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2021年01月09日
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カテゴリ: 経済
 シェールオイルの実用化で石油需給が緩和。
 原油価格は1バレル100ドル台謳歌した時代が終わりを告げた。
 自然災害の増加が契機となり、地球温暖化ガス削減の国際的な取組み姿勢は積極的なものとなった。
 また、海洋プラスチック問題も鮮明となり、石油化学製品の使用を削減する取組も盛んとなってきた。
 シェールオイルの実用化で供給が潤沢となったが、経済の拡大と比例して増えると思われていた石油消費量は増えない可能性が増してきた。
 原油の国際価格が60ドルから70ドルとなっていた時、コロナ禍の世界的産業経済の停滞で、需要が急減。
 原油は買い手不足という事態が生じた。
        ​
石油富豪国だったサウジアラビア、
なぜ財政危機に?
2020年12月18日 RIETI
 サウジアラビアのサルマン国王は12月15日、2021年予算を発表した。
 歳出規模は、今年の実績見込みに比べて7%少ない緊縮予算(9900億リアル<約2700億ドル>)である。
 歳入は今年に比べて1割増の8490億リアルとしているが、新型コロナウイルスのパンデミック前の2019年に比べると1割少ない。
 このため、今年も1410億リアル(GDP比4.9%)の赤字予算となり、この状況は2023年まで続くとされている。
        ​
 サウジアラビア財務省が「新型コロナウイルスのパンデミックにより、今後の原油相場を予測することが一段と困難になっている」と述べたように、サウジアラビア財政の鍵を握るのは原油価格の動向である。
 国際通貨基金(IMF)によれば、サウジアラビアの財政収支が均衡する原油価格は1バレル=約68ドル(北海ブレント価格)である。
 足元の原油価格は、新型コロナワクチンへの期待感から、50ドル前後と今年3月以来の高値となっているが、赤字財政を改善するためにはさらなる原油高が不可欠である。
        ​
難航する減産調整
 OPEC(石油輸出国機構)とロシアなどの大産油国からなる「OPECプラス」は、今年5月から日量990万バレルという史上最大規模の協調減産を行い、急落した原油価格を回復させた。
 現在、日量770万バレルの協調減産を実施しているOPECプラスは12月3日、「来年1月から減産規模を同720万バレルに縮小する」ことで合意した。
 当初の予定では「来年1月からの減産規模は日量580万バレル」となる予定だったが、足元の原油需要が引き続き軟調であることから、サウジアラビアは「減産規模を同770万バレルに据え置く」ことを主張していた。
 しかし、「欧米で新型コロナワクチンの接種が始まる」との報道を受けて原油価格が急上昇したことから、ロシアなどがサウジアラビアの方針に反対した。
 このため、12月1日のOPECプラスの会合では結論を得ることができず、同3日になってようやく合意が成立するという難産だった。
  …(略)…
         ​
 サウジアラビアの次期国王とされるムハンマド皇太子は、2016年から脱石油改革を進めようとしているが、実質的に破綻したといっても過言ではない状況となっている。
 財政危機に苦しむサウジ政府にとっての頼みの綱は、国営石油会社サウジアラムコからの巨額の配当である。
 2019年に国内株式市場に上場した同社は、原油価格急落の影響で収益が極度に悪化しているが、政府は「上場後5年間、毎年750億ドルの配当を行う」という上場時の条件を変更していない。
 このため、サウジアラムコは、国際金融市場での社債発行や資産売却を余儀なくされており、「同社の企業体力が毀損する」との声が上がっている。
 それでも「お金が足りない」ということで、サウジ政府は今年7月には消費税に当たる付加価値税を一挙に3倍の15%に引き上げ、その後も公務員手当の凍結などの追加措置を検討している。
 失業率も20年ぶりに15%を超えている状況を鑑み、格付け大手フィッチは「支出を大幅に削り、納税者の負担を増やす緊縮策は、2021年にサウジ国内に社会的、政治的な反動を生む」と警告を発している。
  ― 引用終り ―
        ​
 資源ナショナリズムの旗印のもと、OPECの関係強化で原油の国際価格を上下させてきた多くの産油国が、需要低迷による低価格のため、財政危機に陥っている。
 学校、医療、食品価格など多くの社会政策を石油の販売収入をもとに組立てていた産油国が、財政危機を迎える。
 財政危機は国民の不満、社会不安を昂進させ、イスラム原理主義の勢力拡大をまねき、多くの産油国が内乱の危機となるだろう。
 投資に向けられていた多くのマネーが引き上げられると、国際金融市場や、世界の主要証券取引所の証券、債券市場の暴落が想定される。





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最終更新日  2021年01月09日 06時00分08秒
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