STORY
ショパンコンクール 激戦の舞台裏
2人の幼なじみでつかんだ栄冠
2021.11.18 : #文化/#音楽
ことし、日本人の反田恭平さんと小林愛実さんが、2位と4位に同時入賞するという快挙を成し遂げました。
2人は小学生からの幼なじみ。
ともに天才少年・天才少女として10代から頭角をあらわし、いまや日本を代表するピアニストとして活躍しています。
今回NHKでは、3週間にわたるコンクールへの挑戦に密着。
幼なじみの2人が、互いに励まし合いながら挑んだ夢の舞台裏に迫ります。
ショパン国際ピアノコンクールとは
「ピアノの詩人」と呼ばれるフレデリック・ショパンの故郷、ポーランドのワルシャワで5年に1度開催される「ショパン国際ピアノコンクール」。
世界中のピアニストが目指す最高峰の舞台です。
ことしは、出場資格のある16歳から30歳までの500人以上から応募がありました。
書類や音源などの審査で1次予選に進めるのはおよそ80人。3次まである予選をくぐり抜けて本選に進めるのはわずか10人程度という、過酷な大会です。
演奏されるのはショパンの曲だけ、というルールがあります。
反田さんがコンクールに挑むまで
反田さんの1次予選が始まった、10月4日の朝。
にこやかな表情で会場に姿を見せました。
「メンタルは絶好調、
フィジカルはSOSO(まぁまぁ)ですね」
大舞台を前に、ひょうひょうと振る舞う反田さん。
小学生の頃に通っていた音楽教室で講師を務めていた鈴木ますみさんによりますと、意外にもおとなしい男の子だったといいます。
「表だって目立つようなタイプではなく、ふわふわした優しい雰囲気の男の子でした。いまとは印象が違います(笑)真面目で黙々と練習するタイプでした」
ただ、当時からピアノの腕は目を見張るものがあったといいます。
「オペレッタの発表会で反田君が歌うシーンがあったのですが、音を全く外さなかった。耳が良いんだと思いました。小学4年生の頃のピアノの発表会では、私は会場の外にいたのですが、漏れてくる音だけで反田君と分かる。演奏中はホールに入れないのですが、とにかく上手な子が弾いていると、周りも聞き耳を立てていたのを覚えています」
反田さんが一躍脚光を浴びたのは、2012年。
当時高校3年生でしたが、日本の最高峰の舞台「日本音楽コンクール」のピアノ部門で1位になったのです。
その後、世界に活躍の場を広げ、各国のオーケストラと共演して数々のコンサートを成功させてきました。
そんな反田さんが、いつまでも納得できる演奏が出来なかったというのが、ショパンの曲です。
ショパンという高い壁に向き合おうと、4年前にワルシャワのショパン音楽大学に留学。
研さんを積み重ね、27歳となったことし、最後のチャンスとしてコンクールへの挑戦を決めたのです。
「僕もショパンが好きではあるけども、好きと得意は別で、納得できる演奏ができなかったんです。4年間で成長できたあかしを、ここで何か残せたらいいよなというのは、本当にいま一番強い思いですね」(反田さん)
小林さんがコンクールに挑むまで
小林さんは、前回のショパンコンクールにも出場し、本選に進んだ日本人唯一のピアニストです。
山口県出身の小林さんは、幼い頃から、その天賦の才能を開花させてきました。
小林さんを8歳から教えてきた二宮裕子さんは、演奏を初めて聞いたとき、年齢に似つかわしくない豊かな表現力に驚いたといいます。
「ある日、愛実のお母さんから娘を教えてくれないかという電話がかかってきました。年齢を聞いたら8歳というから、私は小さな子を教えていないので断ったんです。その後、私の教え子が出ているコンクールを見にいったら、とても小さな女の子が出てきて、それが愛実でした。椅子によじのぼって演奏を始めると、表現力がすごい。しかも速いところでも指が正確なんです」
当時8歳の小林さんは、高校生まで出場するピアノコンクールで見事に優勝。
二宮さんは前言を撤回し、レッスンを受け持つことにしました。
しかし、山口県からレッスンのため飛行機で東京に通えるのは、多くても月に2回。
この状況に限界を感じていた二宮さんは、夫が管理人を務めるマンションの一室が空室になると、そこの一部屋を防音室に改装しました。
一家を東京に呼び寄せ、連日のように小林さんを自宅に招いて特訓するようになったのです。
小林さんは、めきめきと腕を上げ、数々のコンクールで最年少記録を塗り替えていきました。
二宮さんは、当時の小林さんの天才ぶりに、手を焼いた面もあるといいます。
「私が弾いてやるでしょ、するとその真似は早いんですよ。そんなにやらなくてもというくらいオーバーに表現して、言った通りのことがすぐ出来るんです。本番前の最後の3日間で曲を仕上げちゃうので、全然練習してくれなくて困りました(笑)」
しかし、圧倒的なピアノの才能を持つ小林さんでも、前回のショパンコンクールでは入賞を果たせませんでした。
2回目の挑戦で、前回より順位を落とせばピアニストとしての評価に関わります。
それでも今回、前回の自分を超えたいと、出場を決めたのです。
「前回はただのファイナリストだったので、もう一回挑戦してもいいかなと。他のコンクールよりも、1番プレッシャーを感じるコンクールだと思います。リスクしか無いことは分かっています。でも、追い込まれると燃えてくる」(小林さん)
コンクール中の2人は
コンクールの間、反田さんと小林さんは、何度も声をかけあい、お互いを励ましあっていました。
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