家曜日~うちようび~

家曜日~うちようび~

2018.02.11
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​​うっ!・・・うらやましい。​​

喉の奥から、うめき声、こぼれる程に・・・。

そもそも、土地なんて親がポーンとタダでくれたよ!なんちゅーご夫婦がいるらしい。

おぇ!・・・うらやましい

胃の奥底から、酸っぱい嗚咽、出る程に・・・。

更に、新築祝いに、親から「何に使ってくれてもいいよ」なんつって、何十万という現金を頂くご夫婦がいるらしい。

はがっ!・・・うらやましい。

アゴ外れ、よだれダラダラ、垂れ流す程に・・・。

僕の実家なんてよぉ~、貧乏で、貧乏で・・・。

妻の実家はいわゆる中流の家庭でしたが、
妻が高校生の時に、新築の戸建住宅をご両親が購入されたりしていて、
今も住宅ローンが残っていたりして、決して裕福な経済状況ではなかったし・・・。

そんなんだから、僕が35歳で土地を購入して、新築の戸建住宅を建てた時も、

当然の如く、親からの援助なんて、1円も無い!

ゼロだ!バカヤロー!

購入前は、ローンの頭金貯める為に、妻のU子さんが、滅茶苦茶生活切り詰めたっつーの!

「節約生活」という名の、妻の苛烈かつ暴力的な「恐怖政治」が執行されたっつーの!

​「水ぐらい飲ませろ!」​ ​つって、毎日妻に訴えかけたっつーの!

まぁ。うちに限らず、親の援助無しで住宅を購入されている、たくましいご夫婦はいくらでもいるしな。
マイホームは、裸一貫から、夫婦の力で築き上げるのが、当たり前っちゃー、当たり前か。ひがむな。ひがむな。

そもそも、住宅を購入するだけの経済力のある大人になるなんて、過去の僕の境遇を思えば、今でも夢のようなことだし、
莫大な住宅ローンを組んだけど、その住宅ローン審査も、小細工なしで一発で通過するだけの年収は当時既にあったし、
どこの馬の骨とも知らぬ、小汚い高卒のガキを、何故か会社に雇い入れてくれて、
毎日馬車馬のようにこき使って、どんどん取り立て、給料も急速に上げてくれて、
僕が子供の頃想像していた「人並みの生活」、いや、それ以上の「今の生活」を与えてくれた、
今の僕の会社の社長に、心から感謝せねば。

​社長!あざぁーーーーーーす!


我が家のリビングにある、ドライフラワー。 妻が生花からつくったもの。


僕は、子供の頃、生花を逆さ吊りにして、カラカラに干からびさせて、
それを鑑賞するというドライフラワーが、なんだか不吉なものに思えてなりませんでしたが、
今は、そんなことありません。単純に、綺麗なものであるよなぁ、と思いますよ。



さて、先に述べたように、
Q輔とU子にも、マイホーム購入に向けて、ばりばりの節約生活していた頃がありました。

まぁ、うちの節約生活の主導権は妻にあって、
僕は妻の下僕のように、妻に従っていただけなのだけれど。

僕の妻の節約の基本方針を、僕なりに分析すると、

お金は、使うために、ある。
つまり、あれば、使ってしまう。
逆に言えば、なければ、使いようがない。

って感じかなぁ。

だから、節約生活といっても、うちの実施法は単純明快で、

①必要最小限のお金だけ家に置く。
②必要最小限のお金だけ持ち歩く。
③「何かあった時の為のお金」は持たない。何かあった時は、何かあった時に、考える。

あとの残金、全部、銀行。
金庫の鍵を、川に投げ捨てるような気持ちで、銀行に預ける。
いっそ、預けたことすら、忘れるよう努める。

そうすると、いつの間にやら、お金、貯まってましたね。

つっても、僕は、U子さんの指示に、雑ぅ~に従っていただけっすからね。
実際に、家庭経営の事細かなやりくりをしていた妻は、当時、大変だったろうなとは思う。
まぁ、今も大変か。毎月、給料明細すらマトモに見ない夫ですからね。ダメだこりゃ。

さてさて、先程、 ③「何かあった時の為のお金」は持たない。何かあった時は、何かあった時に、考える。
と書きましたが、実際に、 「何かあった時」があって、金がなくて、少々困ったっつー事が過去にありんした。

約10年前の話。
買った車にリコールがかかったので、部品交換作業の日程をディーラーと決めて、約束の日に夫婦で納車。
作業前の簡単な手続きの場で、店員さんが僕達夫婦に言った。以下、店員と僕達夫婦の会話。

(店員)
部品交換作業に合わせて、この度のリコールに対する謝罪の意味も込めて、
オイル交換を材工2千円でさせていただきますが、いかがいたしましょう?

