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2026.04.03
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【熊本・鹿児島】地図を持たない気ままな旅 <<その3:薩摩川内へ編>>から続く

翌朝、みんなが出勤する頃に自分も出発するにゃ。
でもふと、「坊津は近いにゃ」という言葉を思い出して、進路を南へ変えるにゃ。
この選択が、なかなか刺激的な展開を呼ぶことになるにゃ。

加世田町に入ると、特攻隊の慰霊塔や案内板が静かに立っているにゃ。
知覧ほど観光化されていない分、空気の中にそのまま歴史が残っている感じがして、胸の奥が少しだけ重くなるにゃ。
町は穏やかで、人の暮らしが続いているのに、その背景には確かに過去があるにゃ。


※AIさんが描いた「吹上浜」

そこから野間半島を抜けて坊津へ向かうにゃ。
海を遮るものが何もなくて、まるで空と海がそのまま横に広がっているような感覚になるにゃ。
視線の高さと同じ位置に海があるって、なんだか不思議で、現実感が少しだけ薄れるにゃ。
こんな風景、自分の住んでいる場所ではまず見られないにゃ。
正直、かなり羨ましいと思ったにゃ。
このまま時間が止まってくれたらいいのにって、ちょっと本気で思ったにゃ。

でもこの日は、その気持ちをすぐに撤回することになるにゃ。
台風の影響で、横風が容赦なく吹きつけてくるにゃ。
ふっと強い風が来た瞬間、体ごとぐいっと押されて、気づけば反対車線に寄せられていたりするにゃ。
路面に意識を集中していても、風はまったく別の方向から攻めてくるにゃ。
コーナー手前で追い風が吹くと、思った以上に速度が乗ってしまって、予定していたラインが一瞬で崩れるにゃ。
慌ててブレーキをかけ直して、「ちょっと待つにゃ!」って心の中で叫びながら体勢を立て直すにゃ。

ほとんどバイクにしがみつくような状態で、腕にも肩にも力が入りっぱなしにゃ。
心の中は冷や汗だらけで、ヘルメットの中で変な笑いがこぼれそうになるにゃ。
でもその極限の中で、なぜか初心の頃の感覚がふっと戻ってくるにゃ。
「ちゃんと走るってこういうことだったにゃ」って、忘れていた何かを思い出させてくれる風だったにゃ。


※AIさんが描いた「野間半島から見た風景」

そんな緊張の道を抜けて、岬に近づくと木々が増えて、ようやく風がやわらぐにゃ。
まるで守られているみたいに、急に世界が静かになるにゃ。
道は細くなって、ゆっくり走るしかなくなるけど、その分ひとつひとつの景色が体にしみ込んでくるにゃ。

木漏れ日の中に、ちらりと見える海。
その一瞬のきらめきが、とても贅沢に感じるにゃ。
浅瀬は山の新緑を映して深い緑色になり、少し沖に目をやると、空の青を映して群青色へと変わっていくにゃ。
そのグラデーションがあまりにもきれいで、アクセルを開ける手が自然とゆるんでしまうにゃ。
空には白い雲がぽつりぽつりと浮かんでいて、時間がゆっくりほどけていく感じがするにゃ。
その光景に、昔見た映画の「群青」がふっと重なって、少しだけ胸がきゅっとなるにゃ。


※AIさんが描いた「野間半島から見た風景」

野間半島は、ただ通り抜けるだけじゃもったいない場所にゃ。
たとえば野間岬は、東シナ海を一望できる絶景のポイントで、天気がいい日は水平線がどこまでも続いて見えるにゃ。
夕方になると、海がオレンジ色に染まっていく様子がとても幻想的で、時間を忘れて見入ってしまうと紹介されていたにゃ。

鑑真記念館のあたりでは、中国から渡ってきた鑑真和上の歴史に触れることができて、この静かな海が昔から人の行き来の舞台だったことを感じられるにゃ。
海を見ながら、はるか昔の航海に思いを馳せると、今走っているこの道もまた、歴史の流れの一部に思えてくるにゃ。

さらに坊津秋目浦あたりまで足を伸ばすと、入り組んだ海岸線と透明度の高い海が広がっていて、まるで南国の入り江みたいな雰囲気になるにゃ。
波も穏やかで、時間がゆっくり流れている感じがして、さっきまでの風との戦いが嘘みたいに思えるにゃ。


※AIさんが描いた「ツーリング中のバイクと風景」

予定はすっかり狂ってしまったけど、それもまた旅の味にゃ。
思い通りにいかないからこそ、こういう景色や体験が深く心に残るにゃ。
あの風も、この静けさも、全部ひっくるめて今回のツーリングだったにゃって、しみじみ思いながらアクセルをそっと開けたにゃ。

この指宿スカイラインがまた楽しいにゃ。
ぐいっと登って、ひらりと曲がって、またぐいっと登る。
リズムよく続くワインディングに、体とバイクがぴたりと合ってくる感覚がたまらないにゃ。
さっきまで風に振り回されていたのが嘘みたいに、今度は自分の意思でラインを描けるにゃ。

コーナーの先がちらっと見えた瞬間にアクセルを開けて、次のカーブへ体を預けるにゃ。
まるで道と会話しているみたいで、「次は右だにゃ」「ここは少し我慢だにゃ」なんて、頭の中で独り言が増えていくにゃ。
景色もまた贅沢で、山の稜線の向こうにちらりと見える海や、遠くに広がる街並みが、走るたびに違う表情を見せてくるにゃ。
走って楽しい、見て楽しい、まさにツーリングのごちそうみたいな道にゃ。

そのまま鹿児島市内に入ると、桜島がどんと姿を現すにゃ。
プリンみたいに丸いシルエットがかわいらしいけど、この日は噴煙もなく静かで、少しだけ物足りない気もしたにゃ。

その後、谷山ICから高速に乗って横川へ向かい、霧島へと続く道へ。
こうして振り返ると、風に翻弄されて、道に遊ばれて、それでも笑いながら走り続けた旅だったにゃ。
でもにゃ、その全部がちゃんと体に残っていて、「また走りたいにゃ」って思わせてくれるのがツーリングの不思議なところにゃ。

<<つづく>>





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最終更新日  2026.04.04 09:52:53
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