星とカワセミ好きのブログ

2021.11.25
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カテゴリ: 河合奈保子さん
河合奈保子さんと岩崎宏美さんのデビュー決定の資料があるので、紹介します。

河合奈保子さんは1980年3月16日、「HIDEKIの弟・妹募集 新人歌手全国オーディション決勝大会」で、石野真子さんの「春ラ!ラ!ラ!」を歌って優勝します。

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写真集「河合奈保子特集号 別冊近代映画/昭和56年(1981年)1月15日発行/近代映画社」には、決勝大会で優勝した奈保子さんの姿や、西城秀樹さんとの写真が掲載されています。

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奈保子さんの本「夢・17歳・愛 心をこめて奈保子より/河合奈保子/ワニブックス」P21~22で、優勝の時の記載があります。

「発表が始まりました。特別賞というのが先に呼ばれて、私の両どなりの人が特別賞になったんです。私は間で、”すごいなあ”と思っていました。”私も名前を呼ばれたらいいなあ”とも・・・。
私の出場ナンバーは9番でした。
司会の人の声が一段と高くなって『西城秀樹の妹に決定したのは・・・』
”だれが選ばれたんだろう?あの人かしら?あの人かしら?”
『9番の河合奈保子さんです!』
あの時の気持ち・・・。わからない・・・。
拍手の音なんか何も聞こえなかったみたいだし、頭の中と耳の底でグワァーンという音が聞こえたみたいだし・・・。
もう、放心状態でした。人ごとみたいで”本当に? 本当に? 信じられない”
真っ暗な会場がパァーッと明るくなったみたいで・・・。
西城秀樹さんに花束をいただきました。
もう、奈保子は自分のことじゃないみたいな、本当に夢を見ているような気持でした。
TVで見てた人。去年の夏。大阪球場で見た西城秀樹さん。遠い遠い人だったのに、今私の目の前にいる・・・。
『良かったね。がんばってね』
ポーッとかすんでしまいそうな私の頭の中に、秀樹さんのお祝いの言葉が響きました」

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「理想の声に近づく本 大本式ヴォイス・トレーニング 1,000人の歌手・タレントを育てたヴォイス・トレーナー/大本恭敬(おおもとたかひろ)/著」には、河合奈保子さんが優勝するまでの裏話が書かれており、奈保子さんが優勝したのは奇跡だったのではないかと思います。
P190に大本恭敬さんの重要な記載があるので、紹介します。

「彼女(河合奈保子さん)は、私も審査員の一人をつとめた全国新人スカウトキャラバンで、約二万六千名の応募者の中から選び出されたタレントです。
実は、地区予選の最終審査に奈保子は残らなかったのですが、私が強引に推薦しました」

「キャラバンに応募してきたのも、タレントっぽい出来上がった雰囲気の子ばかりでした。
その中で奈保子は非常に目立った。彼女は普通のお嬢さんです。透明感がある。アクがない。その普通の感じが、とても新鮮に映りました。
そして、決勝大会。最終的に誰に決めるか、議論白熱。なかなか決まりません。最後に私のところにお鉢がまわってきたので、
『9番の河合奈保子という子が一番いいと思う』。一番うまいとは言えないが、性格がとても素直だし、歌いながら自分でカウント・テンポ、間をとって歌っている。みんなあがったりして条件は同じだけど、その点や聡明さ、清潔感、しぐざ、すべてに好感が持てる。タレントっぽくない、普通の家庭のとてもいいお嬢さんという感じ。こういう子が一人くらい芸能界にいてもいいのではないか」
と述べたら、全員異議なし、ということで、彼女の優勝が決定したわけです」

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芸映で岩崎宏美さんは河合奈保子さんの先輩になります。
岩崎宏美さんは1974年に「スター誕生」決勝で、芸映のスカウトを受けましたが、この頃の事が阿久悠さんの本に書かれているので、少し紹介します。

「夢を食った男たち 『スター誕生』と歌謡曲黄金時代の70年代/阿久悠/文春文庫」P158~159の記載です。

「岩崎宏美は、予選会も決勝大会も、小坂明子の『あなた』を歌った。
澄んだ、きれいな、のびやかな声で、堂々とした歌唱曲を示したが、では、心を捉えるとか、興奮させるとかいったところから見ると、それほどでもなかった。
ただ、点数を付けるとなると、音楽の教科の採点のように、高得点になった。
その時中学三年生で、おデコを出した髪型のせいか、着ていたもののせいかもしれないが小太りで、老けて見えた。要するに、音楽優等生ではあるが、将来スターになるという目で見ていなかったことは事実である」

「彼女は第11回の決戦大会に出場する。
その時の事を思い出して岩崎宏美は、NHKの『阿久悠・歌は時代を語りつづけた』の中で、『岩崎宏美です。一生懸命歌いました。よろしくお願いしますというべきところを、何か泣きそうになり、ほかの気持ちも働いて、どうぞ、よろしく、で切ってしまったことを、はっきりと覚えている』と語っていた。
プレッシャーを感じたり、状況を判断したりする中で、どうぞ、よろしくで切り、お願いしますを省略したところに、何か彼女の気の強さと言ったものを感じるのである。
決勝大会収録は、1974年7月17日、放送日は8月11日で、彼女は『スター誕生』十一代目のチャンピオンになった」

