家曜日~うちようび~

家曜日~うちようび~

2019.09.08
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テーマ: IKEAを楽しむ(196)
ちっす、Q輔っす。

え~っと、突然ですが、

僕ねえ。

「童心に返る」 とか、

「子供のままの大人として」 とか

「子供心を忘れたくない」 とか、

この手のフレーズを見聞きすると、昔っから妙な違和感を禁じ得ないのよね。

自転車乗ってたらヤブ蚊が目に入って、

慌てて水道で洗い流したけど、まぶたの裏、まだ何かゴロっとしてる。

みたいな。

心にそんな、ゴロッとした、妙な違和感。

思えば、僕達は子供の頃、「早く大人になりたい!」と思い続けていた筈ではないかい?

少なくとも僕は、毎日、毎晩、「一刻も早く大人になりたい!」と思っていた。

思春期の頃なんか「一分でも早く、いや一秒でも早く大人になりたい!」と願っていた。

大人になれば、好きな物を買って、好きな物を食べて、好きなことが何だって出来る。
大人になれば、もう大人に叱られることはない。大人になれば、もう大人に頭を下げなくていい。
大人になりさえすれば、大人が勝手に決めた理不尽なルールーに縛られなくていい。
大人になっちまえば、こっちのもんよ! 大人になれば、きっと世界が変わる! 

と、中学校の薄汚い机にうっ伏しながら、日々妄想を、はちきれんばかりに膨らませていた。

だって、当時の僕等の学校生活は、教師たちの理不尽な行動に、満ち満ちていたのだから。



これは、IKEAの物干しラック。僕の妻の、雨の日のお洗濯の必需品ざます。




晴天の日は、洗濯機と壁とのデッドスペースに、すっぽり収納してありんす。


中学に入学したての頃、
まだチンチクリンの学ランを着て学生帽を深々とかぶり、僕が意気揚々と登校していると、
正門のところで、ある教師にすれ違いざま学生帽のつばを掴まれ、頭をぐいっと乱暴に引き寄せられた。
「お前、○○の弟か?」
教師は姉の名前を出した。二歳年上の僕の姉は、当時地元で有名な札付きの不良だった。
「・・・はい。」
僕がそう答えると、しばらく教師は僕をじっと睨み据えていたが、次の瞬間突然僕をビンタした。
もう何がなんだか、突然の出来事に状況が把握出来ず、僕がただ頬をおさえ立ち尽くしていると、
教師はおもむろに一言、 「邪魔だ!行け!」 と言った。


ある朝、僕の親友のかっちゃんが、
昇降口のプランターに水を撒いていた教師の、その水道のホースを、うっかり踏んでしまったことがあった。
ただそれだけのことであったが、その教師は壊れてしまったかのように憤怒し、
登校する大勢の生徒が何ごとかと足を止めるほどの大声で、かっちゃんを猛烈に罵った。
興奮した教師は、手にしたホースの水が、かっちゃんの靴にかかっていることには、気づいていなかった。


雨の日、うちは浴室乾燥機を使って洗濯物を乾燥させまーす。
そん時、浴槽の中で、このように開くでやんす。


僕は幼少の頃、髪の毛の色素が薄く、生えてくる髪の毛が栗毛色で、ところどころ金髪も混じっていた。
だから頭髪検査の時、「脱色してるんだろ?正直言え!」といつも疑われた。
生活指導の教師からは 「そのうち白髪染めで真っ黒にしてやるからな。」 と、信じられないことを言われた。
いい加減腹が立ったので、自ら白髪染めで真っ黒に染めて、その教師のところへ見せに行った。
「おっしゃる通り染めてきました。先生、今後僕の頭皮から栗毛が生えてくるのを一緒に確認してください。」
教師は鳩が豆鉄砲を食ったように驚き、ずっと無言だった。
「あ、しまった! 髪を染めるの、校則違反でしたっけ? 僕、謹慎処分になりますか?」
と僕が付け加えると、教師は「ち、いまいましい奴め」とでも言いたげな顔つきで、やはり無言で立ち去った。

僕が密かに好きだった同じクラスの女の子は、
コーラス大会の練習の時、どうしてもその娘だけ音程が外れてしまうというので、
男の音楽教師に、クラスメイトが見守るなか、一人で何度も同じフレーズを歌わされ続けていた。
音が外れるたびに、メガホンのように丸めた楽譜で、バッコーンっと頭を叩かれた。
その娘が泣き出しても、許さなかった。執拗に、何度も何度も、繰り返し歌わせた。
その娘の音程は、嗚咽で、よりひどくなるばかりだった。
もし、この歌に意思があるならば、歌は、絶対こんなふうに歌ってほしいなんて思ってねーよ!
歌に失礼だ! 歌に謝れ! 
こんなの、絶対、音楽じゃねーよ!
と、教師の横暴を横目に、どうすることも出来ない僕は、歯を食いしばり、心の中で思うしかなかった。


ユニットバスのランドリーパイプの下部で、併用して使うずら。


体育の授業の時、僕達男子生徒は、
いつものように先生が来る前に運動場に軍隊にように整列して、先生を待っていた。
体育教師が職員室からのっしのっしと歩いてくる、あれ、何だかご機嫌斜めのご様子?
職員室で何があったか知らないが、僕等の前に立つなり、開口一番、
「オメーら!分かってんのか!」

???

「おい!分かってんのか!」

は? 

なにごと?

「分かってんのかって聞いてんだよ!」

三度も問われると、みんな「ハイ!」と大声で返事するようになっていた。
調教完了であろう。僕も思わず「ハイ!」と返事してしまった。

「分ってねーんだよ!」

・・・おーーい。

「分るまでグランド走ってろ!」 そう言い捨てて教師は職員室に帰って行った。

僕達は一時間、グランドを走り続けた。


僕の妻は、中学生の時、バスケット部だった。
妻のバスケット部の顧問教師は、体育館での練習中、体育館の舞台上からコーヒー片手に生徒を指導していたという。
そして練習が気に入らないと、なんとコーヒーカップを床で叩き割り、職員室に帰ってしまうのだという。
その度に部員たちはバラバラに割れた陶器を片付け、ガムテーブで破片をペタペタと掃除して、
その後、部員一同で職員室の顧問のところへ行き、その前に一列に並んで、
「先生、すみませんでした! どうか、また私たちを指導して下さい!」 と謝罪をしたのだという。

・・・気違い沙汰である。


ちょっとしたスペースの有効活用で、雨の日でも、大量の洗濯物が一度に干せちゃうなり。


早く大人になりたい!

大人になって、一刻も早く、こいつ等と戦いたい!

大人になっちまえば、こっちのもんよ! 

大人になれば、きっと世界が変わる! 



そして、

いつしか、僕は、大人になった。



んが、

あれれ? 

世界は、何も変わらなかった。

なんかね、大人の世界も似たよーなもん。

いや、むしろ、子供の頃より、何倍も理不尽に満ちていた。

好きなことなど出来やしねーし、叱られる数も、頭を下げる数も、べらぼーに増えた。


かつて僕を苦しめた、あの 「理不尽な者たち」 との戦いは、

まだまだ続いているのである。


だから、僕は、大人になりたい。

今でも。

今こそ。

もっと、もっと、大人になりたい。

いっぱい、いっぱい、勉強して、

立派な大人になりたい。


「童心に返る」 とか、

「子供のままの大人として」 とか

「子供心を忘れたくない」 とか、

すっかり大人に成り果ててしまった者が、言うのでしょう。


僕には、どーも、みょーな、違和感がある。

だって、僕は、

今もまだ、その途中だから。


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最終更新日  2019.09.11 08:56:31
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