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毘夷零

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2006.09.30
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カテゴリ: 機械仕掛けの天使
俺は鈴木さんを落ち着かせてベットに寝かした。
ベットの脇に相棒が付いていた。
鈴木さんは相棒の手を握り、嬉しそうに一生懸命に
相棒に向って何かを話しかけていた。
俺はそっと部屋を出て、会社に連絡を取った。
鈴木さんの状況の報告と「マイコ」と言う人と
鈴木さんの関係を問い合わせた。
しばらくして、会社から連絡が来た。
鈴木さんの身内は遠くで暮らしている妹さんだけだった。
その妹さんの話しでは、鈴木さんの家族は居ないらしい。
20年前に事故で奥さんと娘さんを亡くしていた。
それから鈴木さんは一人で暮らしていた。
その頃からのめり込む様に仕事に没頭し、貿易関係の会社を設立したそうだ。
今はその会社は人に譲り渡しているが、財産はそれなりのあるという話しである。
ただその事故以来、人と関わる事を避けて暮らしていたそうだ。
だから妹さんも、10年以上鈴木さんとは会っていないとの事だ。
で・・・その亡くなった娘さんが「マイコ」と言う名だった。
妹さんが唯一持っていたマイコさんの写真の画像データが送られてきた。
その画像を見たが、そんなに相棒に似ていなかった。
なぜ、鈴木さんは相棒を娘さんと勘違いしたのだろうか?
とにかく、そろそろ契約している介護サービスの時間が終わる頃だ。
相棒を鈴木さんから解放しなければ・・・

「鈴木さん・・・ごめんなさいね。マイコさんそろそろ帰らないといけないんだ。」
鈴木さんは悲しいそうな顔をして
「帰るのか・・・」
とつぶやいた。
相棒が
「ごめんなさい。仕事をしないといけませんので。」
と言った。
ナイスタイミングだ。
「また、来ますから・・・」
俺は満面の笑顔で言った。
「そうか・・仕事か・・・それなら仕方ないな。」
鈴木さんは納得してくれた。
「来週にまた来ます。」
相棒が言うと鈴木さんは嬉しそうに
「そうか・・来週来てくれるか。」
と笑顔になった。
「それじゃ失礼しますね。」
そう言って俺達は部屋を出た。
鈴木さんはしつこい位に手を振っていた。

俺は車に戻って、タバコを吸った。
「さてさて・・・どうなる事やら・・・」
とつぶやくと
「どうなるとは何がですか?」
と相棒が聞いてきた。
お前の問題だよ!と言いたかったが、言ったところで質問攻めにあうのが
目に見えていたので
「なんでもない・・・」
と言った。
すると
「なんでもないとはどう言う事ですか?」
と聞くので
「お願いします。黙ってください。」
と俺は少しイラついて言った。
「わかりました。」
そう言って相棒は質問するのをやめた。
ため息のように煙を吐いて、吸殻を灰皿に捨てて次の現場に向った。






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Last updated  2006.09.30 11:31:32
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