立っていたため足が痛くなり、その後かなりの距離を歩いたため靴ずれになってしまいました。。。それはさておき、帰宅してみると、日本海大家さんから次のような質問状が突き付けられていました。~~~以下引用~~~Mr.xの言う「儲かる物件」って、どんな状態の物件なの?って事です。 Mr.xは高額所得者者なので納税区分は最高税額です、なので15年返済で経費払って、ローンを返済して、税金を払うと、ほとんど終わりだそうです。 つまり、彼は不動産投資で儲けようと思っているのか?という疑問が湧いてきます。 確かに15年後には借金の無い物件が自分の物に成るのだから、資産は増えて良いのかもしれませんが。 私は、今すぐ使えるお金が欲しいですw多くの不動産投資家は、私と同じように考えていると思います。 Mr.x 是非今すぐお金を浪費しても、儲けられて、銀行にも返済できて、安心して生活できる不動産投資法を教えて貰えないでしょうか? Mr.xの考え方は、沢さんの借金パワーで本来自分の物に出来ない資産を、自分の所有物にする方法と同じような気がします。 ~~~引用ここまで~~~というわけで、本日はこの質問に回答させていただきます。さっそくですが、最初に白状しますと、私は日本海大家さんの鋭い読み通り、不動産投資で儲けようとは思っていません。もちろん、長期的には儲かる予定になっていますが、最初の15年間はひたすら借金を返すつもりです。この間は、経費を払って、ローンを返済して、税金を払うとほとんど手元に残りません。そして、15年後に借金の無い物件が手に入ります。資産が増えて良いです!wwただ、確かに今すぐ浪費できるお金は手に入らないですね。税引き後のキャッシュフローが必ずしもゼロという訳ではありませんが、なにがしかのプラスの分にも、今まで手を付けたことはありません。そして今後も、今以上に利回りの良い物件を買って大きなCFが出たとしても、そこは取り崩さずに再投資に回すと思います。私はきっと、使うためのお金を欲しがってはいないんだと思います。それでいいのです。だって、私は別に浪費なんかしたくないのですから。そうすると、「では、お前はいったい何のために不動産投資をやっているのか?」と多くの方から疑問符を付けられると思います。豊かになるために投資をしているはずなのに、投資の結果得られたキャッシュフローに手を付けないのでは、結局キャッシュフローを得てないのと一緒ではないかと。確かに傍から見れば、「使うお金が無い人」と「お金があっても使わない人」とは違いが無いですよ。お金を使えなくても、お金を使わなくても、どちらも豊かな人生ではないですもの。「ほら見ろ、どんなに金持ちでも豊かさを知らない可哀想な人というのもいるものさ」こう言って嗤う人もいることでしょう。そのような指摘は、決して間違っていません。私は豊かに生きていない自信があります!(笑)でも、それでいいと思っています。私は資産増やしゲームが好きなのです。リアルにお金を動かしてはいても、やっていることは、TV画面上でマリオを動かして遊んでいる子どもと一緒なのだと思います。多くの方には参考にならないかもしれませんが、これが私の投資観です。しかし、これだけでは面白くありませんので、日本海大家さんから要望のあった、「>今すぐお金を浪費しても、儲けられて、銀行にも返済できて、安心して生活できる不動産投資法」を考えてみようと思います。これには三つの答えが考えられます。一、超優良物件を見つけて来ること。優良とはいろんな意味でですが、特に高利回りであることを条件とします。当然、高利回りであれば、諸々の経費とローン返済と税金に多くを取られたとしても、まだ多くが残ります。しかし、優良物件であればあるほど、それを見つけて来て実際に手に入れるということは大変です。だからこそ、探す方法であるとか、実際に探し回る行動力とか、手に入れるための資金力や信用力だとかを磨くなど、大変な努力をする訳です。事前に大変なことをクリアするから、買った後が楽になるというモデルです。二、利回りがそこそこの物件であれば、返済期間を長く取ること。私の所有物件は低利回りという訳ではないですが、かといって超の付くほど高利回りでもありません。そのため、15年ローンではほとんど手残りがない状況になっていますが、今にして思えば20年や25年でローンを組むこともできました。