真理探究と歴史探訪

真理探究と歴史探訪

2007年08月02日
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昨日は龍宮城の話題から、国常立尊→立山・・・と発展した。

そこで今日は、昨日の話題に「星神信仰」をからめて論じてみたいと思う。

いろいろと古代史を調べていくと、古代人は「天空の星々を地上に投影する」という着想で、往時の測量技術を駆使しつつ、大地(国土)に神社仏閣を配置していくという手法があったという説に出会うことがある。

私自身、津々浦々の遺跡や神社仏閣を巡る中で、日本列島の各地域には春夏秋冬の星座が投影されていることを感得したこともあり、古代人による「天体の地上投影」は事実だと確信する一人だ。



ところで昨日は、越の国の霊峰「立山」の主神を、「国常立尊(クニトコタチノミコト)」とする説を披露した。その日記を書いてしばらくすると、その国常立尊を象徴する天体があるとすると、それは「北極星」ではないかという想いが、なぜか沸々と湧いてきた。

待てよ・・・、確か北極星は「古事記」の天地初発の神たる「天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)」と認識していたが・・・と思いつつネット検索を重ねてみた。

するとどうだろう、「古事記」と共に国史を代表する「日本書紀」があるのだが、この「日本書紀」において最初に現われる神は「国常立尊」であり、ゆえに「天之御中主神」と「国常立尊」を同一視する説もある・・・と書いてあるではないか。

つまり、北極星を神格化した名称に、「記紀」の二通りの神名があると解釈できるのだ。

ちなみに、神社系の妙見社では、天之御中主神と国常立尊を同一神の「北辰妙見尊星王」として祀られている神社もあるということだ。


・・・ということで、越国の「立山」の神とされる「国常立尊」は、古事記の「天之御中主神」でもあり、これを象徴する天体は「北極星」ということが分かってきた。



さて次に、私なりに瀬戸内の「龍宮城」と感得した「宮島」は、これを天体としてはどの星がふさわしいか・・・。それは、「天体の地上投影」にまつわる数々の書籍を網羅しつつ想いを巡らすと、すぐに「シリウス」と想定することができた。天空の「シリウス」が地上投影された場所が「宮島」である・・・と。

この宮島にある安芸国一の宮「厳島神社」の主祭神は「イチキシマヒメ命」である。このイチキシマヒメ命は、宗像大社の御祭神である三女神(イチキシマヒメ命・タゴリヒメ命・タギツヒメ命)の一柱なのだが、なぜ厳島神社ではイチキシマヒメ命のみを祀ったのかが分かりづらい。(現在は三女神が祀られているが、古くはイチキシマヒメ命の一柱だったとのこと。)

本地垂迹説では、インドの弁財天(サラスバティー)はイチキシマヒメ命になることから定められたという話もある。そもそも宮島の厳島神社は、「日本三大弁財天」の一角を担う社だが、私としては宮島の弁財天(イチキシマヒメ命)をシリウスと想定することで、判然として観えてくるものがあった。

つまり、宗像の三女神の本質は、オリオン座の三ツ星であり、それ故に航海安全の道しるべとなる三ツ星を三女神として祀る必然性があった。しかし、宮島がシリウス(エジプト神話では女神の代表たるイシスを象徴する一等星)だとすると一柱の女神でよいわけで、上述の本地垂迹説も加わるかたちでイチキシマヒメ命が主祭神になったと推考するわけである。



いずれにしても古代日本においては、夜空に瞬く「星々」は、八百万の「神々」だったのではなかろうか・・・。

星を神とする星神信仰が深まるにつれて、天体の配置を地上に投影して「国づくり」を具現化していく・・・そんな国家事業が古代の列島各地で秘密裏に展開していったことが伺えるのである。

またその際に、大地(国土)を計測する測量の道具が「三種の神器」であり、その計測内容などは門外不出の機密だったという説もある。

しかしその星神信仰も、国家祭祀を太陽の運行を主軸として運営する態勢が整う中で、意図的に封印されるかたちで、次第に埋没し忘れ去られていく運命にあったということである。



星々は神々であり、また神々は星々でもある・・・。(もちろん、月も太陽も北極星も「星々」であり「神々」でもある。)

かような視点から、現在・過去・未来の時空を改めて俯瞰してみることは、意外に大切なのではあるまいか。







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最終更新日  2007年08月02日 23時44分32秒


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