(Q輔)
え?嘘?オイル交換、2千円!安っ!
おい!U子!やってもらえ!2千円、払え!

(U子)
え?・・・そんなお金無い。

(Q輔)
はっ?2千円ぐらいあるだろ!

(U子)
無駄に持ち歩かないルールでしょ。
今ちょうど、2千円あるけど、それは、部品交換作業中に、隣のパスタ屋さんで、
あんかけスパ食べて時間潰そうって、あんたが言うから、わざわざ持って来たお金だがね。
オイル交換したら、昼飯抜きだよ。

(店員の顔)
おいおい、大丈夫かぁ、こいつら。

(Q輔)
あんかけスパ、絶対喰うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!
白身フライと目玉焼きトッピングぅぅぅぅぅ!

(店員の顔)
・・・知らねーよ。

(U子)
じゃあ、あんた、お金貸してよ。

(店員の顔)
さっさとしてくれ、忙しいんだ、こっちは。

(Q輔)
ちっ!しょうがねぇな、ったく・・・。
(財布をまさぐる、でも、僕、当時、自分の小遣いを、ほとんど煙草につぎ込んでいたので)
ごめん、現在、所持金、 23円。

(店員の顔)
おい、おい、おい。

(U子)
はあ、23円?
きょうびチロルチョコも買えんよ!

(Q輔)
うるせっ!て言うか、テメーだって、きょうびの大人が、何で2千円ぐらい持ってねーんだ?!

(店員の顔)
いや、お前こそ何で持ってねーんだ?!

(Q輔)
恥ずかしくねーのか!

(店員の顔)
お前が言うな!23円!

(Q輔)
あんかけスパか、オイル交換か・・・。
(僕は、考え事をすると、両手の親指をこめかみに押し付けてグリグリする癖があって、
 この時も、机に肘をつきながら無意識にグリグリしていたみたい)

(店員の顔)
あらら、頭抱えて悩み始めちゃたよ!

​​(U子)
あ、あんた!大丈夫!しっかりして!

(店員の顔)
うわぁ、励ましてる、肩揺さぶったり、背中さすったり、たかが2千円で、絶望の淵。

・・・結局僕は、目の前の店員に
「僕達は、あんかけスパを、選びます!」
と強く言い放って、店を出た。


あーあ、オイル交換、2千円、惜しかったなぁ、まぁ、しゃーねー。
美味しいあんかけスパを食べ終わった頃には、部品交換作業は終了していることだろう。
とか思いながら、隣のパスタ屋さんの入り口に入りかけた刹那、妻が突然叫んだ!

(U子)
ある!2千円ある!
あたし!財布の隠しポケットに!こっそり、へそくり2千円入れてんの思い出したぁーー!

(Q輔)
な、何!隠しポケット!へそくり!
うーん、聞き捨てならんが、この場は、でかしたぁーー!

U子さん、財布の中の、びっくりするぐらい小さいポケットから、

びっくりするぐらい何重にも折りたたまれた千円札2枚を取り出し、

僕達夫婦は、大慌てで、そのディーラーに舞い戻った。

(Q輔)
ありましたぁーー!2千円!ありましたぁーー!

片手に、クッシャクシャの2千円を握りしめて、

まるで、ドラマのクライマックスシーンのスローモーションのように、

実際は、ちょこまかと、無様な小走りで、

満面の笑みで自分に駆け寄ってくる、

僕達、馬鹿夫婦を見て、

店員さんは明らかに、

​二・三歩、後ずさり、
してました。
​ほっぺ、ひくひく、
してました。


おいおい、店員さんよ、そんな顔するもんじゃねーよ。

こっちぁー、節約生活してんだっつーの。

まぁ、節約みたいな、みみっちい事は、とにかく楽しくやるに限る。

だからこの時も、僕達夫婦、店中に響き渡る声で店員さんに言いましたよ。

オイル交換!
して下さい!

偶然にも、ぴったりと、声は、そろって。



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最終更新日  2019.01.01 18:39:56
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