存生記

存生記

2009年12月17日
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「母なる証明――Mother」を新宿で観る。殺人事件の犯人にされた息子の無実を晴らすべく奮闘する母親を描いた韓国映画。母親が子供に注ぐ愛情というのは、無条件で肯定すべきものというのは間違った考えではあるのだが、この映画を観ていると少なくとも半分まではそんな感じで感情移入させる。息子がバカっぽい性格だけにしっかり者の母親に頑張ってもらいたいと思わせる。

こういう母と子の絆を描いた話はよくあるので退屈なわけだが、そこは一癖も二癖もある監督のようで、途中であっと言わせる展開にもっていく。この話、どうやって着地するんだというところまで話を逸脱させてゆく。いつのまにか親子の情愛物語が下手なホラー映画よりもよっぽど怖い話になっている。

その怖さは、マザコンをグロテスクに描いたデビット・リンチ的な怖さではなく、母の愛の狂気というものが社会でかなりの部分で肯定されているという不気味さによるものかもしれない。今日もテレビで母親がアル中の息子を殺した事件の判決のニュースが報じられていたが、裁判員はかなり同情的な意見を述べたという。判決には執行猶予がついた。それが社会というものなのだ。この映画はそうした盲点を突いている。

ホームレスみたいな廃品回収のおじさんから米を受け取って空き家で売春する女子高生が出てくる。彼女のケータイや母親の鍼の道具箱、ゴルフクラブやゴルフボールといった小道具も印象的に使われている。大きな石で殴殺された女子高生の死体はなぜ屋上にあったのかといった謎を散りばめながら物語は核心へと入っていく。

おそらくテレビの韓流ドラマでは描かれないような危ない話であった。





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最終更新日  2009年12月17日 23時32分01秒


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