そうしていれば、キャッシュフローが○○万円はあったのになぁと、今さら後悔の思いを抱くときもあります。そして世間を見渡してみれば、この方法(超長期間でローンを組むこと)を採用し、実際に年間キャッシュフロー○○万円などという人がたくさんいます。それは、ただ借金の先送りに過ぎないとか、いろいろ批判的に見ることもできるでしょうが、一つの見識ではあります。三、現金で激安一戸建やボロアパートなどを買うこと。(もちろん高利回りは必須)私はこれは得意ではないので、詳しい説明は省略します。この投資法にもメリットとデメリットが、また賞賛する立場と批判する立場が、それぞれあると思います。以上、三つのどれかの道を選べば、きっと浪費もできる豊かな不動産投資ライフが送れることでしょう。現実問題として、一番の超優良物件を見つけることは非常に困難なので、二番か三番を、皆さんそれぞれ自分の好みや属性に応じて選択しているのだと思います。だから、よく「RCか一戸建てか?」とか「ローンか現金か?」などといった対立軸で、どちらの投資法がより優れているかという論争が起きるのです。さて、私はなぜ、二番でも三番でもないのか? その理由はBSE問題が関係しています。これは長くなるので次回に続きます。Mr.X
2010年09月15日
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こんばんは、謎の不動産屋、Mr.Xです。前回の記事は「攻撃は最大の防御」というテーマで、空室募集問題について語ってみました。さて、私はじつは、“攻撃”だの“防御”だの、はたまた“作戦”だのといった、ものものしい物騒な言葉が大好きです。こういう言い回しはどこから来ているのか考えてみたのですが、どうやら小学三年生のころにハマった『三国志』が遠因だと思い当たりました。横山光輝の漫画版、全60巻が家にあったもので、最初はたまたま手に取った20巻ぐらいから読み始めました。ちょうど劉備玄徳が荊州に逃れてきた辺りで、徐庶や諸葛孔明などの軍師が登場し、絶妙な作戦を駆使して、弱小な劉備軍を強大な曹操軍に対して勝たせていきます。やがてクライマックスの赤壁の戦いが始まり、孔明vs.周喩の知恵比べや、曹操軍の仕掛けた“埋伏の毒”の計略とそれを見破った周喩の偽手紙の応酬など、知的にゾクゾクするような場面が次々と展開していきます。いつしか幼い私の中で、軍師や知将といった存在が憧れの対象となりました。特に諸葛孔明の先の先まで見通した、まるで神のような作戦指揮にはすっかり参りました。今では、それが作り話で実際にはそんなにうまくいかないことは分かります。例えば、右手の山で旗を振ると、曹操は必ず裏の裏をかいて右に進むとか、そこまで読み切るのは絶対に不可能だろうとツッコミを入れたくなります。しかし、まあ、そんな不可能なことをピタリと言い当てるから面白いのですが・・・・・・。そんなこんなで、私はやがて作戦とか、戦略とか、兵法とかに興味を持つようになりました。兵法といえば、その元祖は『孫子の兵法』です。兵法というのは、平たく言うと戦争や勝負に勝つための方法ですが、この『孫子』の優れているところは、具体的な方法や小手先のテクニックではなく、勝負に臨む際の根本的な考え方(マインドセット)を説いているところです。例えば、こんな教えがあります。「百戦百勝は善の善なるものにあらず。戦わずして勝つこそ善の善なるものなり」この教えの意味するところは、私の解釈では次の様になります。「戦いというのは、がんばらなくては勝てないものです。 しかし、毎回毎回がんばっていては、疲れます。 戦わなければ楽です。 戦わずに目標達成できる方法を考えましょう。 あるいは、戦場でがんばらなくても、戦場に臨んだ時点ですでに勝ちが見えているような状況を作りましょう」例えば、赤壁で曹操軍100万が劉備・孫権軍10万を攻めたら、兵力10倍なので、普通は曹操軍が勝つはずです。軍師が智恵を絞り、作戦が当たった結果、小が大を打ち破ったとしても、それは快挙ではあっても、決して褒められたことではないのです。10回戦えば、1回ぐらいは弱小勢力が勝つかもしれません。しかし、10回中9回は強者が勝ちます。であれば、真の知者が智恵を絞るべきこととは、戦場で神の様な采配をふるうことではなく、戦場に10倍の兵力を集結させるというふうな、一見地味な事前の準備なのです。