KUROうさぎの『コンサートを聴いて』

KUROうさぎの『コンサートを聴いて』

2023.11.26
XML
カテゴリ: オペラ


入場料:6,000円(S席 1階8列)

【主催】(財)藤沢市みらい創造財団 芸術文化事業課

藤沢市民オペラ50周年記念
オペラ「オテッロ」
G.ロッシーニ作曲

全3幕(演奏会形式・イタリア語上演・日本語字幕付)
会場:藤沢市民会館



スタッフ
指 揮 :園田隆一郎
合唱指揮:浅野深雪
管弦楽 :藤沢市民交響楽団
合 唱 :藤沢市合唱連盟
副指揮 :松川智哉/柴田慎平


出演
オテッロ  :宮里直樹
デズデーモナ:砂川涼子
エルミーロ :妻屋秀和
ロドリーゴ :小堀勇介
イアーゴ  :山本康寛
エミーリア :中島郁子
ルーチョ/ゴンドラ漕ぎ:石井基幾
総 督   :平尾啓
ナビゲーター:朝岡聡


感想
 藤沢市民オペラでロッシーニの「オテッロ」を取り上げ、今売出し中テノールの宮里直樹、小堀勇介が出演とのことで気温10℃以下の寒空の下、藤沢に向かった。

 客席は空席が見られず本当の満席。座席は8列の中央だが、舞台張り出しと前2列は空席にしてあるので、実質3列目。歌手の表情がよく見える。
 演奏会形式なので、指揮者の左右に譜面台が3台ずつ置かれ、歌う場面で歌手が登場し、譜面台に楽譜を置いて歌う。
 3幕は指揮台の横に椅子が置かれ、デズデーモナが殺されるとそこへ静かに座る演出になっていた。

 ヴェルディの「オテロ」は、オテッロ、ロドリーゴがテノールで、悪役イアーゴがバリトンだが、本作品はいづれもテノールで配役されている。小堀勇介と山本康寛はロッシーニ作品を多く歌っており、アジリタ含め完璧。特に小堀勇介は、第2幕のアリアではハイC以上の高音のアドリブも入って絶好調。そこへヴェルディやプッチーニ作品を多く歌う少し重めの宮里直樹の迫力あるテノールの歌声が絡んでいく。
 第1幕フィナーレの3重唱は、合わせるというより正にバトル。音楽の作りの巧みさを満喫できる演奏だった。

 デズデーモナ役の砂川涼子も絶叫部分もあるものの素晴らしい歌声で、3幕「柳の歌」はハープとの重唱で、その悲しみが十分に伝わる。
 エミーリア役の中島郁子、エルミーロ役の妻屋秀和はいつも通りの安定した歌声で、支える。

 オーケストラは、前回聞いたよりも弦のばらつきが少なく、管楽器のミスも気にならない程度で上手くなっている。ロッシーニ・クレッシェンドも安定して表現されて良かった。合唱も男声が多く、迫力があった。

 歌手の配役含め、これだけロッシーニの音楽の素晴らしさを表現出来たのは、指揮者の功績でしょう。ロッシーニ歌手とヴェルディ歌手を融合させて、より豊かな音楽を醸し出した、あっと言う間の4時間弱(15分程度の休憩2回含む)の演奏だった。

 そして演奏会形式を補い、よりオペラ音楽を楽しむことが出来たのも、的を得た朝岡聡のナレーションの力も大きいと感じた演奏会だった。

 来年11月に藤沢市民オペラによるモーツアルト「魔笛」の4日間公演が予定されており、今から楽しみに。


End





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2023.11.27 21:26:04
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

カレンダー

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

KUROうさぎ

KUROうさぎ

コメント新着

背番号のないエースG @ 原由子 伊藤つかさ「夢見るシーズン」に、上記の…
KUROうさぎ @ Re[1]:名古屋の喫茶店で素晴らしいコンサート(05/19)  ぴょんきちさん。コメントありがとうご…
northern-b @ Re:名古屋の喫茶店で素晴らしいコンサート(05/19) それは素敵な体験でしたね。そのスペース…
KUROうさぎ @ Re[1]:ポルタメント小牧は無料でも楽しめる(06/26) northern-bさん  コメントありがとうご…
northern-b @ Re:ポルタメント小牧は無料でも楽しめる(06/26) お引越されたのですか・・・かなフィル・石田…

© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: