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2024年07月22日
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カテゴリ: 民間航空
 コロナ禍前から小型の旅客機を活用するLCCの急増により、機材の増加、発着便数の増加し、コロナ禍前から世界的な操縦士、航空整備士の人材不足が指摘されていた。
 コロナ禍の移動制限でこの問題は先送りされた。
 2024年1月2日、羽田空港で許可なく滑走路に進入した海上保安庁機と着陸するJAL機が衝突した。炎上するJAL機に死者は出なかった。
 事故原因の一つとして滑走路上の異常を管制官が指摘できなかったことが挙げられている。
     ​
…羽田事故の再発危機!
現役管制官が激白「人員不足でもう限界」
2024/2/29 FRIDAY
’14年に政府が決めた方針で2000人前後から増加せず業務だけが増えている
…… 羽田空港は1分に1.5 本も発着 管制塔は大混乱中!
 「人員不足で忙しく、安全運航を確保できない限界のところまで来ています」
 こう語るのは現役の管制官だ。
 正月の羽田空港で日本航空(JAL)機と海上保安庁の航空機が衝突炎上し、5人が死亡した事故から40日ほどが経過した。原因は調査中だが、海保機が羽田の航空管制官の指示を聞き間違えて滑走路に誤進入したことが事故につながったと指摘されている。前出の管制官が、事故を受けて悲痛な叫びをあげる。
 「航空機の数が増えているのに、管制官は増員されない状況が何年も続いています。羽田では管制塔内に15人ほどいる必要がありますが、1チーム12~13人でシフトを組んでいる。人数が足りず、毎回3人ほど他チームから応援を仰いでいるんです。机を並べる隣の管制官のミスに気づいても、指摘する時間や余裕がないほど忙しい日々を送っています」
  …  (略)  …
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 国土交通省は事故後、監視体制の強化などを盛り込んだ緊急対策を打ち出したが、内容はさらに管制官の業務を逼迫(ひっぱく)させるもの だという。別の管制官が語る。
 「緊急対策では、羽田など国内7空港に導入されている滑走路への誤進入を知らせるレーダー装置に人を配置し、常時監視することなどを決めました。しかし現在の人員でやりくりし、役割分担を調整することで常時監視するとしている。これでは、負担が増えるだけです」
 管制官の増員なしでは、トラブルのリスクは増大し続けるのだ。
  ―  引用終わり  ―
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 管制官不足の中『大阪・関西万博』を控えた関西空港では、2025年をメドに発着回数の上限を3割引き上げる方針。
 淡路島上空を通る新たな空路の合意ができ、関西空港とともに神戸空港の発着回数も引上げられる見込み。
 神戸空港については、大阪・関西万博がある2025年をめどに国際チャーター便を解禁し、2030年には国際定期便の就航をはかる予定。
 航空管制官の定員は引き上げられるのだろうか?便数は増加しても滑走路の本数は変わらないので、不足している定員を引き上げることはないかもしれない。
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…世界中の空港で上がる切実な悲鳴
アジアの巨大空港に対抗する羽田と成田の大拡張計画と死角
齊藤成人:空港アナリスト
2024.1.25 4:46
  …  (略)  …
 管制官をはじめとした空港人材の人手不足である。1月2日に羽田空港で起きた飛行機の衝突事故は、事故調査の結論が出ていないが複数のヒューマンエラーが重なった結果ではないかと推測されている。
 空の安全を守るために改めてクローズアップされたのが、管制官の存在だ。
 一部報道では、羽田の事故の背景に「過密ダイヤがある」と指摘されている。ただ、後述するように、航空事故に関するデータを確認すると、事故はむしろ減少傾向にある。国際比較しても羽田だけが特に忙しいというわけでもなさそうだ。複数の関係者に聞いてみたところ、 「衛星システムなど技術面での向上や管制空域の再編で、管制官の人員減を何とか克服してきたが、もしかしたらそろそろ限界かもしれない」 といった切実な声があった。
  ―  引用終わり  ―
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 2023年、管制官の定員2031人に対する不足は113人。
 6月24日、東京・羽田空港での日本航空と海上保安庁の航空機衝突事故を受け、国土交通省が設置した事故対策検討委員会は、再発防止策を取りまとめて公表した。国交省は混雑する主要8空港の安全確保に向け、今夏に管制官を緊急増員することを明らかにし、元管制官を復帰させることが報じられた。
 管制官の不足、LCCの増加による操縦士の不足は世界的な課題。
 人材育成に時間を要する管制官は、米国でも不足している。
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異常接近などの要因に? 
