虹色のパレット

虹色のパレット

2005.08.08
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宇宙の星は、、みな原子力によって輝き熱を放しているんだそうだ。
ダイヤモンドのようにキラキラと夜空に輝く星の姿からは、なかなかそんな風に想像しにくいけれど、我々に最も近い星、太陽を眺めてみると、私のような素人でもそう言われてみるとそうに違いないと思える。真昼はあまりに眩しすぎて、太陽の中心を直接見るのは危険だが、朝や夕方、光が少し弱い時に太陽の中心を眺め見ると、本当にギラギラとグラグラと燃えたぎる灼熱の火の玉なんだなと感じる事が出来る。

火の玉と言っても、固体が燃えているのではないく、中心から外まで全部ガス体なんだそうだ。この太陽から地球に降り注いでいる熱量は膨大なものらしい。太陽に面した地球全体に一分間に一億キロカロリーの約千倍、石炭一億トン以上の熱量に相当すると言うから、想像もつかない天文学的な数字に悩まされる。それでも、太陽があらゆる方向に出している熱の総量の25億分の一に過ぎないのだそうだ。しかも、この熱は全て原子力によるもので、太陽という巨大な原子力機関によって地球は温められていると言うことになる。

こうして、我々は自然の手による原子力の莫大なる恩恵をこうむっているわけだが、同じ原子力でも地球上の、人間の手による原子力と言うことになると、恩恵は一瞬にして破滅への危機にもなりかねない恐ろしいリスクを犯しての曲芸と言うのが現状だ。

宇宙的な規模でネガティブな作用をもたらす核兵器は言うに及ばず、平和利用と言ってもアメリカのスリーマイル島やソビエトのキエフの原発事故などの例があるように、何時いかなる時に取り返しのつかないディザースターに巻き込まれるか分からないという不安がついてまわる。資源の少ない日本は、この原子力発電の利用度の最も高い国(1985年度、国内総発電量の25%)と言うことだが、人類の原発にたよる量はますます増える傾向にある。

太陽の表面温度は6000度、広島,長崎に落とされた原爆の爆心直下の地上到達温度はなんと4000度というから、この時から人類は愚かな頭脳で太陽をもてあそぶ危険種族に成り下がったのだ。

自然(かみ)は終わりの無い膨大な辞典を編纂し続けていると私は考える。ホモサピエンス(本当は,遊戯する人という意味らしい)とは,「賢い人」と言う意味にしようか「愚かな人」という意味にしようかと、今、人類を無限の彼方から,冷徹な眼を以って観察しているのだろう。20億年の生命の歴史を一瞬にして滅ぼしてしまうようなパワーを人類は手にしている。私達の知らないところで、今,こうしている時も地球と地球上のあらゆる生命とは想像も絶する危険にさらされているのだ。

しかも、水素爆弾は在来の原子爆弾の単なるなる延長ではなく、戦争の様相を全く新しい段階へ導いた恐ろしい兵器なのだ。そして,その貯蔵量と威力とは,着々と増加の一途を辿っているのだ。この,水爆の最初の犠牲者も日本人であったと言うことはあまりに皮肉だ。

1964年3月1日、太平洋ビキニ環礁におけるアメリカの核爆発実験により,マグロ漁船第五福竜丸の乗組員23名が被爆し一名が死亡するという事件が起こったことは私の記憶には常に新しい。第五福竜丸の乗組員だけでなく,マーシャル群島の住民267名も致死量に近い放射能をあびたと言うことだ。

この核兵器こそ広島の1000倍のパワーを持つ水素爆弾だったのだ。この爆発の瞬間,環礁は吹き飛びおびただしい放射性物質は「死の灰」となって1万8千平方kmの広範囲に撒き散らされ、空気も海水も大量に汚染され放射能を帯びた雨が遠く日本本土にも降り注いだことは多くの人に記憶にあることだと思う。

