家曜日~うちようび~

家曜日~うちようび~

2018.05.03
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祝!世界「妹」選手権、三年連続チャンピオン!

これ、次女のOちゃんが3歳になった時、保育園からOちゃんに贈るお誕生日のプレゼントに、
是非、保護者からのメッセージを添えて下さいって頼まれて、僕が次女に書いたメッセージ。
妻曰く、保育園の先生一同、首傾げてたらしい。頭から、煙一本くゆらしてたらしい。わはは。
なんかね、そんなあり得もせぬ大会、開催しちゃおかなってぐらい、次女の 「妹力」 高っけー高っけー。
グズで、甘えん坊で、ワガママで、そして可愛くってたまんねーの。
最近「妹」としての貫禄が出てきちゃってさ、思わず 「姉御!」 って呼びそうになるもん!ははは。


我が家のリビングの照明は、妻の超お気に入り。


その名も「凸LAMP」。
僕みたいなインテリア素人に、わざわざ説明されずとも、
みなさん、わぁーっとるわ!しっとるわ!って感じっすかね?


え~、突然ですが、会社の僕の部下に、

部長、聞いて下さい。
これまでの自分の人生を、大河ドラマのような、ひとつのなっが~い物語として振りかえった時、
自分の人生の筈なのに、自分がいつも脇役として登場するんです。
未来を想像してみても、想像は自由の筈なのに、あらゆる場面で何故か自分は脇役なんです。
って相談して来た奴がいます。
なんか、深いね・・・。
いや~、世の中、いろんな人間がいるもんっすね。


ネットで調べたら「時代に左右されない、普遍的で斬新なデザイン」って紹介されてた。
なるほど、その通り。補足説明一切いらんね。



・・・さて。

僕には2歳年下の妹がいます。

どんな妹かと言いますと、上記の僕の部下のような人間とは真逆の人間で、
自分の人生、自分を舞台の中心立たせて生きられる女性です。
たまにいるでしょ?
我が人生、脇役要らず、ほぼほぼ一人芝居!その世界観、宝塚歌劇団ばりのミュージカル調!
みたいな、ちょー面倒くさい女。
うちの妹、それです。とほほ。

幼い頃から貧乏で、思春期に親が離婚して、末っ子なので何するにせよ三番手・・・。
妹は「一刻も早くこんな家出たい!」と、いつも口癖のように言っていた。自分の惨めな人生を打破したかったのだろう。
事実、妹は高校に入学したものの、数か月で辞めてしまい、住み込みで働くと言って、さっさと家を出て行った。
数年後、ある日突然、お腹を大きくして帰って来た。「赤ちゃん出来た。結婚する。」とのこと。
相手は、家柄の良い、真面目で、優しい、妹より10歳年上の男性でした。
この頃、妹は、ガリレオ・ガリレイが唱えた「地動説」の時空を自力でビリビリッと切り裂き、
「自分を中心に世界はまわっている」とする「天動説」のパラレルワールドに入ったのだろう。
現に、ご主人は、妹のあらゆるワガママを聞き入れてくれる人だし、
その働き者のご主人のおかげで、妹は結婚してからずっと専業主婦で、裕福に暮らしとるがや。
また、2児の男の子に恵まれ、その子供たちが妹に似ず、すんげー勉強の出来る子に育っとるがや。
全ては 「今に見てろ!絶対幸せになってやる!」 という妹の怨念のなせる業ですな。

そんな「いつ何時も自分が主役」の僕の妹、通称、ミーちゃん。

以前、大勢の人の前で 「ミーちゃんの人生劇場ミュージカル」 を大々的に演じ過ぎ、まわりをドン引きさせたことがあります。

それは四年前、母の葬式の日・・・。

四年前、母は仕事帰りに車に撥ねられて死にました。
未明に警察に呼ばれた僕が、「本人です」と、はじめに遺体を確認しました。
追って、姉と妹が駆け付けましたが、母の遺体を見た妹の取り乱し方は尋常でなく、
傍らにいた警察官が、その場に泣き崩れる妹を、ずっと支え続けてくれていました。

無理もない・・・。
僕だって、どうにかなっちまうぐらい悲しい。

その場で僕は葬儀屋を探して連絡、遺体を引き取りに来た葬儀屋と一緒に、明け方葬儀会場へ移動。
次に僕達が母を見た時、母は棺桶の中でした。

お母さん、何で?何でこんなとこに入っているの?

少々錯乱気味の妹は、棺桶にしがみ付いて泣き続けていました。

無理もない・・・。
僕だって、受け入れ難い現実だ。

そこから、喪主の僕は、とにかく忙しかった。
葬儀屋との打ち合わせ、役所への手続き、自分が会社を休む為の緊急対応など、悲しんでいる暇がなかった。

かたや、ミーちゃんは、

お母ざぁーーん!何でぇぇーー!何でこんなとこ入ってるのぉぉぉぉーーー!

