家曜日~うちようび~

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2020.05.21
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「心美人」

「美人」とは、この場合、女性に限りません。
男でも、心の美しい人は、すなわち「心美人」とします。
僕はこれまでの人生で 「ああ、この人は、心の美しい人であるよなあ」 と思った人が、
少ないですが、何人かいます。
ちなみに、僕の知っている、つまり僕が定義する「心美人」には、ある共通点があります。
それは、常に心にうっすらと「薄化粧」をしているということです。
コテコテに塗りたくっているわけじゃなくてね、うっすらと「薄化粧」、ここがポイントね。
世の中の流れは、顔に化粧を施す、体形を磨く、ブランド服で着飾る、というように、
外見的な美しさを追求することは、何ら疑問を抱かれぬまま加速し続けているにもかかわらず、
心のほうは、出来るだけ 「飾らない」「ありのままの」「すっぴんの心」 がよいとされています。
うーん、果たしそうでしょうか?
僕自身は、ありのままの自分ほど醜い人間はいないと思っています。
お相手の「すっぴんの心」を垣間見た途端に、幻滅する恋愛も多いと聞きますしね。
僕の知っている心の美しい人たちは、
いつ何時も、自分がどんな状況にあっても、目の前の相手がどんな人であっても、
常に、心にうっすらと「薄化粧」を欠かさず、
ずっと奥ゆかしい振る舞いを続けられる人達でした。
そんでもって、その奥ゆかしさは、必ず内面を打ち破って外面へと滲み出るようで、
「心美人」の外見には、世の尺では計りきれぬ、独特の「美しさ」があったりしました。




​​ あんた! 届いたよ!

先日、仕事から帰宅するや否や。

いつになくご機嫌な妻が僕に言う。

マスク2枚、届いたよ!

アベノマスク、ご到着の報告でした。

ちなみに、僕の妻は「アベノマスク」という言い方をしません。
「国からのマスク」または「マスク2枚」と表現します。
妻は、物理的潔癖症のみならず、精神面でも多分に潔癖なところがあって、
例えば、自分が嫌悪感を抱く事柄やワードや人物については、
その話を聞くのも口に出すのもはばかるようなところが、昔からあります。
「アベノマスク」とは安倍総理の「アベノミクス」をモジった言葉だと思われますが、
恐らくこの、太った人のことを「ブーちゃん」、視力の悪い人のこと「メガネ君」と呼ぶような、
なんのセンスも感じられない、人を小馬鹿にしたような、
程度の低いネーミングを口にするのが、生理的に嫌なのでしょう。

まあ、僕は極めて程度の低い俗物なので「アベノマスク」と呼びますけどね。

僕)どれどれ、どこのあんの、アベノマスク?

妻)とりあえず、あそこに置いたよ。




か、神棚って!

僕)ま、祀ったんか。ぎょうぎょうしい。

妻)だって、嬉しくて。つい。

僕)こんなもん喜ぶの、お前だけだぞ、この日本で。

妻)いいじゃん、べつに。守ってくれるよ、このマスクが、きっと。

妻の能天気さに、呆れて果てつつ、

ったくアホか、とかなんとか言いながら、

まあ、とりあえず、神棚に手を合わた僕であった。


確かに、いただきました。

大切に使います。





今回、この妻のとんちんかんな行動に、正直、ほっこりする自分がいました。

というのも、うちの会社のおばちゃんたちの、昼休みの休憩所での、
この一連のマスク騒動に対する言動に、僕は、ほとほと辟易していたからです。

コロナウイルスのはじめの頃、僕はおばちゃんたちに、

「きっとマスクが不足するから、買っといたほうがいいっすよ」つったんだよ。

そしたら、おばちゃん、 「大袈裟だ」 っつーんだよ。

んで、パニック買い勃発して、街からマスクが消え失せた途端、

「マ、マスクが一枚もない! 政府は何しとる!」 っつーんだよ。

んで、アベノマスクが執行されたらされたで、

「二枚!少な!馬鹿にしてんのか!」 っつーんだよ。

そのくせ 「こんなマスクいらない!誰がするか!」 っつーんだよ。

んで、いらねーっつてるおばちゃんが、 「遅い!」 っつーんだよ。

名古屋は五月中に届くって何度も説明してんのに、 「まだ届かない!」 っつーんだよ。

んで、いらねーっつてるおばちゃんが、 「不良品だ!」 っつーんだよ。

いらねーっつてるおばちゃんが、 「小さい!」 っつーんだよ。

挙句の果てに、数か月前あんだけマスクよこせマスクよこせって騒いでたおばちゃんたちが、

あの時とおんなじボルテージで 「もうマスク配るな!」 っつーんだよ。

もうさ、僕がこれまで送ったお土産のお菓子とか、影でボロカス言われてんだろーな、って思うよ。
ご近所さんからのおすそ分けとか、親類からの贈り物とか、平気でゴミにしてんだろーな、って思う。
そんなおばちゃんたちの、すっぴんの心を垣間見るたびに、げんなり減滅してしまう僕なのでした。
ちなみに「おばちゃん」とは女性に限りません。「男のおばちゃん」も含みます。





僕の妻は、世間でいうところの「美人」ではありませんし、

休日ともなれば化粧もせんと、ちょいちょい夫に鼻をほじるところを目撃される女であるが、

ああ見えて「すっぴんの心」は、人前であまり見せない女ではある。

年に数回、僕の前で、わーーーっとなる時はあるが、

普段は夫の前といえども、シミだらけの、しわだらけの、すっぴんの心を見せるのが、
生理的にはばかられるのだろうと思われる。

このアベノマスクを神棚に祀るという、とんちんかんな行為も、

自分は奥ゆかしく生きていたいと願う妻の、

妻なりの、心の「薄化粧」ではないかと思うのである。



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ただの天然だっつーの。








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最終更新日  2020.05.22 16:12:29
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