何話まで書けるかな?
プレスリーの部屋を出た「神様」と「お歯黒女官」・・・・
プレスリーのあまりの体型の変化に・・・「お歯黒女官」はショックを隠し切れませんでした。
「天国に来たんだから、ドーナッツなんか食べなくてもいいのにねえ・・・霞を食べてる分にはスマートなプレスリーでいられるのに・・・」
しかし、「神様」はそれには返事をしませんでした。
なぜなら、最近「神様」もメタボリック・シンドロームに陥っていたからです。
「とにかく口直しに綺麗な音楽でも聞こうじゃないか」
ごまかして、隣の部屋に行きました。
ドアを開ける前から、心が癒される音楽が聞こえてきます。
「初めて聞く曲だなあ・・・マロはこんなのがいいなあ・・・・」
「そうですねえ・・・・昔聞いた、プレスリーのラブ・ミー・テンダーに相通じるものがありますね。」
まだちょっとプレスリーの事が引っかかってるようです。
「誰の音楽なんだろうねえ?」
「こんな癒し系の音楽だから・・・・ショパンあたりかな?」
「でも、クラシックにしては聞きなれない楽器の音だよね」
そうなんです・・・どうやら中国の二胡の響きが聞こえます。
でもドアを開けてびっくり・・・・
中で二胡の奏者に自分の作曲した音楽を指導していたのは「ベートーベン」でした。
「え?あのゴッツイ顔したベートーベンが、こんな癒しの曲を?」
それが聞こえたのか、ベートーベンはそのゴッツイ顔を向けました。
「俺がこんな曲を書いたのがおかしいか?・・・・俺はエリーゼのためにも作曲したんだぞ?」
叱られてしまいました。
「すみません・・・・でもあなた・・・耳が聞こえない病気になったんじゃありませんか?」
「天国に来たら病気は全て治っている・・・・だからまた・・・美しい音楽を作れるようになったのだ・・・・」
「しかし、あなたが中国の楽器だなんて・・・」
「いや・・・こんなに美しい音色だとは思わなんだ。・・・このように心やすらぐ音楽をプレゼントしていたら、あのナポレオン皇帝も無茶をなさらなかったに違いない。」
「ナポレオンをご存知でしたか?」
「もちろん!・・・私はあの方にささげるために”英雄”を作ったのだ・・・おお!そうだ・・・・今できたこの曲を・・・ナポレオン皇帝に届けては下さらんか」
「ナポレオンか・・・ねえねえ・・・神様・・・あたくしもナポレオンに会ってみたい。・・・だからちょいと寄り道してまいりましょうよ・・・いいでしょ?」
「お歯黒女官」はまたしてもニヤリと金色の一本を含む「お歯黒」を覗かせたのです。
ザワッとした戦慄が「神様」の背筋を走りました。
「マア・・・いいじゃろう・・・・で楽譜を届ければいいのかな?」
「ナポレオン皇帝は楽譜を見ても読めないでしょ?・・・・だから、このアイ・ポッドに録音してものを・・・・・」
「神様」と「お歯黒女官」は届けることをベートーベンに約束しました。
まだまだいろいろな音楽家がこの館にはいたのですが、そろそろ移動しないと読者の皆さんが厭きてきそうなんで・・・筆者としてはまことに残念ですが外へ出て旅を続けることにしたのです。
外へ出たとたん、「お歯黒女官」が文句を言いはじめました。
「神様・・・休憩するって言ったじゃないですか?」
「休憩は充分したじゃろうが?」
「何にも食べてませんけど?・・・・・飲んでもいませんけど?」
「お前・・・腹が減ってるのか?」
「そんなに減ってはいないんですけど・・・・でもなんか食べたい!」
「ここは天国じゃからな・・・霞でも食うか?」
「それって美味しいんでしょうか?」
「マア、美味いといったら美味いし・・・味がないっていえばそうだし・・・・」
「とりあえず食べてみましょうよ・・・・」
「じゃあその辺で座って食べるか」
そう言うと、「神様」は道端に腰を降ろしたのです。
「あら・・・ピクニックみたいですわね」
続いて「お歯黒女官」も座ります。
「それじゃあ霞を出すぞ」
「お歯黒女官」は、まだ一度も食べたことのない「霞」に期待いっぱいでした。
「ほれ・・・食え」
目の前に「綿飴」のようなものが浮かびました。
「神様」はそれを引きちぎって口に入れます。
食べ方も知らなかった「お歯黒女官」も真似をして口いっぱいにほおばりました。
「あら・・・けっこういいお味ですこと・・・・これならいくらでも食べられますわ」
とそこへ・・・・一人の男が飛び込んできて、「神様」たちが食べていた「霞」を口に詰められるだけ詰め込んだのです。
「なんだなんだ・・・マロの食事中に飛び込んでくるやつがあるか?」
しかし、その男は聞こえないふりをしているのか・・・ただ黙々と「霞」を食べていたのです。
つづく
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