2023年08月20日
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松任谷由実さんがアニメ映画「虹色ほたる―永遠の夏休み」の主題歌として書き下ろした名曲。

今日は名古屋で松任谷由実さんのライブがあったのですが、チケット取れずに行けなかった。
第3次予約でも自分も友人もまったく当たらなかった。
でもまだあと5回は行けるので今回は諦めた。
8月19日20日が第1期ツアーの最終日だからかも知れない。
9月9日から第2期がスタート。
セットリストは変わらないと思いますが(今で完全満足なので変えなくてもいいけど…)、
演出か衣装が少し変わったりするのかも知れない。


このサントラ盤、もの凄く良いから聴いてほしい一枚。
曲の美しさとアレンジの美しさ。



「愛と遠い日の未来へ」

「愛と遠い日の未来へ」は37枚目のアルバム「POP CLASSICO」の中に収録されている曲。
「POP CLASSICO」の中では11曲目「シャンソン」がダントツに好きな曲なのですが、
最近、この曲は「シャンソン」に並ぶほどヤバイほど感動する曲になってきてる。
元からこの曲は好きな曲だったけど今頃、何かわからない力に惹きつけられるように
この曲ばかり何度も聴いてしまう時がある。
もう会えない大切な人に語りかけられてるような感覚になって胸が苦しくなる瞬間がある曲。

メロディーの凄さはユーミンだから当然の事なのですが、
メロディー以上に遠くにある誰かの魂を寄せ付けてくれるような
歌詞の深さと強さは他には絶対にないのかも知れない。
日常に使う言葉で作られているのも凄い事。
辞書で調べないとわからない言葉なんて一つもない。
日常のあたりまえの言葉でここまで凄い歌詞が書けるのには超人的な物を感じる。

「♪泣かせたならごめんね 突然の絵葉書みたいに それぞれの哀しみを 超えていく途中で」
ここの歌詞とユーミンの歌い方で毎回心がギュッとなる。

そして最後のサビ部分だけに英語でコーラスが入る。
「♪I'm sorry that i make you cry」(泣かせてしまってごめん)って繰り返される。










そして「虹色ほたる―永遠の夏休み」

ユーミンが主題歌を作ったと聞いて単行本を買ってまず読んでみた。
内容が怖いぐらいに子供の頃の自分が経験してきたような事がつまってた。

主人公のユウタが幼い頃、父親にカブトムシ取りに連れて行ってもらったダムのほとり。
1年前に父親を事故で亡くし、小学6年になって一人でそのダムのある山奥へと来てみた。
そのダムは昔、村があり今ではダムの底に沈んでしまっていると父親が話してくれた事を
思い出す。そこの村でユウタの父親は虹色に光るほたるを見たと話し、そこはほたるの谷だったと…。
父親との思い出を辿るようにカブトムシを探しに山奥に入っていくユウタ。
森の奥で不思議な老人と出会う。
水を飲ませてほしいとその老人に頼まれユウタは持っていたスポーツドリンクをあげる。
かんかん照りの日なのに、その老人は今から恵みの雨が降って嵐が来るから早く帰れと
ユウタに話す。
雲ひとつない痛いくらいの日差しの中そんな言葉を信じずに草むらに寝転んでいると
突然、雲が湧き上がり雨が降り出す。
山肌に土石流のように濁った土混じりの水が流れ、ユウタは足を滑らせて気を失ってしまう。
・・・そこからファンタジーの世界に入っていく。
ダムの底に沈んだはずの村にいる事にユウタは気づく。
テレビからはキャンディーズの「暑中お見舞い申し上げます」が流れている。1977年だ。
そこで友情を築き、初恋も経験する。
森の奥で会った不思議な老人に再び会い、元の世界に戻してあげるが1ヶ月かかるので
この時代のこの村を1ヶ月楽しみなさいと言われる。
そこで1977年の田舎の村の夏休みを経験して父親が子供の頃に見たほたるの谷にも行く事になる…

そこからドラマチックにそこでの友情や村民のダムに沈む故郷への思いなど知り、
感動的に展開していく。

このアニメ映画は音楽を全て松任谷正隆さんが作っていると知り、
アニメのDVDは買って持ってたけど封も切らずに何年もそのままだった。
サントラ盤も出たので音楽はCDでよく聴いてた。
そこに「愛と遠い日の未来へ」の映画ヴァージョンが収録されています。
もう正隆さんの音楽もユーミンの映画ヴァージョンも聴けたからDVDはいいやって感じで
一度も観る事もなく買って持ってるだけで満足してる状態でした。