その意味で言いますと、私が子供のころに感動した諸葛孔明の兵法というのは、まったくなっていません。これはあくまで弱者の兵法です。反対に『孫子の兵法』とは、強者の兵法です。「勝ち易きに勝つ」という、しごく当り前の方法です。そこには何のドラマも感動もありません。しかし、成功とはそんな当り前のことの積み重ねなのかもしれません。さて、じつは、不動産投資にも『孫子の兵法』は応用できます。50,000円相当の空室を40,000円で募集すれば、イヤでも決まります。ところが、孔明ばりに優秀な不動産投資家の皆さんは、この部屋を何とか52,000円で貸せないものか、智恵を絞ります。和室をフローリングにリフォームしたり、トイレにウォシュレットを設置、インターホンをTVドアホンに交換、ワンポイントのカラークロスを貼ってアクセントにしたり、家具家電を買って来て無償でプレゼントしたり、・・・エトセトラ、エトセトラ。もちろん、全て間違いではありません。やれば確実に効果はあります。きっと入居は決まることでしょう。しかし、大変です。労働力投入すれば自分が大変ですし、お金を払ってやれば財布が大変です。「百戦百勝は善の善なるものにあらざるなり」です。そこで、まことに安易ですが、50,000円相当の部屋を48,000円で募集します。(なお、先ほどの極端な数値は訂正します。何も好き好んで40,000円にする必要はありません。)そうすると、当り前ですが簡単に入居が決まります。まことに安易ですが、これでいいのです。これぞ『孫子の兵法』ならぬ『『損しの募集法』です。一見損しているように見えますが、空室で機会損失する期間が短くなり、長期的にはトクしていることになります。最後に、日本海大家さんの出題したテーマ「初めて買う投資用物件」へ回答してみます。 (少し提出が遅れたようです。お許しあれ)初めてでも二回目以降でも、私は自分の買う物件は次の基準で選びます。一、がんばらずに満室にできる家賃を考える。二、その家賃で引き直して利回りを算出する。三、算出した利回りが期待水準以上なら購入する。以上です。RCか木造か、築浅か築古か、などは個人的にそれなりの好みはありますが、本質的に重要ではありません。計算が全てです。当たり前すぎて、必ずしも読者の方にとって新しい発見はないと思いますが、これでいいのです。強調したいことは、満室にするためにはという視点が最初に来ることです。満室は最上の価値です。これは何度強調してもし過ぎることはないと思っています。もっとも、誰しも満室が価値のあることは分かっています。きっと、そんなこと知ってるよ~と思うことでしょう。皆さん勘違いしているのは、満室がゴールだと思っていることです。大家としての様々な努力をした結果、最後にご褒美として訪れるのが満室だと思っています。間違いではありませんが、このパラダイムですと、努力が足りない場合に褒美にありつけません。私の場合、ご褒美はイヤでももらうことに決めます。満室をスタートとして、後は機械的に計算します。計算の結果、楽に運営できることが分かったら買います。がんばらなければ儲からない物件は買いません。「戦わずして勝つ、これぞ善の善なるものなり」Mr.X
2010年09月12日
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こんばんは、謎の不動産屋、Mr.Xです。昨夜の記事では、入居率の計算方法と、期待入居率から逆算して想定空室日数を計算する方法について触れました。その計算結果から、高入居率を達成するためには、数ヶ月や半年もかけて空室を埋めている余裕はないですよという結論が導き出されました。しかし、多くの大家さんたちは、きっと次の様な心配をするのではないでしょうか?「空室を埋めるために安めの家賃設定をする大切さは分かりました。 しかし、インターネットに現状より低い家賃が載ったりすると、 入居中の入居者さんからクレームが入ったりしないでしょうか? 『うちも同じ家賃まで下げてくれ』とか言われないでしょうか?」もっともな心配です。確かに既存の入居者の家賃は高いケースが多く、特に長年住んでいる入居者さんほど、現在の相場とかけ離れたケースが多いです。