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最近、岡野玲子さんのコミック「陰陽師」を読み直しています♪連載の最初の頃は夢枕獏さんの原作を忠実に描いた世界でしたけど、巻を追うごとに岡野ワールド全開になって、読んでいても理解不能~?!な展開になっていって困惑しました。一体、晴明さんとは何者で何を担ってこの世に生まれたのか?晴明の室となる真葛は一体、どこから来たのか?なんで、白比丘尼姿の道満なん!?何故、エジプトが出てくるんだーー!?と、ホントに私の思考回路では、絵にならない世界に突入~して苦笑したものです。そんな岡野版「陰陽師」を再び読んでいて。。時の少納言「藤原兼家」殿のダジャレというか、オヤジギャグに思わず声を上げて笑ってしまいました。前に読んだ時にも兼家殿のギャグには苦笑~していたのですが、またツボに入った(爆)藤原兼家といえば、政権争いで有名な道隆・道兼・道長・三兄弟のオヤジ殿でございます。兼家自身も兄の兼通と関白争いで常に対立していた御仁です。その兼家殿。岡野さんの陰陽師では『キュートなダジャレ好きエロ親父♪』で、憎めないキャラで登場してるんです。それに存外、晴明を守護する不思議な能力を少なからず所持しているという稀人。その兼家殿が「あわわの辻」(魑魅魍魎が蔓延る怪しい交差点)で鬼に出遭うという話があるのですが、その兼家を源博雅が見舞うシーンで心配する博雅をよそに、傍にいた女房に「あわわの辻で“あわわ~~~~”」とか、梅の枝を持って「そんなこと言ってる“梅花~(ば~いか~)”」なんてダジャレをかましてるんです。その場面を読んで思わず、声を上げて笑ってしまった次第です。。(苦笑~)いいな~、兼家キャラ♪ 緊迫したシーンを和らげる殿上人。また、岡野さんの新しい「陰陽師」が読みたくなったわ。続編を描いてくれないかな~。
2009/02/14
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「のぼうの城」覚書(昨日の続きです)◆開戦の太鼓と法螺貝。いよいよ感が増す音楽。三成本陣の丸墓山からの俯瞰図の出来が凄い。大谷吉継の旗印=青色、長束正家=黄色、石田三成=赤色。ここに信号の3色が集う(爆)◆本丸で待機中ののぼう様は体が小刻みに震えている。これを武者震いというのか。。ちょっと違う気がするが。◆騎馬鉄砲を指示する正木丹波。「正木様はお乗せにならぬのか?」と問われ、即座に「わしはいやだ!」とにべもなく言い放つサディスト(笑) いいね~オレ様的で!◆「門を開けい!」(正木丹波)→「戸を開けい!」(近藤勇) リンクしたアナタは私と同じ萬斎@天狗サマ崇拝者。◆長野口をぶっちょい丸太で打ち破る大谷軍。勢いよく走りだして、その勢いでツッコむのかと思ったら、門前で一旦停止。急に止まる方が難しいでしょうに。◆門を破って「一番乗り!」と名乗る将。兜にクジャクの羽。鎧には黒い羽をつけている。長野口を守る和泉守の毛皮バイキング風と妙にリンクしていて面白し。◆馬上の和泉守が槍で黒羽の将を串刺しにして門外に出るが、絶対、突っ込まれた丸太が邪魔してたはず。映像では丸太が門外の水際に押し出されておった。和泉の風圧に負けたか。◆佐間口の丹波守と正家の馬廻り役、山田帯刀との槍合わせ勝負。山田に名前を呼ばれて、「わしを呼んだか。。」的な丹波の体の巡らし方が強者を醸し出していて良かった。丹波が一騎打ちに走り出す前に首をカクッと鳴らす所もいい。◆山田帯刀は一瞬、首を逸らせ(視線を逸らしたら首も逸れた。という解釈が妥当かも)丹波の槍の餌食に。首がすっ飛び、馬上に残された体から血があふれ出てる様がリアルだった。◆丹波から全軍出撃の命が出て、「首は討ち捨て」「討ち捨てじゃー」と言いながら、忍軍兵を押しのけ突っ走る百姓パワーに圧倒された。水を得た魚のように殺戮を繰り返す老人「たへえ」なんて一番の功労者なんじゃ?◆笑いながら種子島の餌食になる百姓。