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中之島公園には、約70匹の猫たちが暮らしていました。
私たちの多くは、公園に置いていかれた猫です。
世間でいうところの”捨て猫”
ほとんど記憶のない小さな頃に捨てられた子もいれば、
大きくなってから置き去りにされた子もいます。

公園に暮らしていた仲間たちの中で、
いちばん最後に捕獲された コウイチ
君、
彼は大きくなってから捨てられたようです。
ある日突然、知らない公園に置き去りにされ、
叫んでも、誰も迎えに来てくれない…
住み慣れたお家の匂い、撫でてもらった手のぬくもり
コウイチ君は、きっと憶えているはずです。
ホームレスさんの飼い猫だった ペペ
ちゃん、
8匹の猫たちと31匹の犬たちが一緒でした。
その犬や猫は、ほとんど世話もされず、
放置された状態でした。
公園の閉鎖後、
ホームレスさんはペペちゃんを探していました。
なぜなら…
彼女がロシアンブルーの血を引いていたから…
ミックスであっても、ブランド猫の血を引く子猫は高くで売れるから…
彼女もまた、
計り知れない心の傷を負っていたのではないかと思います。


コウイチ君は、なかなか人に慣れてくれませんでした。
秘書たちが初めて会った時、
コウイチ君は捕獲器の中にいました。
控えめなスリスリと甘噛み、
最初で最後、コウイチ君が甘えてくれた仕草…
あの時の様子が、
秘書たちは忘れられないそうです。
「猫の部屋」のドミトリーで暮らすようになり、
発見した、コウイチ君の新たな一面
決して争いはせず、誰に対しても優しく、
仲良くできる穏やかな性格…
彼にはそんな一面がありました。


換毛期に抜け落ちず、背中で絡まってしまった毛が
まるでカツラのようだった頃
ブラシを持って、みんなが追いかけ回すからか
ペペちゃんは、いつも不機嫌なお顔をしていました。
けれど…
ご飯前には特等席に座り、
待ちきれなくて、可愛い声で鳴いて催促
近くに寄っても逃げ出さず、ご飯を食べたり、遊んだり
ごく普通に過ごしてくれるようになりました。

そんなコウイチ君とペペちゃん、
2匹は、いつしか仲良しになりました
少し引っ込み思案のペペちゃんを
社交的なコウイチ君が見守っているようでした。
フカフカ、コロコロとした可愛い2匹、
まるで色違いの兄妹のよう…
いつしか、コウイチ君とペペちゃんは、
一緒に行動するようになりました。
そんなある日のこと、
第一秘書は1通のメールを受け取りました


「ペペちゃん、まだ里親さんは決まっていないでしょうか
是非ともペペちゃんに会いたいと思っています」
それはペペちゃんの里親さんを希望する方、
Hさんからのメールでした
以前、Hさんのお家には、
ペペちゃんと似たようなグレーの猫さんがいたそうです。
たまたま見つけたペペちゃんが非常に可愛いくて、
理想の猫だったからとのことでした
そのメールをいただいた時、
本当に嬉しくて…
今まで頑張っていたペペちゃんが、
やっと見つけてもらえたんだと思いました
ただ…
ペペちゃんは、人見知りの怖がりさん
猫同士でも引っ込み思案なところがあったので…
正直、少し心配がありました
先住猫さんと上手くやっていけるだろうか
焦らずにゆっくりと見守ってもらえるのだろうか
その後、Hさんとは、
何度もやりとりをさせていただきました。
いろいろお伺いする内容にも、
Hさんは、嫌がらずに答えてくださいました。
そのやりとりの中で、
Hさんの優しくて温かい気持ちが、
ひしひしと伝わってきました
そして…
お見合いが決定しました
ただ、ひとつ気がかりだったのが、
コウイチ君のこと
ペペちゃんの卒業が決まれば…
残されてしまうコウイチ君の気持ちを考えて、
心が痛みました。
Hさんは、ご家族全員で「猫の部屋」に来てくださり、
司令塔Aさん立ち会いの下、ペペちゃんと会われました
「実はペペちゃんには、仲良しがいるんです」
Aさんはコウイチ君のことも紹介して、
2匹の様子を説明したのだそうです。
そして、その夜…
第一秘書はHさんからのメールを受け取りました
「我が家に迎えさせていただくのは、ペペとコウイチでお願いします」
Hさんのメールによると、
すでにお見合い前から、ペペちゃんのことは決めておられたそうです。
先住猫さんたちのこともあるので、
ペペちゃんだけと思っておられたようですが…
いろいろ悩んだ結果、
是非、コウイチ君も一緒にと言ってくださいました。
そのメールの内容に、「猫の部屋」の関係者は全員が驚きました
そして、かなり悩みました。
なぜなら、コウイチ君は、
お家猫さんとして迎えてもらえる段階ではなかったからです。
通常、「猫の部屋」では、手術を済ませて、
血液検査とワクチン接種も終わらせてから、
里親さん募集を行います。
そして、もうひとつ大切なこと…
人と一緒に生活していけるように、
ある程度、人慣れをさせてから募集を行うということ
成猫の場合、どんなに人慣れしていても、
やはり、しばらく時間がかかることが多いので、
少しでも早く慣れて、仲間たちが可愛がってもらえるように…
もう、二度と悲しい目に遭わないように…
「猫の部屋」の生活で、
少しでも人と接していくことに慣れさせたい
そして、人は怖くないんだと教えてから卒業させたい
それを願いながら「猫の部屋」の関係者は、
仲間たちと接してきたのです。

Hさんからのメールで感じた不安を、
第一秘書は、正直にすべて伝えました。
すると…
Hさんは、こんなメールをくださいました
「私は、猫たちが馴染むまで何ヶ月かかってもいいと思っております。
私はすべてを理解して、引き受けさせて頂きたいのです。
どの道が猫たちにとって幸せなのか
我が家に来て、心を開くのに時間がかかるのを承知で、
ひき取らせてもらっていいのか
それとも、このまま「猫の部屋」にいるのがいいのか
正直、かなり悩みました。
でも、このような形で頑張っている猫や皆様の役に立ちたい…
これは、私のエゴかも知れません。
若い猫の方が順応性があるからいいという人もいますが、
でも私は、ぺぺとコウイチが大変気に入ったのです。
みんなが敬遠しがちな年齢の猫が、
たまたま2匹だっただけなのです。
どうかお許しください…」
このメールを読ませてもらった時、涙が止まりませんでした。
そして…
コウイチ君とペペちゃんは、
優しいHさんご家族が待つお家へと旅立ちました![]()


違う環境で生まれ育ち、
それぞれ、悲しくてつらい経験を乗り越えてきた、
コウイチ君とペペちゃん
これからも、少しずつしか前には進めないかもしれません…
時には、後戻りしてしまうこともあるかもしれません…
でも、今…
寄り添って、同じ道を歩き出した2匹には、
いつも側にいて、全力で守ってくれる優しい 家族
がいます![]()
コウイチ君、ペペちゃん、
本当におめでとう![]()
『お母さん、またね...』~ほたるかられん… 2015.05.02 コメント(4)
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