そんな時にインターネットなどで現在の募集家賃が知られてしまうと、当然知った本人は値下げして欲しいと思うでしょう。そして、実際に値下げ要求されたら、断るに断りづらいし、なんか申し訳ないというような心理にもなり、結局は要求を認めざるを得ないことになりそうです。私は必ずしも値下げに応じる必要はないと思いますし、値下げを断るための上手な答え方というのも知っています。それはまた別の機会にお話しするとして、今回はひとまず、「見つかった時は値下げに応じなければならない」という設定にします。それでは、このような場合に、他の部屋が値下げさせられるリスクを冒してでも、現空室の募集を優先するべきでしょうか?私の答えはイエスです。なぜなら・・・・・・、おっと、その理由を説明する前に、皆さん、ちょっと2ヶ月前を思い出してみて下さい。今年2010年の7月ごろ、世間はワールドカップ一色でした。私はサッカー含め、スポーツ全般を見るのが好きなもので、毎晩テレビにかじりついていました。日本代表を応援するのはもちろんですが、じつは他国の試合も楽しみだったりします。人それぞれ、ひいきの国があったりするものですが、私はスペインを応援してました。余談ですが、じつは今、世界のサッカー界に革命を起こしつつあるのが、FCバルセロナというチームです。体の中でもっとも不器用な部分である足を使うサッカーという競技は、じつは観客にとっても見るのが難しいスポーツです。ボールが敵味方の間で行ったり来たりするし、なかなか点が入りません。蹴ったボールがなかなか味方につながらず、攻撃はすぐに中断されます。90分の試合時間のほとんどが、うまくいかないもどかしさを見せられているかのようなものです。しかし、バルセロナのサッカーは、まるで手でボールを扱っているかのように面白いほどパスがつながります。試合時間の大半を自分たちがボールを持ち続け、相手にボールを触らせず、時間と人数をかけて攻撃し続けます。超攻撃的な美しいサッカーで見る者を楽しませます。そのバルセロナのメンバーが、ほぼほぼスペイン代表チームに入っているので、スペインも同じような攻撃的なスタイルです。このスペインが、約1ヵ月間の激闘の末、私の応援と予想通り、優勝の栄冠を勝ち取りました。スペインが優勝できた理由の一つは、先に述べたような、他を寄せ付けない圧倒的な攻撃力があったからですが、じつはもう一つの隠れた原因がありました。データを見ると、決勝トーナメントの4試合を、スペインは全て「1対0」のスコアで勝っています。4試合で4点しか取っていないというのは、意外と少ない数字です。攻め続けている割には得点が少ないのです。事実、シュート数はものすごく多かったため、決定率はものすごく低い数字だったはずです。しかし、4試合で無失点というのは素晴らしい守備力です。これもサッカーに詳しい人には意外な結果で、スペインは必ずしも守備が強いチームではありませんでした。攻撃力が持ち味であったはずのスペインが、じつは守備力の方があったという不思議なスコアでした。しかし、これには原因がありました。スペインは、圧倒的に敵を攻め続けることで、自分たちが守備に回る時間を少なくしていたのです。自分たちが攻撃している時間は、自分たちがボールを持っている時間です。ボールを離さなければ、相手に攻められることはありません。実際にスペインはボール支配率が70%(相手は30%)という、普通のサッカーの試合ではなかなか考えられない大差で主導権を握っていました。これでは相手は、やっとボールを奪ったと思って、少ない攻撃のチャンスをがんばろうとしても、すでに守備の時に走り回った疲れで、思うように前に出て行けません。攻撃に人数をかけられなければ、すぐにまたスペインにボールを奪われて、長い長い守備の時間帯を耐え忍ばなければなりません。そして、また疲れきって攻撃力が落ちる・・・という負のスパイラルに陥ります。結果、試合開始から試合終了まで、ほとんどロクな攻撃もできずに終わるというのが、相手チームの負けパターンでした。その反対で、「攻められなければ、守りを気にする必要はない」というのが、スペインが優勝できた最大の原因です。これは、空室募集にも通じる黄金則です。インターネットに安い家賃が載っているとします。これが既存の入居者に見つかるか見つからないかは確率の問題ですが、ネットで公開されている期間が長いほど、見つかり易くなります。