ハイになってるのが相手に恐怖感を与えてるよね。ピカイチのドロップキックをお見舞いしていたお百姓も功労者です。◆和泉が守る長野口が劣勢になって、遊軍の靭負が加勢に。油をまいて敵をおびき寄せ火を放つ。この火が放たれるまでの一連のシーンは、常に画面が炎のユレのようにブレているのも秀逸だった。◆「しまった!敵に兵書読みがおる。」By大谷吉継。「兵書読み」が最初聞き取れなかったけど、オフィシャルブックにこの言葉が載っていたので、ようやく判明しました。◆大谷軍が敗けて退く時の和泉と刑部のやり取りがカッコいい。「火攻めの大将、酒巻靭負殿とともに名を記す!」と言った後の大谷刑部の顔が何ともいえず、カッコいいのだ。◆三成が「水攻め」を決した時、各将は不満をあらわにしていたけど、正家は何気に楽しそうな顔をしていた。ことごとく、他とはズレてる人だと思う。◆堤づくりの唄は萬斎さんが唄ってる。凄く耳に残るのだ。◆堤つくりで埴輪が無残にも壊される。あのショットは印象的だな。◆水攻めを受けて、本丸に逃げる人々。城内に入ろうとしない百姓がのぼう様の出現に一瞬のうちに静まり返る。やっぱり、カリスマだよね。◆甲斐姫とのぼう様の泥の塗り合い。なんか、演技を超えてものすごーーく楽しそうなんですけどっ! 笑って駆け出すところは気持ちいいくらい開放的で見ていても面白かった。そして、姫に泥を付けた時ののぼう様のお顔が。。うつけには見えない。色っぽ過ぎる。◆本丸に集う百姓の面々。沸々と不満が蓄積して、丹波に向けられる目の厳しいこと。鼻をすする小さな女の子。恨めしそうに鋭い視線を投げる男の子。虚脱した無表情な老婆。そして、ちよの近くで足をさするLILICOさん。エキストラの名演技に支えられてる素晴らしいシーンですね。◆降った百姓が殺されて戻って来た場面。母は凌辱された模様。ハエが飛ぶ音がする。赤子の死体を見て、道尊の呪を受けた敦平皇子を思い出した人は陰陽師ツウです。◆「水攻めを破ろ。」と静かにいうのぼう様の顔はいつみてもハッとするほど美しい。怒り・哀しみ・切なさ・儚さ。いろんな想いがこもって、それが美しさとなって現れてると感じた。まだ途中ですが、今日はここまでにします♪続きはまた後日☆彡
2012/12/01
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東日本大震災から5ヶ月が経ちました。あの震災の翌日と翌々日。近江八幡市で「左義長まつり」がありました。東北地方の地震と津波の被害があまりにも大きくて、果たして「まつり」を敢行してよいものかどうか。。随分と議論されたようです。ですが、もう各町内も準備が整っているし、「まつり」というのは五穀豊穣・家内安全等を祈り、神様に奉納するという趣旨であるし、決してドンチャン騒ぎの不謹慎なものではないということで、開催されることになりました。ですが、土曜日(3月12日)に執り行われる渡御(奉納町内を練り歩く)は、宮司さんと市長さん、そして各町内代表のお稚児さんが笹竹を持って歩くだけの内容に縮小されました。宮司さんと市長さんはいつも乗馬しての渡御ですが、今年は徒でした。本来なら、左義長13基が順番に神社を出発して奉納町内を練り歩きます。それを楽しみにしてらっしゃる体の不自由なお年寄りも多く、きっと寂しい思いをしてらしただろうな。。と思うと、私も寂しくなりました。山車の渡御が中止になるのは、左義長まつり始まって以来、初のことだそうです。昭和天皇が崩御された年は、渡御自粛は各町内の判断に任されて、三つほどの町内が自粛したと聞きました。神社の境内には、いつもなら渡御に出てる筈の左義長の山車が夕方まで並び、山車コンクールの発表もいつもは能舞台で派手に発表されますが、町内の総親役さんを社務所に集めての発表だったようです。日曜日(3月13日)に行われる山車の「ケンカ」も、出来るだけ抑え目に。。短時間に縮小されて、鳴り物なども自粛されてましたね。