暑い!暑い!暑い!暑いってんだコンチキショー!異常な暑さにゾッとするわ!悪寒がするわ!
まったく、僕の住む愛知県の暑さ、連日、半端ねーぞバカヤロー!
ちゅう訳で、我が家は、サンルームに家庭用のプールを出して、水遊びっすわ。
うちのプールはイージーセットプールといって、空気入れ不要のやつでーす。
近所のホームセンターやデパートで、ころごろ売っているやつでーす。
以前紹介したマルチシンクの湯栓から、プールにぬるま湯を入れます。
うーん、まだ、1割ぐらいしか入ってねーな。これ、結構時間がかかんだよね~。
うーん、やっと3割ぐらい入ったかなぁ・・・、
って、もう、ガキ、入ってるし!
ぎゃはははははははは!
超浅っせー!でも潜っとる!
ぶおお!かろうじて泳いどる!
そこはかとなくバカンス気分!
え~、さて、今回は、
唐突ですが、家系だとか、血統だとか、ルーツだとかのたぐいの話。
まだ20代の頃だったと思う。酒の席で、何気に「家系自慢」を始めた友達がいた。
自分の家系は、代々なんたら藩の奉行職で、なんたらの戦いで大きな手柄をたて、うんぬん。
へ~、そっかー、そっかー、そうなんだー。
そしたら、そこにいた他の男友達、女友達、まあ、その場のノリで、
どいつもこいつも、負けじと、自分のとこのルーツを語りはじめちゃってさ。
うちの母方の先祖が、徳川家の旗本だった、うんぬん。
私の家系は、かつて信長に仕えたなんたら家で、かんぬん。
俺のルーツは源氏、代々伝わる家系図を紐解くと、なんたらかんたら。
あら、いやだ!びっくり!
みんな、おいそれと酒など酌み交わせるお立場ではない血統の末裔なのね。
オラぁ、なんだか恐れ多くなってきただよ、オラみたいなもんが、こうして高貴な出自のあなた方と、
今宵この場末の居酒屋で、一緒に低級酒をちびちび舐めながら、「あたりめ」をしゃぶっていてもよろしいのかね?
しっかし、あれだな、愛知県に昔から住んでる土着の人たちは、信長、秀吉、家康の三大英傑がらみの家系自慢が多いよなあ。
「先祖は、しがない足軽でした」とか「先祖は、水飲み百姓でした」なんて言う人に、会ったことねーんだよなぁ。
ほんとに、昔の日本に「平民」って存在したのかよ?どいつもこいつも、先祖は「偉人」なんだよなあ?
なんてこと考えながら、一人黙って日本酒のぬる燗を何杯も呑み、腐って腐って腐り果てていたらば、
「Qちゃんは?」
と、そのうちの女友達が、僕に訊ねてきた。
「Qちゃんのルーツは?」
僕のルーツ???
え~っとぉ・・・。
僕の家系は、愛知県の土着の民ではないのです。
僕の父は、福岡県福岡市生まれ。僕の母は、千葉県館山市生まれ。
父と母は、当時いろいろあって、就職先の東京で知り合い、
その後、本当にいろいろあって、愛知県名古屋市に「駆け落ち」して来たらしい。
そんなんだから、双方の親族とも、僕の家族はずーっと疎遠だったし、
そんな両親の馴れ初めをかろじて知っているぐらいで、
あとは、 自分のルーツなんて、微塵も知んねー。
だた、まあ、「家系自慢大会」の発言の順番まわって来ちゃってっからさ、
とりあえず、なんか言っとけーって状況だからさ、
えーっとぉ~、
僕のルーツはぁ~、
初めて二足歩行した猿でーす。
つったらさ、
まわり、びっくりするぐらい白けちゃって。
いやいや、おめーらの先祖なんか比じゃねーほど、偉大じゃね?
「・・・てか、Qちゃん、そういうのいいから・・・」
あら、そう?
んじゃ、僕のルーツはぁ~、
初めて陸に上がった魚だ。
「・・・いやいや、面白くない!荒唐無稽!」
んじゃ、僕のルーツはぁ~、
さかのぼること43億年前、地球上で初めて、
光合成をしたバクテリアだ。
「・・・だから!それ!ただの誇大妄想だってば!」
なんかその娘、突然キレて、いきなり僕に「枝豆の皮」投げつけてきてさ、
こっちも、反射的に「おしぼり入ってたビニール」投げ返して、ふわっと応戦したりして、
な~んか、険悪なムードになっちゃって、
その日は、お開きになっちゃって・・・。
それから、へべれけに酔った僕は一人、千鳥足で駅に向かって歩いた。
なんだか、とても不愉快だった。
ったくよぉ~、江戸時代には、ニセ家系図が大流行したというじゃねーか、コンニャロー。
武士の中には、没落した名家の家系図を金で買う奴がいたっていうじゃねーか、バッキャロー。
先祖代々の言い伝えだって怪しいもんだろう?
先祖の事実に、後世が一代につき、ほんの一割だけ美談の着色をして言い伝えたとして、
それが十代も続けば、もはや原型をとどめぬ100%でっち上げのホラ話になんじゃねーのか?
だいたいよぉ~、さかのぼって自慢してよい歴史はいつまでだぁ?線引きがあるならおせーて!
江戸時代か?戦国時代か?源平の頃までなら常識の範囲内か?縄文・弥生時代あたりは、誇大妄想か?
僕のルーツは、初めて二足歩行した猿!これ!紛れもない事実!
信憑性がないのは、どっちだ! 荒唐無稽なのは、どっちだ! 誇大妄想なのは、どっちだ!
悪酔いしたらしい。
途中、道端にしゃがみ込んで、しばらく休んだ。
青白い月がでていた。
なんだか馬鹿々々しくなってきたので、考えるのを止めた。
さて、
ま、自分のルーツが、どううたらこうたらなんていう、そんなショボくれた話はどうでもいいとして、
「先祖がいたから、自分が今ここに存在している」
という、あったり前の事実を、あったり前に踏まえるとね、
僕には、ごく自然に湧いてくる感情があるのです。
生きることの厳しさに、心を病む人、引きこもる人、道を踏み外す人、自殺する人、自分は弱いと嘆く人、
そんな人たちの、辛い人生の顛末を見聞きするたびに、思うのです。
我々の先祖はね、その長い長い歴史のなかで、幾度となく彼らを襲ったであろう、
たくさんの「いくさ」や「戦争」のなかを、生き延び、
たくさんの「天災」や「飢饉」のなかを、生き延び、
たくさんの「苦悩」や「苦労」のなかを、生き延び、
そのなかで、人を愛し、愛され、後世に子孫を残したという、
血統の誰一人欠けることなく、運も才能も実力も兼ね備えた 「めちゃんこ強えー人たち」
なのだよ。
荒唐無稽と笑うかい?
誇大妄想と嘲るかい?
僕たちが今、ここに存在しているのが、何よりの証拠だよ。
そして、その末裔の僕たちも、然り。
「めちゃんこ強えー人」
の筈だっちゅーのっ。
たはは。
まあ、頑張って生きなきゃね。
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