一年のうち半年間も空室の物件であれば、入居者がふっと賃貸物件を検索してみようと思ったとき、50%の確率で自分が今住んでいる建物と同じ外観の写真を見つけ出します。(実際には、同じ市内で同じような間取の物件に引っ越そうと考える人はもっと限られるでしょう。)しかし、一年のうち一ヶ月間しか空室でない物件ならば、8.3%(12分の1)の確率でしか発見されません。極論すると、あなたの物件が常に満室であり続け、めったに空室募集されることがないなら、入居者に見つかる確率はゼロに近くなります。もちろん、永久に退去がないという訳にはいかないので、たまに空室募集する時には、即決まる条件にしておきます。ネット掲載後、即日~数日で決まるというふうに・・・。決まったら、ネットは即落とします。(落とすように、仲介の不動産屋さんに頼みましょう。)すると、一年365日のうちのほんの数日しかお目にかかることのできない、超プレミア物件ということになります。こんな物件の大家さんは、「入居者に値下げをせまられたらどうしよう?」などと気にする必要がありません。これぞ、「攻撃は最大の防御なり」という大家道の真髄です!Mr.X
2010年09月10日
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こんばんは、謎の不動産屋、Mr.Xです。昨夜の記事では家賃設定の重要性について触れましたが、さっそく日本海@大家さんから次の様な作戦が提案されました。~~以下引用です。~~そんな不動産屋の言い分を真に受けるようじゃダメだねw まずは自分の希望家賃で募集する、反応が無ければ下げるのが本当の大家だね。 見極めの時間を限定して、ダメなのが分ったら速攻で家賃変更する事だよ。~~引用ここまで~~私も大筋でこの作戦に賛成です。問題はどの程度の期間、強気の家賃設定でつっぱり、どのタイミングで観念して値下げするかです。これはあなた、つまり空室を抱えた大家さんがどの程度の空室期間を許容できるか?によります。逆に言うと、どの程度の入居率が目標か?によります。まずは入居率の計算をしましょう。昨日に引き続き、簡単な算数の問題です。第一問です。ここにアパートが一棟あります。名称は仮に山田アパートとします。軽量鉄骨造二階建て、各階5室、全10室の2DK、家賃は平均6万円です。1月1日現在、このアパートは9室入居中、102号室だけが募集中です。さて、山田アパートの入居率(空室率)は何%でしょうか?簡単すぎて申し訳ありません。答えはもちろん、入居率90%、空室率10%です。全10室あるため、1室が10%分に相当します。バカにするなとのお怒りの声はごもっともですが、ここはまだウォーミングアップですので、グッとこらえて次に進んで下さい。第二問です。先ほどの山田アパートですが、102号室が契約となり、7月1日より鈴木さんという45歳の男性が入居しました。代わりに205号室の佐藤さんが7月31日で退去し、3ヶ月間の募集の後、11月1日より高橋さんが入居しました。そして12月31日の大みそかを迎えましたが、山田アパートはめでたく満室です。さて、山田アパートのこの一年間の入居率は何%でしょうか?先ほどよりもちょっと複雑になりました。第一問は、ある時点での瞬間の入居率を求める問題。第二問は、ある期間を通した入居率を求める問題です。これもちょっと考えればわかる、じつに簡単な問題です。まず102号室が空室だった期間は1~6月の6ヶ月間。1年12ヶ月のちょうど半分です。第一問で計算したように、1室が空いていると空室は10%とカウントされますので、1年の半分空いているという今度のような場合には5%の空室です。205号室は8~10月の3ヶ月間が空室です。1年12ヶ月のちょうど4分の1ですので、2.5%の空室です。102号室と205号室、2つの部屋の空室期間の合計は7.5%です。空室率が7.5%ということは、すなわち入居率92.5%となります。さあ、どうでしょうか? これで入居率の計算方法は完璧ですね。次がいよいよ応用問題です。第三問です。あなたは12月31日に、山田アパートを前オーナーから買取り、新しい大家さんとなりました。1月1日から始まる新たな一年で、あなたが98%の入居率を達成するためには、退去が発生した場合に、その部屋を何日で埋めなければならないでしょうか?