毎年、このブログで左義長まつりの写真をUPしてきました。今年ももちろんカメラにおさめたのですけど、私も震災のショックが大きくてなかなか書けずにいました。大変な目に遭われた方がたくさんいらっしゃるのに、お祭りの話なんて。。ね。5ヶ月経ったから。。って事は全然ないのですけど、今年も力作揃いの山車ばかりでしたので、どうぞご覧になって下さいませ。(番号は奉納順です。赤文字は山車コンクールの順位と賞) 一番 新町通り ニ番 第十一区(準優勝) 三番 本町 四番 紫竹会 五番 仲屋町 六番 十区会 七番 為心町 八番 第ニ区 九番 参和会(第三位) 十番 宮内町(優勝) 十一番 池田町(第60回記念 ダシコンクール特別賞) 十二番 第一区 十三番 魚屋町
2011/08/11
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『悪の経典』 <スタッフ・キャスト>監督 三池崇史 原作 貴志祐介 音楽 遠藤浩二 脚本 三池崇史 伊藤英明(蓮実聖司) 二階堂ふみ(片桐怜花) 染谷将太(早水圭介)林遣都(前島雅彦)浅香航大(夏越雄一郎) 水野絵梨奈(安原美彌) 山田孝之(柴原徹朗) 平岳大(久米剛毅)吹越満(釣井正信) KENTA(蓼沼将大) 宮里駿(伊佐田直樹) 横山涼(塩見大輔)堀越光貴(坪内匠) 竹内寿(鈴木章) 米本来輝(中村尚志) 岸田タツヤ(山口卓馬)荒井敦史(加藤拓人) 西井幸人(鈴木翔) 藤原薫(田尻幸夫) 永瀬匡(鳴瀬修平)尾関陸(渡会健吾) 小島藤子(阿部美咲) 岸井ゆきの(星田亜衣) 菅野莉央(高橋柚香)山谷花純(三田彩音) 山本愛莉(久保田菜々) 夏居瑠奈(小野寺楓子)綾乃美花(佐藤真優)伊藤沙莉(永井あゆみ) 三浦透子(横田沙織) 松岡茉優(白井さとみ) 藤本七海(林美穂)宇治清高(松井翼)<あらすじ>ハスミンというニックネームで呼ばれ、生徒たちから圧倒的な人気と支持を集める高校教師・蓮実聖司(伊藤英明)。生徒だけでなく、ほかの教師や保護者も一目を置く模範的な教師だったが、その正体は他人への共感や良心を持っていない反社会性人格障害者であった。学校と自身に降り掛かったトラブルや障害を取り除くために、平然と殺人を犯しては校内での地位を強固なものにしていく蓮実。しかし、ささいなミスから自身の凶行が知られそうになってしまう。それを隠そうと悩んだ彼が導き出した答えは、クラスの生徒全員を殺すことだった。エックセレント!海猿のヒーローから邪悪なサイコパスに。伊藤英明の新境地をみた。あれほど、無感情な顔つきで散弾銃をガンガン撃てるなんざ、伊藤英明自身に問題があるのではないか?と思うくらい。(「どうぶつの森」を明るいバージョンと暗いバージョン、ふたつやってるらしいですからね)いや、凄い役者になったもんだ。(以下、ネタバレてんこ盛りなので、読みたくない人はスルーしちゃってください)アレンジされた「マック・ザ・ナイフ」(三文オペラの一曲)のメロディーに呼応するように自分の生徒を次々と殺していくハスミン。常に自分の快適さを求めているから、ちょっと邪魔なヤツは直ぐに殺す。それも、絶対証拠は残さない。冒頭は中二病のハスミン(全裸)が両親を殺すシーンから始まる。それまでに、担任教師も死に追いやっていて、証拠はないが、14歳の我が子の罪に気付いた両親がハスミンを世の中から隔離しなければ、と相談している所にナイフを持った中二全裸ハスミン登場。まるでホラー映画のような始まりだった。その人が高校の英語教師なんだから、怖いねぇ。それも教師からも生徒からも絶大な人気で好かれているんだから。ハスミンの住んでいる荒れ屋にいつも二羽のカラスがやって来ます。(鞍馬天狗や道尊の式神を彷彿)北欧神話に登場する神オーディンに付き添う一対のワタリガラス、フギン「思考」・ムニン「記憶」とハスミンは捉えている。オーディンは戦争と死の神。さすれば、ハスミンはオーディンの設定か。