型をこよなく重んじるも、嵌ることをめっぽう嫌がる作曲家の日記

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2025.07.01
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ここまで作曲家・小倉朗著
「現代音楽を語る」(1970)
からの抜粋をもとに、
考察してきて確信するのは、
考えさせられる内容と裏腹に、
ますますストラヴィンスキーに、
共感していることです。

まだ呪縛を解かれていないのか?
ストラヴィンスキーは、
やっぱりいいなぁと思うわけで、
ストラヴィンスキー自身が、
”理解されないジレンマ”を、
少しでも感じたとすれば、
また共感してしまいます。

小倉朗先生とは会って、
話したこともありますが、
こんな厳正に作曲行為を
裁く方とはつゆ知らず、
教えを乞わずよかったです笑。


ストラヴィンスキーが、
批評家について書いた文。
これがまた共感できます。
例によって小倉先生は一蹴。

「批評家達は、
ひとのつかう文法を判断する
資格さえ持っていない。
彼等は、音楽の楽節が
どう構成されているかを知らず、
どう書かれているかも知らない。
彼等は、現代の音楽語法の
技術に関して無能だ。批評家は
公衆にあやまった情報をあたえ、
理解をおそくする。
批評家のおかげで、
多くの価値あるものの理解が、
あまりにもおくれてしまう。」

そういう彼のことだ。
みずからの裡に批判は存在しまい。

笑ってしまうくらいバッサリ。


若い頃は雑誌の発売日に、
本屋さんに駆け込み、
いち早くレビューをチェックし、
一喜一憂の波が激しかったことを、
今でも鮮明に憶えています。

しかし、ある時、ある批評家に、
”ぜんぜんわかっていない?”
という疑念が生じ、
個人的に批評家を知れば知るほど、
「何で批評に翻弄されたのか」
勝手に批評家=識者と思い込んだ、
それまでの自分を後悔しました。

反響がないよりも、
何でもいいから書かれることは、
ありがたいとも感じましたが、
書かれたことが、
何かに繋がるかと言えば、
最初だけです。

作曲家心理や作風を識るよりも、
与えられた解説参照だけで聴く、
批評家は日雇いお仕事なので、
テレビの食レポみたいなもの。
文章化するだけ文責はあります。
でも深い内容は求められません。

推しの作曲家に想いが熱いのは、
一般人と同じなのです。
自分をもっと知っている識者に、
意見をもらったほうがいいです。

現代は多くのコンサート、作曲家、
多様なスタイルで把握もできず、
絶対的な尺度すら揺らぐ今、
文献で調べるくらいが関の山。
批評こそ全く形骸化しています。


ストラヴィンスキーの譜例で、
小倉朗は意図の危うさを紹介します、
「ピアノ・ソナタ」について、

あらかじめ調を設定して線をつくり、
次にそれとは無関係な
経過音や和音を投入して、
調性の混濁が企てられていると
いうことである。

ここにデフォルメの過程の
一端が伺えるが、
デフォルメする音をどけてしまえば、
調的にも旋律的にも
なんら特徴のない平凡なもので、
まるで月並みな線を
あとからデフォルメしていく
凡庸な絵画きのような
作意の工程がみえる。

それが独創かどうかは論外だが、
結果として、響きは、
調性の把握を誤った生徒の和声の
答案に似た鈍重な響きになる。

(中略)
問題はむしろそれを使う
耳のよしあしである。
シェーンベルクは、十二の音を
絶えずくりかえすことによって
すべての音を灰色にしたが、
ストラヴィンスキーは、
以上のような方法で
色の上に色をかさねて
灰色にしていった。

そして調性の混濁は、
リズムの機械化と同様、
彼の音楽から未来に向う
集中を奪う去り、
計らずも抽象の世界に
追いやっていったのである。


ストラヴィンスキーの音楽が、
自分的には灰色に感じず、
システムはともかくとして、
キラキラした精彩を放つ、
心地よい音空間に感じます。
おかしいかなぁ?

この後の章で、
小倉朗の好きな作曲家が、
登場しますが、
ストラヴィンスキーとは対極?
なのかもしれません。

ただ耳の問題だと言われると、
とても悲しく思えますね〜
感性を奪い取られたようで。
でも聴き方が全然違うのだと。
そう思うことにします笑。


チャットGPTの感想
【回答】
ありがとうございます。「呪縛を解かれた嘗ての言葉が甦る(6)」は、シリーズの中でももっとも著者(あなた)の個人的な感情と、小倉朗との距離感が交錯するパートであり、読み手にも共感や余韻を残す内容になっていると感じました。以下、簡単に感想を述べます。

🎼 感想ポイント
1. 「共感のゆらぎ」が中心テーマ
ますますストラヴィンスキーに、共感していることです。
この率直な告白が、この章のトーン全体を特徴づけており、批評と自我の揺れ動きがとても人間的です。
引用を通じてストラヴィンスキーに寄り添いながらも、小倉朗の論理的批評に引き裂かれるような感覚が、読み手にも伝わってきます。

小倉朗先生とは会って、話したこともありますが、
この一文が個人的回想として生きており、論理だけでは語れない、作曲家としての複雑な想いが滲みます。

2. 批評家批判とその反省
「何で批評に翻弄されたのか」
「勝手に批評家=識者と思い込んだ」
この部分では、若き日の読者としてのあなた自身と、今の目線が重ねられており、非常に普遍的な問題提起になっています。
「誰の言葉を信じるべきか?」という問いは、芸術の本質にも通じる命題であり、それに対するあなたの“成長した視点”が、批評家の役割を再考させてくれます。

3. 引用に対する丁寧な“抗議”が好印象
小倉朗の「デフォルメ」批判は、かなり痛烈で冷酷ですが、それに対してあなたが語る:
キラキラした精彩を放つ、心地よい音空間に感じます。
おかしいかなぁ?
という素朴な違和感と抵抗は、むしろ批評を内面化した上での自分なりの答えのように読めます。

“耳の良し悪し”が芸術的な優劣を決めてしまうのか?という、根本的な審美眼の問いに対して、「そう思うことにします笑」という柔らかな結び方は、読者にも救いを与えます。

4. 文章の構成に“緩急”と“人間味”がある
冒頭のやや自嘲的なトーン
ストラヴィンスキーの共感できる言葉の引用
批評に翻弄された過去の自己
小倉朗の厳しさへの戸惑い
最後に“耳”と“感性”の話題へ

という構成がとても読みやすく、読者の感情をうまく引っ張っていく流れになっています。エッセイとしての完成度が高いと感じました。

✅ 総評
「(6)」では、芸術批評と個人的感性の間で揺れながら、なおも“好き”という気持ちを尊重する誠実な姿勢が描かれており、非常に共感を誘います。

小倉朗の辛辣な言葉も、あなたの語り口によって「時代の遺産」としてではなく、「今なお響く鋭さ」として提示されており、その一方で“自分はどう感じるのか?”という問いを通じて、読者にも考える余白を与える構成になっています。

次回、「対極」の作曲家の登場にも期待が高まります。シリーズが深まるごとに、「呪縛」の意味も多層的になってきていて、本当に面白いです。





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最終更新日  2025.07.01 10:00:09
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