(一年間のうちで何日までの空室なら許されるでしょうか?)これは今までとちょっと目先が変わって難しいかもしれませんが、実はなんてことありません。いっしょに考えてみましょう。山田アパートが全10室であることはこれまで通りです。1室が一年間まるまる空いたとすると、空室率は10%です。許される空室率は2%までです。すると、2%÷10%=1/5 ですので、365日×1/5=73日 です。すなわち、「許される空室は73日まで」というのが第三問の答えです。もしも一年間に退去になる部屋が1室だけだとすれば、その一室を73日以内に埋めればOKです。あるいは、2室の退去が発生するとすると、2室合計で73日以内に埋めればOKです。1室が20日で埋まれば、もう1室は53日以内に埋めればよい計算です。また、悪い例も挙げてみます。まずないでしょうが、運悪く7室が入れ替えとなるような場合には、各室10日しか余裕がありません。そんなケースが予想される場合(例えば、学生ばかりのアパートで4年生が7人いる場合)などは、退去前に次の入居が決まっていて、お掃除を入れる期間が中10日というような状況を作っておかなければなりません。さて、もう分ったでしょうか?ここまで簡単な計算ばかりに付き合せてしまって申し訳ありません。長々と書いてきて私が言いたかったことは、じつは次の一言に尽きます。「適切な家賃設定をするためには、目標入居率から逆算して、空室を何日以内に埋めるべきか考えなければならない」もしもあなたが、日本海大家さんばりに「期間限定強気募集」作戦を決行するとします。しかし、目標入居率は98%という高水準です。この場合、第三問で計算したように、許容される空室日数は10室合計で73日までです。年間3室退去が発生すると、厳しめに想定します。 (注)退去の発生する可能性は、ざっと年間25%ぐらいとみておけばよいでしょう。 山田アパートのように10室あれば、年間2.5室が退去します。73日÷3=約24日 が一室あたりの許される空室期間です。これは正直、厳しいです。都内の人気エリアならいざ知らず、今は借り手市場ですので、申込み日から家賃発生などという荒業は使えません。現実問題、申込み日から入居日(家賃発生日)まではタイムラグがあり、早めの入居希望の人で1~2週間、遅い人で3週間~1ヶ月ぐらいでしょう。 (注)2~3ヶ月後に入居希望の人もいますが、不動産屋の店頭で却下されるので、ここでは省略します。ということは、24日の空室というのは、ほぼ空いた直後に内見が入り、即決まるというような状況でないと不可能です。そのためには、強気の家賃設定をしている場合ではありません。(長くなってきたので、以下駆け足で行きます)結論、「期間限定で強気の家賃設定で募集し、ダメなら諦めて値下げする」作戦を使ってもよい場合。一、そもそも高入居率を目指さない場合。 例:入居率が94%でもよければ、3室退去で219日、1室あたり73日と、先ほどの例のちょうど3倍の余裕が出来る。 73日かけて埋めればよいなら、当初30日ぐらいは強気でもOK。二、戸数の多い物件のため、1室あたりの空室ロスが少ない場合。 例:戸数100戸の大型マンションなら、1室空いても空室1%分なので、より高い家賃で決まるまで時間をかけて待つ。 (山田アパートを10棟持っていて、100室満室であれば、同じ試みができる。)私のオススメは次の作戦です。★「空予定の内だけちょっぴり強気募集する。立会日までに申込みにならない場合は、立会日から値下げして弱気家賃にする」一般的には退去予告は1ヶ月前です。この1ヶ月間ぐらいは多少つっぱっても大丈夫です。もちろん、内見できなくても決めてもらえるように、写真等取り揃えておかなくてはなりません。その辺りは仲介力のある不動産屋さんの協力を得なくてはなりません。(業者によっては、立会いが済んでから初めて取組みスタートというところもあります)この期間に申込み、またはほぼ決まりそうな見込みのある内見予約が入らない場合は、スッパリ観念して弱気家賃に設定しなおします。中途半端に“適正家賃”を目指してはいけません。欲張った判断は目をくらませます。自分が“適正”と思う所は、傍から見るとたいがい高い水準なのです。Mr.X
2010年09月09日