FAA
2024.05.18 CNN.jp
  米連邦航空局(FAA)は18日までに、航空管制官の不足は全米規模で約3000人に上るとの新たなデータを公表した。
 昨年の採用増加が功を奏せず人員不足が依然解消されていない実情を反映するもので、離着陸便の遅延につながっているとの指摘もある。米国の空港滑走路では昨年、航空機の衝突も危ぶまれた異常接近が複数回起きたが、管制官の疲労の蓄積が要因との見方もある。
 FAAが完全な有資格者などと認定する管制官は現在、約1万1500人。FAAなどがまとめた人員計画によると、米国の管制塔や航空管制センターへの要員配置を十分に満たすには1万4600人以上が必要となっている。
 約1万1500人などの数字は昨年9月までの会計年度内のもの。管制官を養成するFAAアカデミーの訓練生などの人数は含まれていない。
 昨年に新たに募った管制官の候補者は1512人。目標としていた1500人を若干上回る水準だった。
 ただ、管制官の労組によると、引退した管制官や訓練から脱落した候補者は昨年、1300人以上に達した。訓練に合格する比率が60~70%とされる同アカデミーを卒業できなかったのが約400人いたという。
  ―  引用終わり  ―
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 2030年代、年齢制限64歳の操縦士(パイロット、コパイロット)が大量に退職する期間に入る。
 操縦士は世界的にも不足状態のため、海外に人材を求めることはできない。
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航空業界募る危機感
産経ニュース  2024年7月13日 21時19分
 人材不足で旅客機が飛ばせない。世界的な航空需要増大に伴い、安定運航を支える担い手が足りなくなる「2030年問題」に直面し、航空業界は危機感を募らせる。減便に追い込まれた航空会社もあり、航空人材の「争奪戦」が熾烈(しれつ)さを増す中、自衛隊パイロットのさらなる転身に期待が高まる。
 国土交通省によると、国内線の旅客者数は9066万人(令和4年度)。国際線は3047万人(同)で、新型コロナウイルス禍で落ち込んだ需要は回復しつつある。 国際航空運送協会(IATA)は6月、2024年の世界の旅客数が約50億人に達し、過去最高になるとの見通し を発表した。
 日本では 令和12年ごろから現役パイロットの多くが定年を迎えるが、とりわけ成長著しい格安航空会社(LCC)は機長の約4分の1を60代が占めるなど厳しい状況が続く。 平成26年には、最大手のピーチ・アビエーションが機長不足を理由に最大2千便の減便を余儀なくされた。
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 こうした事態を踏まえ、国交省は安定的に要員を確保するため、 ①パイロットの年齢制限を64歳から67歳に引き上げ②航空大学校の定員を1.5倍に拡大③学費負担の重い私立大生らを対象とした奨学金制度の創設④外国人や退職した自衛隊パイロットの資格取得制度の見直し -などを段階的に進めてきた。
 だが、パイロットの育成には時間がかかる。機体の大きさや種類、用途に応じたライセンスの取得が求められ、旅客機の運航には定期運送用操縦士の資格も必要となる。航空各社は即戦力として外国人パイロットの採用に力を入れるが、採用後も定着するとは限らず、流動性がネックとなる。
 飛行経験が豊富な自衛隊出身のパイロットも、人材供給ルートの一つとして注目される。ただ、民主党政権下で国家公務員の天下りが禁止され、防衛省が民間航空会社への再就職を自粛させた経緯もあり、元自衛官の転身は決して多くない。
 海外の航空会社では元軍人が主要な人材供給源となり、足元を支える。国交省の担当者は「退職した自衛官は即戦力として期待できる。これまで以上に再就職しやすい環境を整える必要がある」としている。
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整備士も不足、制度を大幅見直しへ
 国土交通省の有識者会議が6月にまとめた航空人材の確保に向けた中間案では、新型コロナウイルス禍で志願者が急減した航空整備士について、資格の業務範囲拡大や、型式別で異なるライセンスの共通化などを進める方針が示された。同省は来年度中に現行の整備士制度を大幅に見直す方針だ。
 航空整備の業務は、運航の合間に空港で軽微な修理や保守を行う「ライン整備」と、航空機を格納庫に入れてエンジン交換など詳細な点検を行う「ドック整備」に大別される。ただ、大型機の場合、ボーイング737型やエアバスA320型など、機体の型式に応じてライセンスを取得しなければならない。
 一方、 整備士資格は、ライン整備を担う「運航整備士」と、機体のすべてを整備できる「航空整備士」があり、養成期間もそれぞれ2~5年と異なる。国交省によると、ライン整備では、ブレーキ系統の調整など約4割の作業は、上位資格の航空整備士がカバーしており、航空各社は結果的に航空整備士をライン整備に回さざるを得ない現状 がある。
  ―  引用終わり  ―
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 既得権の維持確保で、現代の技術水準では無駄な車検制度、定期点検制度を維持していることと、新しい事態に対応できず航空業界で、操縦士、整備士、管制官の不足を招いていることは、同根の組織的機能不全。政治の働きかけでしか動かない国土交通省は、三流官庁としての面目躍如。

国家公務員の職場の苦情や相談、過去最多1822件…パワハラや長時間勤務など目立つ
読売新聞 / 2024年7月14日 21時51分
国家公務員の職場の苦情や相談、過去最多1822件…パワハラや長時間勤務など目立つ写真を拡大する
人事院
 人事院は、2023年度に国家公務員から寄せられた職場の苦情や相談の件数が1822件(前年度比83件増)で、過去最多となったと発表した。パワハラや勤務時間を巡る相談が目立ち、業務の多忙さや人員不足による職場環境の悪化が背景にあるとみている。
 1人が同じ内容の相談を複数回した重複分を除いた件数も、1355件(同61件増)で過去最も多かった。内訳は、パワハラなど「ハラスメント関係」が472件で3割超を占めた。ハラスメント関係のうち、セクハラは19件、妊娠や出産、育児、介護に関しては10件だった。長時間勤務など「勤務時間・休暇・服務関係」の相談は295件、異動希望など「任用関係」が184件だった。
 省庁別では、法務省が243件で最も多く、厚生労働省が226件、国土交通省が143件で続いた。





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最終更新日  2024年07月22日 06時00分10秒
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