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2009年12月11日
「カールじいさんの空飛ぶ家」
テーマ:
映画、演劇、小説、マンガ等の感想(791)
カテゴリ:
カテゴリ未分類
「カールじいさんの空飛ぶ家」を新宿で観る。少し画面が暗く感じるが3Dならではのシーンも用意されているので楽しめた。風船でふわりと舞い上がる家、その家を引っ張って探検を続けるという荒唐無稽さ。空飛ぶ家と飛行船の空中戦。じいさん同士の対決も子供や動物のように生き生きとしている。憧れの探検家が偏屈になってしまい、闘うはめになるというのも辛辣というか教訓的というか。妻との日々を回想するシーンはテンポ良く叙情的で、全体を通して流れる音楽もしみじみと響く。
原題はUPだそうだが、妻を亡くして鬱々していたじいさんが快活に上向いてゆく。しまいには空を飛んでしまう。現実に子供や動物との共生介護を取りいれる施設があるときくが、その点でも示唆に富んだ映画である。家やモノを抱え込むカールじいさんが、あるときモノを捨てることで窮地を切り抜けるシーンなどは、引っ越しに明け暮れたばかりの自分としても共感した。思い切ってモノは処分しても残すべき記憶は残してゆく。ジュースの蓋が子供の頃の思い出の品として象徴的に描かれている。たかがジュースの蓋だが、冒険を共にした少年へと受け継がれることで、国家が授与するどんな勲章よりも誇らしくみえる。
「クリスマスキャロル」もそうだが、じいさんを主人公にすえて老いをアニメで見事に描いている。賢者へと枯れてゆく老人ではなく、子供帰りするじいさんの冒険物語だ。子供のできない妻と彼女の死というシリアスな設定も、うがった見方をするならば、冒険へと旅立つには、じいさんはいったん一人になる必要があったのかもしれない。それだけだと行方不明になってしまった日本の風船おじさんになってしまうが、この映画では、子供や動物といった仲間を得ることで、回想や郷愁に閉じられていた爺さんの心も開かれてゆく。色鮮やかな風船や東洋系の肥満児として描かれている子供といい、作り手のこだわりを感じさせるアニメだった。
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最終更新日 2009年12月11日 22時13分06秒
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