その年の7月より全国的に始められた原水爆禁止署名運動は。1年後,1955年原爆投下10周年に当たる8月6日、広島で開かれた第1回原水爆禁止世界大会までに3000万名を越えたと言うことだ。

7月9日には,人類共滅の危機を防ぐため、戦争の廃絶と平和の確立を目指して,全世界の結集を呼びかけた「ラッセル‐アインシュタイン宣言」発表された。宣言は『私達は,今、ある一国の国民としてではなく,その存在が脅かされている人類として,人という種族の一員として』の呼びかけである事を始めに明記している。

『日本人の核アレルギー』と一部の国の義政者(日本がこの中に入っていない事を強く望む!)は、軽くあしらおうとするが,自分には関係ないという態度は余りに浅はかだ。核兵器は,無差別殺戮の恐ろしい兵器なのだ。

カール・セーガン博士の発表した核戦争による気候破壊『核の冬』の恐怖は、例え、地球上にあるほんの一部の核兵器しか使わなくても,生き残った全ての人の生命は危険にさらされるだろうと言う恐ろしい結果を科学的に私達の目の前にさらけ出してくれた研究報告書だ。

核はホモサピエンスを絶滅の危機に追いやった。私は,自然(かみ)の鋭い視線を感じる。自然(かみ)の辞典に『ホモサピエンス=“賢い人”自らの愚かさに気付き,地球を核の恐怖から救い、他のあらゆる生物と共に平和な世界を築き、その賢さと責任感と愛を持って,宇宙に限りなく発展していく存在』と書かれたい。

ほんの少し太陽に近すぎても遠すぎても生命は存在できない。この稀な幸運を持った地球を,豊かな水に包まれた青い惑星を一瞬のうちに焼き尽くし滅ぼしてしまうような、そんな愚かな人類にはなりたくない。

心より平和を願って。

                                 Jul. `86 K

<参考資料>
『宇宙と星』,『惑星と生命』、『生命を探索する』 ― 和田昭充 監修、ブルーバックス
『平和時代を想像するために』 ― 湯川秀樹,朝永信一郎、坂田昌一 編著、岩波新書
The Japan Times weekly』 ― 1984・3・17、1986・6・28日号
『Hibakusya』 ― 日本被団協 編集 発行



日本被団協 編集 発行の『Hibakusya』、この小冊子は、1985―6年頃 セントラルパーク周辺で日本からのアピール隊に頂いたものでした。恐ろしい,目を被いたくなるような写真が掲載されていました。目を被っても逃げても厳然と存在した、する事実です。真実です。その後私はそれを多くの知人友人達に見せました。また見せたいと思ったのですが、紛失してしまったようです。どこかで生きていてくれることを願っています。そのグループのお陰で私は祈りから始まるこの思いを文字にしたのでした。20年後にこんな形で人に訴えるような事が起ろうとは思ってもいませんでした。そして,その時活動に参加された方たちの努力がこんな形でまだ生きていたとは!! さらに、また誰かに受け継がれていくことを確信して。まいた種は決して無駄にはならないのです。種はきっと条件が揃った時に芽吹くのでしょう。今芽が出ないからと,諦めることなく自棄に走らず、心に思いを込め,今できる事をする事が大切です。

この事実を、世界に伝えていくのは、日本の使命です。義務です。個々人の思いを代表して、政府のレベルでやるべきです。原爆記念館に全ての国賓を案内するべきです。広島、長崎は日本の恥部ではありません。人類のために日本が世界に訴えるべき起るべきでは無かった事実です。日本人がやらなくて、誰に出来るのでしょうか。

私は、一度原爆記念館を訪れたことがあります。二度と行けません。そのショックは大きく、そこからどうして東京に帰ったのか覚えがありません。空白です。

また,コメント募集しますかと言うコメント頂きました。もし、掲載―OK, 名前―OK.or Noをご自分のコメントの最後に残していただいた方は,また,使わせて頂きたいと思います。あくまで自発性によるものです。







           平和への 深い願いと 祈りをこめて












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最終更新日  2005.12.30 11:37:06
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