・・・さっきより、熱入ってる。

無理もない・・・。
・・・ちゅうか、ぼちぼち、うざい。

終始ドタバタしている僕の横で、ミーちゃんは、一日中母の棺桶にしがみ付いて泣き暮らしていました。

翌日の通夜式の最中も、

お母ざぁーーん!何でぇぇーー!何で箱の中に入ってるのぉぉぉぉーーー!

つって、祭壇の母を指差してむせび泣くもんだから、まわりの参列者にはもらい泣きする人とか大勢いてさ。
まあ、そんな中、僕の妻のみ「ちょっと、おたくの名女優、大丈夫?」なんつって、もう半笑いなのね。
でさ、僕もだんだん可笑しくなってきて、「はーい!カット!って言えばやめるかなぁ」つって小声で。ははは。

通夜式の後も、 「何で?何でお母さん、箱の中?」 つって流石にうるせーから、
僕、おもむろに棺桶開けて、妹の前で母を指差して、

​​​ ​​ ほら、よく見ろ!
おっかあは死んだの!
人は死んだら棺桶の中っ!以上!

​​つってさ・・・。

そしたら、ミーちゃん、何故か突然落ち着いたみたいで、いったん家に帰って大量の洗濯物とアイロン持って来て、
やることないからつって、控室でアイロン始めちゃってさ、ふーんふーんって鼻歌とか歌いながら。

んで、もう大丈夫かなと思ったら、翌日の本葬の時、

何でぇぇーー!何で箱の中に入ってるのぉぉぉぉーーー!

いかん!ま~た死人が棺桶に入ることに疑問を抱いとる!

僕の妻なんか「あれ?おたくの名女優、昨日鼻歌まじりでアイロンかけてなかった?」つって半笑いなのね。
僕も「カメラどこかなぁ」つって小声で。ははは。​


さて、葬儀の最後は、遺族・知人が故人に花を手向けて、最後のお別れ。
そして、棺桶を閉じた以降は火葬場へ直行、もう母の顔は見れません。
棺桶を閉じるタイミングは、葬儀屋との事前の打ち合わせで、喪主の僕が、司会者に合図することになっていました。

この時 「ミーちゃんの人生劇場ミュージカル」 も、まさにクライマックス!
泣くわ!喚くわ!葬儀場は、そりゃもう大騒ぎさ!
その錯乱ぶりが、僕ではもう手に負えないので、近くにいた妹のご主人を呼んで、
「お願いですから、妹を黙らせて下さい!」つって、僕、強くお願いしたのね。

「了解しました!」つって、ご主人、大慌てで妹のところへ行って、

​​ぎゅーっ。

ってお尻をつねってました。

​やり方が、雑だなっ!​

​​​​​​​​​んで、やられた妹はというと、

​​ ​お母ざぁーん!​ ​​ ・・痛い痛い痛い​。

効いてるっ!

獣の調教度高めーっ!

んで、妹がちょっと静かになったと思ったら、
この日、姉の計らいで特別に参列した父が、棺桶の中の母に別れのチューをしてやがる!

チューはやめろっ!

つって、僕、父の首根っこ掴んで、母から引き離して。
父の口には、べっとりと母の口紅。

​​ お母ざぁーん!​ ​​

げっ!妹、復活!​

生きるのよ!お母さんの為に、
あなたが立派に生きるのよ!

妹の様子に感極まったどっかのおばさんが、妹の背中をさすりながら一緒に泣いとる。

てか、あんた誰?

ぶっちゅー。(父)

だから、チューはやめろって!

​​ ​お母ざぁーん!​ ​​

やべっ!妹、リベンジ!

ご主人ーー!お尻ーーー!

「了解しました!」

​​ぎゅーっ。

​​​​​​​​​・・・痛い痛い痛い​。


やっぱ、効果てきめん!


​​ふー。もう、駄目だこりゃ。


そう判断した僕は、隣にいた妻のU子に、「おい!ありったけの花、全部持って来い!」つって、
カゴの花、母の棺桶に、かたっぱしから 「おらぁー」 つって、バケツの水ひっくり返すみたいにぶっかけて。
最後のセレモニー、5分も経ってないのに、司会者に向かって、 (棺桶閉めて!) と目で合図。

司会者、 (マジ?) と目で合図。

僕、 (マジです!) と目で合図。

司会者、 (嘘でしょ?) と目で合図。

ちっ。

僕、大きく深呼吸して、

司会者に向かって大音量で、

お願いですぅぅぅぅー!
はやく棺桶閉めてぇー!

会場、一瞬、凍り付いて。



僕の、かわいい妹よ。

兄ちゃんは、少々疲れたよ。


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最終更新日  2018.05.03 15:53:19
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