あいうえお道場/職業訓練編

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カテゴリ: レビュー
ポルノサイトの無限ループをする。まったく最低な暮らしぶりだ。バナーが多すぎてどこから入っていけばよいのかわからなくなる。なにか、多少の目的をもってクリックしたはずなんだが。例えば巨乳とか、女の子がかわいい顔だとか、何かしら動機があってクリックしたはずなのに、リンクの大洪水を前に、どこに行くべきだったのか、また。どこから入ればよいのかわからず、しばらくすると再度以前のサイトにいつのまにか戻っていたりする。ノートンが入ってなければポップアップの連続でフリーズだ。

土曜日の馬鹿男は、そんなどうでもいい暇つぶしにも飽きて、TVをつけるとNHKで『いのちの対話』という番組をやっていた。

◎産婦人科のドキュメントだ。ふたりの医師が運営する病院がある。一人は中山というきさくなおっさん(66歳)、もうひとりは鮫島という40代の医師。年間600人も出産があり、また80件ほどの中絶をしている。ドキュメントは鮫島を中心に展開される。

ひとりの未婚の女性が受診する。妊娠8週とのこと。彼女は、中絶を希望した。彼のことを信頼できないのだそうだ。鮫島は、彼とよく相談するように促す。そして、その後も数回、受診をしながら、中絶を希望する患者と鮫島との間にやりとりがあって、映像は経緯を記録する。

鮫島という医師は、これまでに中絶の手術をしたことがないのだそうだ。これは彼のベーシックな信念というか倫理観だ。

中絶を希望する患者に対して「殺す」とか「この子は2度と現れることはない」等、患者に罪悪感を与えうるコトバが続く。鮫島の表情は、なにかにとりつかれたかのように真摯な顔で、胎児の尊さ、命の大事さ、生んで後悔することはないのだ、という持論を展開する。

中絶に強い決心をしていた女性に対して、彼氏は「生んでくれ」と強く願っていた。

中絶への日程も決まり、担当が鮫島から、中山に代わる。中山はふたりに胎児の心音を聴かせたりする。結局、最後に女は中絶を撤回することとなった。

牧師のような鮫島とちがい、中山は中小企業のおっさんのような親しみやすさがあって、中絶後にも患者の心の相談に乗ってやっている。りっぱな先生だと思った。

私が気になったのは鮫島の診療に対する理念についてだ。

彼は中絶手術をいっさいしないわけだ。中絶が決まれば、中山オヤジが、メンタルなケアの面まで丁寧にかかわり、そして中絶をする。私は、鮫島に対して、いのちの大切さを患者へ訴える立派さと同時にじぶんの理念にかなわぬ医療を行わないことの漠然とした嫌悪を感じた。

中絶する人もその理由はさまざまだと思う。避妊の意識が薄いDQNカップルもいれば、すでに3人の子があり4人目は経済的にも苦しいといったケースもある。鮫島の診療には生活の実際という視点に欠けているように思う。彼の考えではいかなる貧困においても、また、複雑な家庭環境においても生みなさいということだ。もう宗教的な価値基準といって差し支えないであろう。

鮫島に望みたいことがある。それは、「私は堕胎をしません」と最初に患者に説明をすること。首からカードをぶら下げてもよいし、開業準備のクリニックには「中絶に反対します」と看板を出してもらいたいのだ。

鮫島が自分の信念を曲げずにいられるのも中山のオヤジさんのような堕胎手術をする医師がいてのこと。鮫島にはその点をいつもじっくりと見据えてもらいたい。

◎しばらくポルノサイトを見ることはないだろうな。こんな番組を見たら、全然、楽しくないよ、ポルノなんて。うんざりするよ、世の中にポルノでセックスを晒す女性がこんなにいると思うと。ヘタすると自分の知り合いに出会ってしまいそうだ。