オーディンは戦場では青いマントを身にまとっていたんだが、ハスミンが着ている服はいつも青色だった。でも、ハスミンは仕掛けた罠でフギン「思考」を殺してしまう。残るはムニン「記憶」。ハスミンに思考は必要ないって事か。ムニンは警戒して絶対に罠にはかからない。もうね、劇中のあちこちに布石がちりばめられていて、残虐だけど知的なんです。最後に二人だけ生き残るんだけど、黒い布をまとっていて、二羽のカラスに見えたりするんだよね。これが。誘惑に負けそうになったけど、原作は読まないで観ました。文庫本上下巻ともブッちょいですよね。2時間ちょっとの映画じゃ全部収まらいのはわかっていたからね。ハスミンは家に帰るといつも全裸。鎧を脱ぎ捨てるかのように、常に。(海猿で鍛えた体を惜しみなく披露しちょる)感情がないから、服なんて必要ないのかな。何にも気持ちが動かない。というか気持ち自体がない。ただ、自分がそこにいるだけ。それだけ。だから家もボロ屋だし、乗っている車はポンコツそうな軽トラ。なんか、哲学的な世界に踏み入れてしまったかしら。説明が付かないなぁ。生徒を殺す時も銃声で耳が痛いとか、返り血を浴びるのが嫌だからレインコート着るとか、自分の事しか考えてないんだよね~。まだ虫の息が残っている子も容赦なく殺す。サイコキラーではなく、あくまでもサイコパスなのよ。殺人に快楽を求めてはいない。ただ、自分が快適に生きる上で邪魔なヤツを抹殺する。それに尽きるのです。「のぼうの城」の秀吉軍の大谷刑部(山田孝之さん)殿がセクハラ体育教師で出演。ヤバいね~。女生徒の弱みを握って体を要求~。平然と学校内で凶行。徹底してヤナ教師ぶりを演じていたが、素晴らしいドラムテクニックが観れるのも必見。彼もまた、ハスミンに無残に銃殺されますがね。ラストシーンはパンティー・ナイスキャッチ苦笑オチなのが御愛嬌です。そしてもう一人、長束大蔵大輔正家殿(平岳大さん)。ホモセクシャル。わーーー。なんなんだその設定~。湖国の新星・林遣都くん演じる前島雅彦と只ならぬ仲に!凄いよ彼も。資産家の御曹司が高校の美術教師。趣味がクレー射撃。金持ちの趣味だね。その姿のカッコいいこと!やっぱり、サラブレッドだよねぇ。それでいて、繊細なんだよ。BL演じるんだもんね。前島くんを限りなく愛して、死す。乗っている車も住んでいる家もゴージャスそのもの。ハスミンに生徒との禁断の愛の秘密を握られて逆らえなくなる。車も家もハスミンに都合よく使われちゃうんだよね~。そして、そんなホモ教師とLOVELOVEになる前島くんを演じる林遣都くんの悶えシーンが素晴らしい~。裸で一人悶え演技。なかなか出来ないよ、これ。最期はハスミンに弱弱しくも立ち向かうが、The end.生徒一人ひとりの死に方が違うっていうから、本当に細部まで練られた作品なんですね。ハスミンの正体を疑って殺されていく人。人。人。笑顔で油断させて、残忍に殺す。生徒を脅して情報を聞き出し、命は助けてくれるのかと、期待して見たが、結局はハンダゴテで体中穴だらけにして殺していた。期待した方がバカだった。(まぁ、A〇Bのお嬢さんが「この映画嫌い」と言い残し、仕事放棄してしまう気持ちもわからんではないが、これは映画なんだから仕事はしましょうね。)最後もとっても意味深。精神異常者を装っているのはわかる。「ごめん」「本当にすまなかった」「でも、俺じゃないんだ。俺の仲の別人がやったんだ。」ラストは「to be continue」で終わってるのにびっくりした。続きがあるのね。ハスミンが生きてる限り続きそう。映画の前進「悪の経典~序章~」というのがあるんです。ハスミンがアメリカで過ごした時代とか、描かれてるらしい。まるで、萬斎さんの「まちがいの狂言」ポスターじゃないですか?表がござれば、裏がござる。レンタルDVDで出てるようなので、もう少しほとぼりが醒めてから借りてみよう。
2012/11/19
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