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「NEWS ポストセブン:週刊ポスト2021年10月29日号」のネット記事を読むと、岩崎宏美さんが「どうぞよろしく」まで言って、「お願いします」まで言わなかった理由が記載されていました。
開場でスカウトマンが動くのが見えたので、歌手になれるかもと思い、泣きそうになったからだそうです。
(岩崎宏美さんに濱口英樹さんが取材)

岩崎宏美『スタ誕』決戦大会で「お願いします」まで言えなかった思い出


「決戦大会ではスカウトマンの方たちの間で動きが見えたので『もしかしたら歌手になれるかも』と。そう思ったら泣きそうになって、『どうぞよろしくお願いします』と言いたかったのに『どうぞよろしく』で言葉が切れてしまいました。8社のプラカードが上がった時の喜びは忘れられません」


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【河合奈保子さんのデビュー決定】


↑ 1980年3月16日、「HIDEKIの弟・妹募集 新人歌手全国オーディション決勝大会」で、石野真子さんの「春ラ!ラ!ラ!」を歌って優勝した河合奈保子さん。
西城秀樹さんと一緒に。


↑ 河合奈保子特集号 別冊近代映画/昭和56年(1981年)1月15日発行/近代映画社」


↑ 河合奈保子さんが優勝し、歌手デビューが決まった。


↑ 西城秀樹さんと河合奈保子さん。





↑ 河合奈保子特集号 別冊近代映画/昭和56年(1981年)1月15日発行/近代映画社」

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↑ 奈保子さんの本「夢・17歳・愛 心をこめて奈保子より/河合奈保子/ワニブックス」P21~22で、優勝の時の奈保子さんの心境が綴られている。

「9番の河合奈保子さんです!」
あの時の気持ち・・・。わからない・・・。
拍手の音なんか何も聞こえなかったみたいだし、頭の中と耳の底でグワァーンという音が聞こえたみたいだし・・・。
もう、放心状態でした。人ごとみたいで”本当に? 本当に? 信じられない”
真っ暗な会場がパァーッと明るくなったみたいで・・・。
西城秀樹さんに花束をいただきました。

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「理想の声に近づく本 大本式ヴォイス・トレーニング 1,000人の歌手・タレントを育てたヴォイス・トレーナー/大本恭敬(おおもとたかひろ)/著」には、河合奈保子さんが優勝するまでの裏話が書かれている。



「そして、決勝大会。最終的に誰に決めるか、議論白熱。なかなか決まりません。最後に私のところにお鉢がまわってきたので、
『9番の河合奈保子という子が一番いいと思う』。一番うまいとは言えないが、性格がとても素直だし、歌いながら自分でカウント・テンポ、間をとって歌っている。みんなあがったりして条件は同じだけど、その点や聡明さ、清潔感、しぐざ、すべてに好感が持てる。タレントっぽくない、普通の家庭のとてもいいお嬢さんという感じ。こういう子が一人くらい芸能界にいてもいいのではないか」
と述べたら、全員異議なし、ということで、彼女の優勝が決定したわけです」



↑ 河合奈保子さんの挿絵。



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【岩崎宏美さんのデビュー決定】


↑「夢を食った男たち 『スター誕生』と歌謡曲黄金時代の70年代/阿久悠/文春文庫」
「彼女(岩崎宏美さん)は第11回の決戦大会に出場する。
その時の事を思い出して岩崎宏美は、NHKの『阿久悠・歌は時代を語りつづけた』の中で、『岩崎宏美です。一生懸命歌いました。よろしくお願いしますというべきところを、何か泣きそうになり、ほかの気持ちも働いて、どうぞ、よろしく、で切ってしまったことを、はっきりと覚えている』と語っていた。
プレッシャーを感じたり、状況を判断したりする中で、どうぞ、よろしくで切り、お願いしますを省略したところに、何か彼女の気の強さと言ったものを感じるのである。
決勝大会収録は、1974年7月17日、放送日は8月11日で、彼女は『スター誕生』十一代目のチャンピオンになった」

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「NEWS ポストセブン:週刊ポスト2021年10月29日号」のネット記事


「決戦大会ではスカウトマンの方たちの間で動きが見えたので『もしかしたら歌手になれるかも』と。そう思ったら泣きそうになって、『どうぞよろしくお願いします』と言いたかったのに『どうぞよろしく』で言葉が切れてしまいました。8社のプラカードが上がった時の喜びは忘れられません」

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スター誕生決勝大会の岩崎宏美さん。


↑ 決勝大会で小坂明子さんの「あなた」を歌う岩崎宏美さん。


↑ スカウトの皆さんに向かって「どうぞ、よろしく」と言った岩崎宏美さん。


↑ 会場のスカウトマン席からプラカードが上がる。
司会は欽ちゃん(萩本欽一さん)。


↑ プラカードが上がるのを見る岩崎宏美さん。


↑ 8社のプラカードが上がり、欽ちゃんから「八つから来た。良かったね」と言われ、「ハイ」と嬉しそうに答える岩崎宏美さん。





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最終更新日  2021.12.05 05:15:24
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