家曜日~うちようび~

家曜日~うちようび~

2018.04.01
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げげっ!
弁当に箸がない!


ちっ、またかよ、ったく、なんでかねぇ~。

僕の妻はね~、

ちょいちょい弁当に箸を入れ忘れちゃうのよね~。

これって、愛妻弁当あるある?


​​近くにスーパーもコンビニもないような、

田んぼの真ん中にぽつんとある現場の日に限って、

・・・箸がない。


昼休憩も無しで働かなきゃいけない忙しさの中、

かろうじて時間を割いて、なんとか弁当が喰えるって時に限って、

・・・箸がない。


​​
都会では自殺する若者が増えている、

今朝来た新聞の片隅に書いていた、

だけども、

問題は、

僕の弁当、

​​ ​​​​​ ・・・​​​​​​​箸がない。
​​

「工房アイザワ」のお弁当箱です。妻と僕のお気に入りです。
しっかりした造りで、持つとやや重めです。
この弁当箱で食べると、ご飯が本当に美味しいっす!そこいらの弁当箱とは全然違うっす!
なんだろう?冷や飯がより甘くなるっつーか、うま味が逃げないっつーか。そんな感じ。
上手く説明出来ませんが、個人的には、とにかく騙されたと思って一度使ってみて欲しい逸品。



さて、

今回は、Q輔とU子の、とある晩ごはんのお話。

いつものように家族4人そろって、食卓に座り、
「いただきまーす」と、妻の手料理を食べかけた、その時、

げげっ!
食卓に僕の箸がない!

僕の妻は、昼の弁当に箸を入れ忘れることでは飽き足らず、晩ごはん
の食卓でもちょいちょい箸を出し忘れるんです。
まあ、今日に始まったことじゃねーんだけどね。
いつもは、子供の箸は出てんだけど、妻と僕の大人の箸をうっかり出し忘れてるって感じなんだけど・・・。

今日は、

僕の箸だけありゃしない!

U子さんの料理は、決して多彩なバリエーションがある訳では無く、
また独自のアイデア料理とか、アレンジ料理とか、性格的にあり得ないタイプなのですが、
典型的なA型の女子らしく、どの料理もレシピどおり、グラム数、時間、温度、などを厳守してつくる為、失敗が少なく、
びっくりするほど美味しい料理ではないが、いつも普通に美味しい料理で、実に 「手堅い料理」 であって、僕は大変好きです。

だけども、

問題は、

今日の晩ごはん、

・・・​​​​​​​箸がない。​

U子さんは、結婚当時も今も、夕方に料理の仕込みのみ済ませておいて、
僕が帰宅して風呂に入っている間に、から揚げを揚げる、野菜を炒める、ハンバーグを焼く、
といった料理の仕上げを行い、常に僕に出来立ての料理を出すよう努めてくれます。
最近は、食べ盛りの子供にさっさと飯を喰わせなければならぬという状況の中でも、
なんとかして、僕に出来立ての料理を食べさせようと試行錯誤してくれているようです。

出来立ての料理には、 「作った人の念」 というか、 「料理の本領発揮期間」 というか、
とにかく凄くパワーがあって、僕が同世代の人間と比べて、まだまだ活気があり、あまり病気をしないのも、
そういった妻の 「パワーみなぎる食生活」 のおかげだと思っています。

だけども、

問題は、

今日の晩ごはん、

​​​​​ ・・・​​​​​​​箸がない。​

いつもはねぇ~、「あのぉ~、君と僕のお箸ないけど?」なんつって僕が聞くと、

​​「あ!ごめぇ~ん!あたし座っちゃったからぁ~!もう動けないからぁ~!オメェ、取ってきっ!」

なんつって、到底理解しがたい命令を受け、結局僕がキッチンにお箸を取りに行く羽目になるのだけれど・・・。

もうこうなったら!

今日という今日は!

僕、喰ってやろうかと思って!