それでも、人間の性はその他の動物のように単純ではない。望まない妊娠がなくなることはないのだ。





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最終更新日  2005年10月01日 23時13分48秒
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深いねえ……  
柊王子  さん
わたしの知り合いだったオトコ2人、何10年前に彼女との子供を
中絶してしまったことを、いまだに引きずっている。
「あのとき産んでいたら、今は何歳だなあ」なんて
そのへんのガキを見るたびにいう。
オンナは産むほうだから、もっと痛みがあるのかもしれない。
産むための、産まないための技術を、医者は持っているけど
産むか産まないかを選択するのは医者じゃない。
おぎーのさんが見たテレビを見ていないので、一方的だけど、
いいとこ取りだけして感謝されているその医者、わたしは違和感あるなー。

(2005年10月02日 01時26分09秒)

Re:深いねえ……(10/01)  
おぎーの  さん
柊王子さん
-----
どうもっす。この番組のニュアンスを伝えるのは難しく、中山と鮫島の診療の考えをやや単純化して書いているところもあります。
院長である中山医師は彼を採用して、役割の分担をしているところがありました。

視聴者の疑問は、中絶を行わない医師が産婦人科に適しているかどうかということでしょう。

中絶が心の傷となるのはもっともなことで、中絶の際に患者は必ず泣くそうです。
それでも、中絶する社会的な理由があるわけですよね。
そのあたりを、医師の立場より突いてしまってはいけないと私は思います。

中絶する自由は、今の日本にはある。

鮫島医師とのやりとりによって中絶を思いとどまり、後に「よかった」と感謝する人ももちろんいるでしょうが、その逆もあるかもしれない。

医師がどこまで生命についての倫理観に介入するべきなのかを問題的する点において、この番組は意味がありました。

私は鮫島医師の言葉で泣きそうになってしまうというところもありました。

でも、堕胎をしない産婦人科医がアリなのかってことですよ。

(2005年10月02日 02時12分49秒)

Re:Nスペ・いのちの対話/煩悩の無限ループ(10/01)  
こんばんは。

先日は私のサイトにお越しいただき有難うございました。

確かに鮫島医師の考え方は極端ですし、綺麗事だと思います。
けれども、私は産婦人科病棟に勤務していて、子供が欲しくて欲しくてたまらなかったのに流産や死産をしてしまった人達と多く関わってきただけに、安易に中絶を望む人に対してはどうしても腹立たしさを感じてしまいます。
だから、鮫島医師の思いも分からなくはありません。

けれども、現実に苦しんでいる女性がいることを考えると、やっぱり中絶を行ってくれる医師は必要なのでしょう。

ちなみに理由の無い中絶は認められていません。
中絶手術を断る病院もあります。
私の勤務していた病院では、個人病院で中絶を出来ない特別な人(病気を持っていたり、胎児が大きくなりすぎて普通の中絶が出来ない人)を除いては、お断りしておりました。

それでは長々と失礼致しました。 (2005年10月02日 20時26分52秒)

Re[1]:Nスペ・いのちの対話/煩悩の無限ループ(10/01)  
おぎーの  さん
ねこねこまにあさん
>ちなみに理由の無い中絶は認められていません。
>中絶手術を断る病院もあります。
-----
どうもっす。
ついつい、発言したくなる番組でした。

なるほど、中絶には理由が必要で、医師は文書に記録を残しているのですね。

中絶の一方で不妊治療もあるわけで、望みがかなわない夫婦もたくさんいるのだろうとお察しします。

人生にはままならぬことがあるのですね。

あの番組でなるほどと思ったことで、産む産まない、あるいは不妊治療をするしない、という重要な意思決定を医師のみがやっているのかということでした。専門のカウンセラーあるいはケースワーカーと呼ばれる方が介入することはないのですね。

婦人科医は医療の技術だけではなくて、相談援助の技術も求められているのか、と再確認しました。

若い女性で、産婦人科に受診したいがどこにいったらよいのかわからなくてネットで情報を探すケースを垣間見ることがありますが、彼女たちの不安が実感としてわかりました。

どの医師にあたるかによって、その後の人生に大きな影響がある場合もあるのですね。

※ふたんはくだらない日記がほとんですが、よろかったらときどき来てくださいな。 (2005年10月02日 20時44分07秒)

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