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毘夷零

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2006.09.07
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カテゴリ: 歌姫
近すぎて菜緒子の凄さがわからなかった。
ある意味天才だと私は思った。
なぜなら、菜緒子は見事に私の声の再生に成功させた。
ソロで歌うことは出来ないが、メリーとのデュオする事により
私の歌声が蘇ることが出来た。
メリーの発声装置を改良し、メリー自身の歌声と私の声を補完する音声を
同時に発声出来るようにした。
今度のステージはメリーをメインで合間に私とメリーのデュオを入れる事にした。
そうする事で、少しでもメリーの負担を軽くしようと考えた。
そのリハーサルでバタバタしていた。
そんな中、菜緒子が不意に
「ごめんなさいね・・・」
と、すまなそうに言った。
「何で謝るのよ・・・ここまで出来たら凄いわよ!」
私は本当に感謝していた。
まさか本当にステージに立てるようになるとは思わなかった。
「だけど・・・」
「いいのよ!それよりこんな事は今回限りにするわ。」
「え?!」
そう・・・私はステージに立つのは今回で最後と考えていた。
そして私の身代わりとかじゃなく、メリーを本当の歌姫にしたくなった。
本気でプロデューサーの仕事がやりたくなったのだ。
どんな形であれ、音楽の仕事が出来るだけで幸せだと思えるようになった。
そのケジメとして今回のステージに立つのだと自分で考えていた。
「本気でメリーを歌姫にするわ!」
「それで良いの?」
菜緒子が聞いてきた。
「なんで?私の歌に対する想いはメリーが受け継ぐのよ。素晴らしいじゃない」
菜緒子は私の顔をじっと見つめて
「そう・・あなたがそう決めたのなら私は何も言わないわ。」
「菜緒子・・・ありがとうね。」
そう言うと菜緒子は少し照れたようだった。
しかし、私は本当に感謝していた。
何度、感謝の言葉を言っても足りないと思っていた。
「スイマセン・・・リハお願いできますか?」
スタッフの男の子が声をかけてきた。
「わかったわ!今行くね!」
そう言って私はステージに向かった。
菜緒子はそんな私を嬉しそうに見つめていた。

リハーサルはかなり熱が入ってしまった。
気がつけばメリーのバッテリーが切れかかっていた。
慌てて私は今日のリハーサルを終了させて、
メリーを連れて控え室に向かった。
菜緒子は控え室で待機していて、すぐにメリーのメンテを始めた。
正直、私もかなりバテバテだった。
そんな時
トントン!
ドアーがノックされた。
菜緒子は急いでメリーは奥部屋に移した。
「どうぞ!」
と私は返事をした。
ドアーが開くとスタッフの男の子だった。
「どうしたの?」
私が聞くと、男の子の後ろに誰か立っていた。
「すみません。彼女、友達なんですけど、どうしてもプロデューサーに
 謝りたいって言うもんで。
 自分が聞くって言っても、どうしても直接会いたいってきかないもんで・・」
見ると、いつかの女の子だった。
「いいわ。ありがとうね。」
そう言って女の子を部屋に招きいれた。
女の子はか細い声で
「あのぉ・・・この間は無神経な事言ってごめんなさい・・」
と言って深々と頭を下げた。
彼女は彼女なりにこの間の事を気にしていたようだ。
「良いのよ・・・気にしてないから。」
私はそう言った。
「本当にごめんなさい・・・」
そう言っても女の子はまだ頭を下げてままだった。
「頭を上げて。本当に気にしてないから。それよりもマリーのファンってのは本当なの?」
私は、女の子があんまり恐縮しているのでちょっと意地悪な事を言ってみた。
「本当です!!マリーさんの歌で私いっぱい元気もらいました。」
女の子は必死に答えていた。
「でも・・今はメリーのファンなんでしょ?」
更に意地悪な事を言った。
「それは・・・・」
彼女は言葉に詰まってしまった。
あまりにも困っているので
「冗談よ!ごめんなさいね意地悪して。」
「いえ。でも本当にマリーさんの歌、大好きです。
 たぶん、メリーさんを好きなのは、なんかマリーさんの歌に似てるんですよね。」
「そう・・・全然曲調とか違うと思うけど・・・・」
「そう言うことじゃなく・・・なんて言うか・・・ハートが・・・・」
私は、そう言われて嬉しくなった。
「ありがとう。」
そして思わずそう言ってしまった。
「そんなお礼なんて・・・・」
女の子は照れていた。
「でもガッカリしたんじゃない?マリーはこんな声になっちゃったしね。」
「そんな事ありません!私、今もマリーさんの歌が聞きたいです。」
女の子は真剣に言った。
「でも・・・昔みたいな歌声は出ないわよ。」
「関係ありません。声がどうだろうとマリーさんの歌が好きなんです!」
「・・・・」
「ごめんなさい・・・私また気に障ること言いました?」
私が黙っているので女の子は怒ったのだと勘違いしてしまった。
私は目頭が熱くなっていた。
声を出すと涙がこぼれそうだった。
こんなに私の歌を好きでいてくれたファンが居たなんて・・・
言葉を出すことが出来なくなった。
「結構・・・涙もろいのよ・・・」
奥から菜緒子が助け舟を出してくれた。
「マリーの友人としてお礼を言うわ。ありがとうね。今度のメリーのステージ見に来て。
 もしかしたらマリーに逢えるかもよ。」
菜緒子はそう言って、女の子にウィンクをした。
「え?!あっはい・・・・」
女の子は意味を理解したようだった。
「それじゃ、これあげるわね。」
そう言って菜緒子はライブのチケットを彼女に渡した。
「ありがとうございます。絶対に行きます!!それでは失礼します。」
そう言って部屋を出て行った。
「ありがたいね・・・ファンって・・・」
私はつぶやいた。
「そうよ!言ったでしょあなたの復活を望んでる人が居るって・・・」
「うん。今度のステージは絶対に成功させるわ!!」

そして、私は今度のステージである事をやろうと密かに考えていた。
本当のマリーを復活させるために・・・・





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Last updated  2006.09.08 19:14:28
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