お箸なしで、晩ごはん!

妻が、手づかみで晩ごはんを食べる僕に気が付いて、 「あ!ごめん!箸がない!」 つって、
大慌てで箸をキッチンに取りに行くまで、少なくとも僕の口から 「箸がない」 とは絶対に言わねーぞ!
こうなったら勝負じゃ!妻と僕、先に 「箸がない」 と言ってしまったほうが負け!
そう!これは!自動車を崖の端にフルスピードで走らせ、どちらがぎりぎりまで脱出を我慢できるかを競うチキンレース!
そう!これは!Q輔とU子のチキンレース!
そう静かなる決意をした僕は、「理由なき反抗」のジェームス・ディーンのように妻を睨み据えた。

今日の晩ごはんのメニューは、鳥の手羽元のから揚げ、サラダ、納豆、ご飯、味噌汁、他。
僕は先ず、アクセル空ぶかしがてら、手羽元のから揚げを手づかみでムッシムッシと食べ始めた。
1こ、2こ、と食べたところで、妻が一言、
「ちょっと、一人3こまでだからね!」
ふん!いつまでそうやって気が付かずにいられるかな?
「ああ、そこのお手拭き使ってね」
おお、なるほど、そう来たか。まあ、手羽元のから揚げだからな・・・。
まあ見てろ、今にほえ面かかせてやる!

次に僕は、徐行がてら、大皿に盛りつけられたサラダの、プチトマトに手を伸ばした。
プチトマトを手づかみで口に放り込み、ヘタを取り出し、
マヨネーズとドレッシングがベッタリついた指で、これ見よがしにトマトのヘタを大皿の端っこに置いた。
さあ、妻よ、気が付け!
「ちょっとぉ、汚いじゃん!・・・」
そうだ!この指を見よ!箸がないからな!
「・・・ヘタ、皿に戻さないで!」
そっちかいっ!

こりゃ、なかなか手ごわい相手だぞ。よーし、一気に加速してやるぜ!
僕は、意を決し、熱熱の味噌汁の中に指を突っ込み、ワカメを食べることを試みた。
味噌汁の中のワカメ、超熱いし、ぬるぬるだし、上手くつかめねー。
熱っ!熱っ!おおおおおお熱っ!妻の視線を僕の手元に向ける為、僕は大声で叫んだ。
「ああ!ごめーーーん!・・・」
・・・勝ったな、この勝負。
そうだよ!箸がねーんだよ!
さあ!言え!「箸がない」と言ってくれ!

「・・・髪の毛入ってた?」

そ、その手があったかぁーーーー!


そうかよ!分ったよ!こうなりゃ崖っぷちまでフルスピードだ!

見ろ!アクセルべた踏みだ!

見ろ!時速130キロだ!

見ろ!納豆手づかみだぁーーーー!

僕、パックの納豆を指でねっちゃねっちゃ。


その時、僕の目の前に座っていた次女がおもむろに言った。

「あ、パパのお箸、お姉ちゃんが使ってる」

・・・えっ?

​​ マ、マジ?

​​
本当だ、長女が、 僕の箸使って自分の納豆混ぜてる。

P子、なんでパパのお箸使ってるの?

「ああ、これ?そこに箸があったから・・・」

​お前は登山家になれ!
​​
「てか、あんた何してんの!」

妻の叫び声と同時に、 家族の視線は一斉に、
納豆を手でねっちゃねっちゃし続けている僕の手元へ。

・・・ああ、これかい? ははは、こ、これはね、
「ネバネーバ」といってボルネオという国に古くから伝わるおまじないのひとつでね、
幕末にボルネオに漂流した腐山豆蔵(くされやま・まめぞう)というお侍が日本に持ち帰り・・・。

家族の眼差し、白っ!

僕、崖っぷちを止まることなく猛スピードで。

ああ!谷底よ、奈落の底よ、こんにちは。


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最終更新日  2019.01.06 18:45:31
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