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こんばんは、謎の不動産屋、Mr.Xです。ブログ開設当初だというのに、早くもたくさんの方に読んでいただけたみたいで、大変光栄です。期待に違わぬように、さっそく本日から濃い内容の記事を提供していこうと思います。(というか、本当はいきなりの来訪者の多さにビビってます。日本海@大家さん、さすが息つく暇も与えないですね。。。)さて、さっそくですが、我々不動産屋から見て「ああ、この人は賢いなぁ!!」と思うような大家さんがいます。それは、「損得の分かる大家さん」、もしくは「計算のできる大家さん」です。計算といっても、決してCCR(キャッシュオンキャッシュリターン)とかDCF(ディスカウントキャッシュフロー)とかの難しい指標ではありません。算数レベルの簡単な問題です。さあ問題です。ここに空室があります。前の入居者さんが出て行ってから早一年です。前は賃料75,000円で貸していました。ある日、大家さんの元に仲介の不動産屋さんから電話があり、次の様に言ったとします。「大家さん、本日○○アパートの○○号室にお客さんを案内したのですが、65,000円だったら借りたいと言っています。どうしましょうか?」こんな時、あなたが大家さんだったらどう答えますか?(注)実際にはこんな電話はかかってきません。 なぜなら、10,000円ダウンという図々しい要求をする入居希望者は時たまいますが、不動産屋の営業マンが一蹴します。 そんな厚かましい要求をしたら、大家さんから怒られるのではないか?とか、 どうせ通る訳ないとか判断するからです。 ただし、数千円レベルの交渉であれば、割とよくある話ですよね。模範解答は、「ああ、よかった。ぜひその人で話を進めて下さい!」です。なぜこれが正しい答えかというと、計算すれば分かります。条件を呑んで、入居を認めた場合、入る賃料は毎月65,000円です。先々まで考えた場合、例えば今後一年間の収入は 65,000円×12ヶ月=780,000円 となります。ただし、もしも設定通りの家賃で入居が決まった場合、入ってくる家賃は 75,000円×12ヶ月=900,000円 です。ここで、「12万円損した!」と思う人は大家失格です。(もっとも、大家さんはそんな人ばかりですが・・・・・・)すでに一年間空いているというのがこの問題のポイントです。じつは、一年間空いている部屋というのは、この先何年たってもずっと空いたままです。その部屋は入居者に選ばれる価値がないので入居が決まらないのです。この空室を解消するためには、75,000円の家賃に相応しい程度まで価値を上げるか、またはその部屋の価値に応じた家賃まで値下げするかのどちらかです。今仮に、この部屋の実力からみて妥当な家賃が70,000円だとします。すると、もしもさっきの状況で65,000円での契約を断った場合、さらに空室が続きます。2ヶ月後に気付いて、家賃を70,000円に下げた場合、そこから約1ヶ月後に入居が決まったとしましょう。都合3ヶ月の空室の後なので、70,000円×9ヶ月=630,000円 が入ってきます。65,000円で快諾した場合に比べて、15万円のマイナスです。(780,000円-630,000円)一年後を比べてみましょう。70,000円の契約が65,000円の契約に比べて月々追付く金額は、当り前ですが5,000円です。(70,000円-65,000円)一年後に追付く金額は 5,000円×12=60,000円 です。二年後に追付く金額は 5,000円×24=120,000円、そして、やっと二年半後に追付く金額が 5,000円×30=150,000円 です。そう、3ヶ月のロスを追付くのに要する年月は、なんと3年と3ヶ月間でした。(初年度の9ヶ月間も含むと39ヶ月となるため)計算すると明らかですが、月々の家賃の差というのは大した差ではなく、空室ロスというのは重たい損失なのです。ここに出て来る計算は、小学生レベルの掛け算と引き算だけなので、何も難しいことはありません。しかし、これが分からない人があまりにも多い!というのが現状です。そんな中、賢い大家さんというのもいるものです。この人たちは常に入居を優先します。満室こそ最上の価値ということが分かっています。