え~っと、本日はタイトルの通り、「お前の家か!」と二度叫ぶお話をするっす。
話の最初と最後に、「お前の家か!」と豪快に叫びますので、よろしくどーぞ。
こないだの日曜日、娘二人を連れて、東山動物園のひと気のない遊園地で遊んできた。
妻は、風邪気味で自宅待機。
僕と、長女と次女の三人で行った。
その帰り。
車内で、長女が猛烈にオシッコがしたいと言い出した。
僕) だぁ~から遊園地出る時しとけっつったろ。ったく、家までガマンしろい。
長女) ・・・漏れそう。・・・無理めかも。
僕) ちょお、ちょお、ちょっと待て! 今すぐコンビニ寄るから!
家路を遠回りして、最寄りのコンビニへ。
そのコンビニには、男女兼用トイレが一つ。
ドアノブを見ると、赤マーク、使用中だった。
長女) 入ってるの? ドア、コンコンって叩いてみたら?
僕) しーー。中に入ってる人のプレッシャーになるから、そういうこと言わない。そういうことしない。
膀胱のあたりを押さえながら身をよじる長女と一緒に、トイレの前で順番を待つことに。
・・・一分経過。
順番、順番、静かに待とう。
・・・二分経過。
てか、僕らの存在、気付いてるよね?
・・・三分経過。
・・・お腹の調子が、すこぶる悪いのかな?
・・・四分経過。
・・・いや、長くね? ゆとりが過ぎません?
・・・五分経過。
お前の家か!
ちょっと! うちの子、もう限界なんすけどおおお!
さっきからずっと、便所の前の成人雑誌コーナー付近で地団駄踏んでんすけどおおお!
断末魔のコサックダンス踊ってんすけどおおお!
な~~に自分の全てを出しきろうとしとんじゃい!
な~~に引退前の部員の心境になっとんじゃい!
外で次が待ってんだぞ! 第一波が沈静したら、さっさと出て来いっつーの!
コンビニの便所なんてなあ、三割残しで出てくるのが常識だっつーの!
僕だったら、便所の外で人が待ってるって察した時点で、
途中でも、シッポみたいにぶら下げたままパンツ履くっつーの!
こんもり挟んだまんま、お外に飛び出すっちゅーの!
・・・んーなこと小声で愚痴ってる間に、八分経過。
住民票移したんか!
こ、これは、いかーん。
いくら何でも、長すぎる。
さすがに、何かがおかしい。
何かが、間違っている。
いつまでたっても出て来ない個室の人に、だんだん恐怖を感じてきた僕は、
今思えば、一瞬取り乱していたのであろう、
おもむろにレジに向かい、念のため、あくまで念のため、店員さんに質問した。
教えて下さい!
この店の便所の赤は青ですか!
店員さん) ・・・はあ?
僕)
この店の、
赤
は
青
ですか!
店員さんの引きつる顔を見た途端、一気に冷静さを取り戻した僕は、
かくかくしかじか、長女の膀胱が急を要する事情を説明し、
ひょっとして実は個室に人がいないとか、または中で大事件が起きているとか、
一応確認していただけないでしょか?と、落ち着いて店員さんにお願いした。
その後、その店員さんは快く、僕の代わりにトイレの扉をノックしてくれた。
コンコン。
・・・返事がない。
念のため、店員さんは、しばらくドアに耳をすませていた。
しばらくの後、さも何事もなかったかのように僕のところまで近寄ると、
店員さんは、僕の耳元で、静かにこう囁いた。
店員)・・・ぶりぶり鳴らしておられます。
表札かかげとけ!
僕は扉の向こうの脱糞者にそう叫びたい気持ちを、ぐぐっと堪えて、
長女と次女の手を引き、大慌てで、そのコンビニを飛び出した。
やり場のない怒りに悔し涙さえ流しながら、僕たちは、そのまま道向かいの喫茶店へ飛び込んだ。
カランコロンカラン。 トイレ貸して下さい! そのままトイレに直行。
その際、長女と一緒にOちゃん(次女)も、無理矢理個室に放り込んだ。
僕) ほら、お姉ちゃんと一緒に、オシッコしてきなさい!
次女) でも、Oちゃん、オシッコしたくない。
僕) してこいっつーの!
次女) でも、Oちゃん、オシッコ出ない。
僕) がんばって絞り出せっつーの!
バタン。ガチャ。
ふーー、やれやれ、危機一髪だっつーの。
なんつって、僕、先に席に座り。
アイスコーヒーを飲み、スマホを見ながら、娘たちを待った。
・・・一分経過。
・・・五分経過。
・・・あれ、遅い。
・・・十分経過。
遅い。 何なら、さっきのコンビニのヤツより遅い。
おかしい! 遅すぎる! 何かあったか?
僕は、大慌てでトイレに戻り、女子トイレの扉をドンドン叩いた。
僕) おーい! お姉ちゃん! ひょっとしてオシッコ漏らしちゃったんか?
長女) オシッコ? 大丈夫、間に合ったよ。
僕) だったら、何してんの? さっさと出て来なさい!
長女) でも、Oちゃんが、まったりと・・・
僕) ・・・Oちゃんがどうした?
長女) まったりと、ウンコしてます。
お前の家か!
その後、娘たちは、メロンソーダにアイスが乗っかった飲み物を飲んだ。
会計は、僕のアイスコーヒーと合わせて、1400円もした。
・・・何が?
まったく、高っかいトイレ代でした。
お姉ちゃん、これからトイレは、くれぐれも早めにお願いね。
・・・うーーーーーーーーーん。
・・・君に、言うことはありませぬ。
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