型をこよなく重んじるも、嵌ることをめっぽう嫌がる作曲家の日記

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2021.03.12
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カテゴリ: 今だから
新型コロナウイルスについては微量のウイルスでも検出する、
PCR検査を続けているうちは収束がないと言う話があります。
以前にも書きましたが、変異種やワクチンの有効性やその副反応など、
話題に事欠かずずっと緊急事態宣言と隣合わせの日々が続くのでしょうか。

感染力が高い変異種があちこちで多数見つかっていると言われていますが、
感染者数が1.7倍?に増えなければ逐一伝えるエヴィデンスが保たれません。
また、さまざまな変異種が確認されたと言っても何も変わらず不安になるだけですから、
自粛を促すには効果的ですが経済的な困窮を抱える人はますますたいへんです。

ワクチンは徐々にしか入ってこないわけですから6回分だか5回分だか7回分だか、
今言われている注射器で何回取れるかは現場の専門家しかわかりません。
供給量が少ないのは海外の製薬会社にクレームをつけるべきことで、
日本政府の交渉能力が低いからではありません。

専門家しかわからないことは専門家に任せるしかありません。
昨日今日の知識で専門家以上のことを言うことはできません。
感覚的に批判されていることがあたかも庶民の総意のように言われ、
それが正しいものの見方であるように同調圧力がかかることが日常的だと感じます。

このことはクラシック音楽系の番組でも同じように感じることがあり、
若者や子供を洗脳し視聴率を上げることが目的と考えられます。
「題名のない音楽会」(テレビ朝日系)はよい演奏を提供してきたと、
現在も初代MCの黛敏郎と同じコンセプトを主張していますがそれは違うと感じます。

先週まで「2700回記念放送」と題したシリーズがあり、
3月6日の3週目は「新たな音楽の発掘を楽しむ企画」と言う企画のなか、
番組ホームページにも「今回限り!ありえない楽器の組み合わせ」と題し、
タイトルどおり音楽的にもありえない楽器編成で「聖者の行進」が演奏されました。

例えば、よく楽譜に指定されているような楽器編成が取れない、
つまり生徒の希望する楽器でなかなか通常の編成が成り立たない場合に、
柔軟に楽器を置き換えることのできるフレキシブル編成の楽譜が、
吹奏楽部の顧問の先生にもてはやされていますが、編曲する側は知恵が必要です。

しかし、どうやっても有効な楽器の使い方のできない編成があるのも事実です。
スタンダードな楽器編成でない場合はなぜその編成を取ったかと理由が必要で、
その意図がいかに音に活かされているかが音楽的に重要な評価の決め手になります。
ありえない楽器の組み合わせが実現できても音楽的な発想が問題になります。

編成はサックス2本、ヴァイオリン、チェロ、クラシックギター、ピアノ、チェンバロで、
ゆっくりなテンポでソロをとれば聴こえてもテンポが速くなると、
クラシックギターやチェンバロは通常は聴こえなくなりでしょうし、
チェンバロとピアノという鍵盤楽器が2台あることも不可解です。

それでもテレビだからマイクを使ってバランスを調整できると考えますが、
マイクを使ってギターやチェンバロの音を拾ったとしても不自然な音響ができたでしょうし、
実際チェンバロ、ギターは殆ど聴こえていなかった印象でした。
画面に映っていても音が聴こえないのはポップスでたまにある手法です。

クラシック界の第一線で活躍する豪華メンバーと銘打ってこの扱われ方はないでしょうし、
これで「新たな音楽の発掘を楽しむ企画」というにはあまりにも稚拙です。
仮に3回分の収録を1回で行い、最後に参加メンバー全員で演奏するためだったとしても、
それは収録の充足感のためであっても視聴者はこじつけられた企画にしか感じません。

名手であれば、各々の類い希な個性や芸術性を表出させることが必須です。
この演奏を中高生が仮に真似したとしても、おそらく充足感はないと思われ、
マイクを使ったり優れたミキサーがいなければ人に聴かせられるものにはなりません。
この演奏のコンセプトが一般的とは程遠く教育としても成功しているとは思えません。

ここに出演している指揮者や弦楽器奏者が場所を変えれば、
自身の個性や芸術性を表出させたコンサートを行っているのは周知の事実ですが、
自身の演奏家としてのプライドを保つことも芸術家として必要なのではないかと感じます。
番組制作としてこのような企画を立てることに全く賛成できません。





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最終更新日  2021.03.12 19:36:06
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