日本語で話そう

April 14, 2009
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カテゴリ: 東海道五十三次
先週の月曜日に母が入院した。
四回目の治療入院である。最初の入院のときは生きるか死ぬか、直るか直らないかわからない状態だったので母も私達も必死だったが、回を重ねるごとに治療の様子も分かって来た。治療のある入院二日目を過ぎれば後は病院で一週間養生するだけだと。

昨年末の父の病気と看護と一月もせずに逝ってしまった後の始末と、直後の母の病気と闘病。
ボランティアもお稽古も放り出して必死に生活してきてほっと一息。
余裕が少し出てきた母の「私が病院にいる間は大丈夫だから行っておいで」と言う言葉に後押しされて、半年振りに東海道五十三次の旅をした。再開になるのか束の間になるのか今は分からない。母の病状しだいである。

母の容態を確かめてから、とにかく行ってこようと、急遽参加を申し出た次女と夫の分も前日に宿を予約し、二日間の東海道五十三次。

戻ったところは前回ギブアップした藤枝の宿。
行きはJR鈍行を乗り継いで3時間あまり。藤枝駅に降り立った。

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駅から約一キロ歩いて東海道上に立った。
東海道の面影を残すものはわずかな松林しかない。しかし、道の脇に縁台が置いてあり、「東海道を旅する方へ」の立て札がここが東海道であることを物語っていた。

いざ、出発。たった半年遠ざかっただけなのになぜか懐かしい。
時々見つける立て札や石の道しるべのほかは東海道を思わせるものがあまり無い車の行きかう道筋をただひたすら歩いた。
暑い。まだ四月なのに太陽がじりじりと肌を焼く。

暑い暑いと言いながら歩いていると御誂え向きにちょっと洒落れた日本茶のカフェがあった。さすがお茶の産地静岡。三人それぞれに飲みたいお茶をセレクトしてお菓子も注文。

ここで失敗を犯してしまった。あまりのお茶のおいしさに荷物になるから旅の途中では買ってはいけないお土産のお茶を買ってしまったので有った。

飲んだり食べたりはいいけど買ってはいけない旅びの鉄則。

もうすぐ大井川、島田の宿を前にして、ほとんどの東海道を旅する平成の旅人が寄り道をするであろう蓬莱橋に。どの旅人もこの誘惑には勝てないらしい。
斯く言う我らもしっかり寄り道をした。東海道から逸れた分、三キロメートルのロス。

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百円払って橋を渡った。正確には橋を歩いた。
長いのである。渡り切ってもまた戻ってこなければならない。これから東海道を歩く旅人にとっては先の足への負担も考えなくては、ということで橋の半ばでUターン。

Webページで参考にさせてもらっている先達の地図をふと見ると橋の中ほどでマーカーが引き返していた。やっぱり!
「端を歩けばいいさ」と一休さん並に次女がさっさと引き返した。
ちなみにこの端(いや、橋)は大井川に架かっているが、東海道の大井川の渡しに橋は無い。そして渡しはもっと先。

橋の袂で昼食。余力を残して再出発。
島田の宿に到着するときれいなピンクの花が出迎えてくれた。

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距離は短いが昔ながらの家並みを残している宿場だった。「どうぞ見て行ってください」と、何軒かの家が開放され、土間に入れば雛人形などが飾ってあった。
「もうすぐ端午の節句だがね」と言わずもがなをそっと呟く。

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そしていよいよ「箱根八里は馬でも越すが越すに越されぬ大井川」を渡る。
改めて蓬莱橋で余力を残しておいて良かったと思った一瞬。
このながーい橋を渡るのかい?

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夕暮れ近く川からいっせいに飛び立つ鵜の写真をのんびり撮っていると、「この橋を15分で渡りきれるか」という賭けに命を掛けた次女が遥か向こうに。

大井川渡りきって少し歩くと金谷の宿。東海道、二十四番目の宿場。

宿場の入り口から駅まではかなり長い緩やかな上り坂。
温存していた体力も日暮れとともに尽きてきた。
この日の宿は金谷から大井川鉄道で一時間ちょっとのところにある千頭温泉。
対向する線路に入ってくるSLに興味を示す元気も無く、絶景の車中を眠りこける旅の道連れ二名であった。


本日の歩数約三万歩。良く歩いた。





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Last updated  April 14, 2009 11:13:33 PM
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