少し前に「愛と遠い日の未来へ」が好きになりすぎて、アニメ映画だけど観てみようと
DVDの封を切って観た。
小説で読んで頭に描いてた風景や人物像とは違ったけど、すぐに素直に映画の中に入り込めた。
松任谷正隆さんの音楽の付け方の素晴らしさに感動しっぱなし。
打ち込みをいっさい使わずに全てオーケストラで作ったらしく壮大な景色に完璧にハマってた。
アニメ映画で泣いた事って一度もなかったけど、いろいろと重なる部分も多くて泣けた。
音楽の効果もかなり大きかったようにも思う。

自分と重なっている部分というのは、幼稚園から小学5年ぐらいまで、夏休みになると
父親に週に何度も虫取りに連れて行ってもらってた。
行く場所は数カ所あってそのうちの一つに、烏原水源地があった。
そこは自分の家から一番近い虫取りの場所で歩いて30分〜40分ほどで行ける所でした。
朝の4時前には家を出て父親と二人で急いで山に登ってた。
神戸ではクワガタの事を「ゲンジ」って読んでて小さい頃は「ゲンジ取り」と言ってた。
この烏原水源地はノコギリクワガタとヒラタクワガタがよく取れた。
民家からも近い場所でそんなに山奥でもないので「ミヤマクワガタ」はいなかった。
「ミヤマクワガタ」を取るのはまた違う場所だった。
「ノコギリクワガタ」の事は「水牛」、顎が(ツノ)が曲がらずに真っ直ぐな物は「カジワラ」、
オオクワガタの事を「サクラゲンジ」と神戸では呼んでる人が多かった。
(シロスジカミキリの事は「チーチー」って呼んでた。今思い出した)

ここの烏原水源地はダムになるまえは、この映画同様に村がひとつあったそうです。
一度、雨がなかなか降らない年があって、ダムの底にレンガの橋のような物や
家の屋根らしきものが水面に出て来てた事があった。
その時、父親が「このダムの底に烏原村という村があったんやで」と話してくれた。
父親も生まれていない時で父親も自分の父親に聞かされたと。
祖父はその村に流れてた清流でアマゴなどの魚釣りをしていたと聞いた。
水が少なくなったダムの底に見えた村の残骸を見た時はなぜか凄く怖かった。

烏原貯水池に流れ込んでくる小さな河があってその河にはホタルがたくさんいた。
夕方にホタルを見るために水源地まで家族で何度か行った事もあった。
家から歩いて40分ほどのところに、ホタルがこんなにいるんだと感動した。
ホタルは捕まえてもすぐに死ぬので取る事はなかった。

25年前に父が亡くなったあとに、一度だけ幼い頃に連れて行ってもらった場所を巡った事がある。
今では道も舗装されハイキングコースのように整備されています。
自分が父親に連れていってもらってた頃は軽自動車がやっと1台通れるかどうかの
狭い土の道で貯水池の周りを一周できた。
金網の柵はなく人の腰の高さほどの石で出来た柵があっただけ。すぐに中に入る事ができた。
その代わりにマムシも多くいたので、かなり慎重に歩いてたのを思い出す。
その場所で父親と撮った写真が一枚だけある。
虫かごの中はノコギリクワガタが3匹ほど入ってて誇らしそうに虫あみを持って
笑ってる自分がいる、
それを見ると全てが鮮明に思い出される。その時の会話や父親の声なども…。
写真ってどんな場所ででも撮っておくべきだと思った。

この「虹色ほたる―永遠の夏休み」のシチュエーションが、自分の経験に凄く似てたのもあって
感動が大きかった。

映画を観てからより一層「愛と遠い日の未来へ」の凄さがわかった。
映画のラストにこの曲が流れ出すと心が震える。
「♪思い出してごらんよ 幼い日 胸を震わせた
  言葉にできないまま 残して来たものを
  青空にそこだけ 影おとし 山にかかる雲
  儚い夏のような 虹を降らせていた」

そして「♪握り返す 手のぬくもり」は記憶から消そうとしてた事をリアルに思い出させる。
記憶から消してはいけない事だと気付かされた。

最近、ユーミンにはいろいろと泣かされっぱなしです。





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最終更新日  2023年08月20日 06時47分09秒
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