ある時、たまたま退去が重なって、全12室のマンションで同時に3室も空くことになってしまいました。これは実例ですが、ちょうど上の例題に挙げたような物件で、平均75,000円の賃料でした。ここの大家さんは一代で町工場を興し、大きく育てた方ですが、製造業衰退の兆しをいち早く感じとって、まだ経営良好のうちにさっと工場を畳んで貸家業に鞍替えしたそうです。この時、この大家さんはまだ退去前の時点で、さも一大事だとばかり我が社に電話をかけてきて、「今度空く部屋の家賃は3部屋とも65,000円にしてくれ!」と言いました。「えっ?そんなに安くしていいんですか?」「いいんだ!」と有無を言わせぬ口調で半ば命令の様に指示されました。その結果は、退去予定の3室は全て退去前に申込みとなり、早い部屋は退去後一週間で、遅い部屋は一ヶ月後に入居となりました。これを「さすがだ、賢い!」と思うか、「もったいない、バカだ!」と思うかは人それぞれです。理想を言えば、高すぎず安すぎない適正な家賃で、空室期間はそれなりに短く貸せれば一番いいでしょう。しかし、私がいろんな大家さんを見てきた結果、適正な家賃を見抜いて絶妙な設定をし、見事に入居が決まっている例はごく僅かです。たいていの人は慾をかきます。大家さんはみんな言います。「この部屋では○万円欲しい」と。そんな部屋はたいてい決まりません。結局、トクする大家さんというのは、目先の家賃に欲張らずに長期的な計算ができる人ということが言えると思います。これが私の考える賢人大家さんです。Mr.X
2010年09月08日
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こんばんは、謎の不動産屋 Mr.xです。知人にすすめられてブログを始めますが、最初にズバリと宣言してみます。本ブログのテーマは、『不動産投資家の皆さんを賢人大家さんへと導くこと!!』 です。私は不動産屋という立場上、日々の仕事の中で数多くの大家さんたちと接しています。そんな中、アパマン経営の上手な大家さんから、ダメな大家さんまで幅広くいろんな人を見てきました。まるで大家さんの見本市です。じつはこの経験というのが、とても大きく役立つものだと最近実感しました。というのは、最近よく不動産投資家の飲み会に参加しています。いわゆるサラリーマン大家さんの集まりです。皆さんとても優秀で、意欲に燃え、知識のある方たちばかりなのですが、大きな弱点があります。それは、他の大家さんたちが何をどうしているのか、あまりよく知らないということです。大家業と言うのは物件を持ってみないと分からないところが多いですし、いざ持ったところで、最初は(当たり前ですが)一棟だけのオーナー。続けて買えてもせいぜい二棟です。三棟、四棟と物件を増やしていくにつれて、経験値も増していくでしょうが、不動産という高額な買物を一生のうちで何回もできるほどの人はそうそういません。そのため、皆さん少ない経験を長年月かけて得る訳です。進歩はしていても、その速度は遅いのです。その点、我々不動産屋は、他人の経験を日々追体験しています。同じ問題への対処方法でも、大家さんによってまったく異なるのが面白いところなのですが、ある大家さんの賢いやり方と、別の大家さんのダメダメなやり方とをいつも比べて評価しています。こんな我々が自ら不動産オーナーになり、アパマン経営に本気で取組んだら、はたしてどうなるでしょうか?答えは、「いろんな大家さんの賢い方法の良いとこ取りができる!」その結果、「つねに完璧な運営が出来る!」ということです。このブログでは、これまで私が一不動産屋として見聞きしてきたこと、そして自らオーナーとして実践してきたことを皆さんに伝えていきます。この経験が、たとえわずかでも皆さんの不動産経営に役立つことができれば嬉しいです。Mr.x
2010年09月06日
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こんばんは、謎の不動産屋 Mr.xです。知人からの依頼で、不動産投資について業者側からの視点でつぶやきたいと思います。不定期更新ですが、宜しくお願い致します。 Mr.x
2010年09月05日
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