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70年代前半の第二期怪獣ブーム(変身ブーム)の作品のひとつ「サンダーマスク」は手塚治虫がコミカライズした(原作ではない)ということで非常に有名でありながら何故かDVD化されない作品です。「白獅子仮面」や「魔人ハンターミツルギ」などの作品までがDVD化される時代にソフト化されない理由は「サンダーマスク発狂!」と「死の灰でくたばれ」の非常に危険なエピソードが存在するせいだといわれていましたが「封印作品の謎2」を読むとそいうわけでもなさそうです。そんな意味で運のない作品といったらよいこの作品小学校低学年だった私には当時の怪獣番組の中でも「シルバー仮面ジャイアント」と並んで好きな作品でした。冒険王のコミカライズ連載も読み、カバヤのバタープリッツエル(甘くて好きでした)のカードなんかもあつめてたのを覚えています。ああ、原色怪獣怪人大百科の掲載されたイラスト怪獣たちのスチールが見たいなあ・・。今回紹介するのは第3話「火を吹く魔獣」。魔王デカンダの作戦今回は8000年前に姿を消した(誰かみたのか、縄文時代だぞ)といわれるバラジュードンが現れるというのを命光一(サンダーマスク)が予知するところから始まる。この能力凄い能力だけど光一はミサイルを味方から打ち込まれたり死んだりする未来は予知できなかったのか?デカンダは今回漫画週刊誌(冒険王!この世界では週刊だったらしい)にのっている漫画のまま侵略をするという意味不明な作戦を展開。漫画家(演じたのは西尾徳さん。マンモス西やゲッターロボのムサシでおなじみの方ですね)が矢野警部に怒られて原稿を差し替えると自分で描いた(?)漫画を漫画家に渡すなどかなりのりのりなのだが・・・何故?冒険王の表紙の中央にバロム1を差し置いて何故かデカンダが載ってた(いやな冒険王だな)せいか?「ウルトラマンA」の九里虫太郎の話に似ているが別に漫画のとおりになるというわけでもなく疑問が残る(矢野警部は漫画家にハッピーエンドにしろと命令していたが・・)。脚本は藤川桂介なんだけど・・どうなんでしょう・・。頼りない科学パトロール隊銀のヘルメットに白地に赤のユニフォームがカッコ悪い科学パトロール隊。隊長の矢野警部は今回バラジュードンが漫画通りにあばれていることで漫画家の家にのこのこ抗議に行くほどの柔軟なというか単純な人物。部外者のまゆみに失態を「大体漫画なんかおっかけてるからこういうことになるのよ」と罵られてそれに謝るくらいの好人物。ただまゆみも1週間動かないバラジュードンに「魔王は次の漫画が発売されるのを待っているのよ」と言ってましたが・・。そのあとこれまた部外者の光一に「命君、バラジュードンをやっつける何かいい手はないもんだろうか?」と相談するあたり・・・柔軟だけどプライドはないなあ・・。科学パトロール隊は光一の立案でバラジュードンが飛び立った後巣に爆弾を仕掛ける作戦をとるのですが・・・街を破壊してるバラジュードンを放置して巣を見張るのはいかがなものかと・・・。まあサンダーマスクがいつもの通り血管きれそうな絶叫(技の名前を叫ぶのだけれどやりすぎだと思う)とともに魔獣を葬るのですが・・・かなり問題の多いサンダーマスク、いかがだったでしょうか?↓よければこちらも・・・。シンナーマンが凄い「サンダーマスク発狂」また機会があれば別のお話でお会いしましょう・・。
2006.11.03
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ロビンちゃんはロボコンシリーズのマドンナです。演じたのは当時11歳の島田歌穂・・まだ小学生だったのですね。以後番組が77年におわるまで2年半、ロボット学校の生徒の卒業、ロボコンの居候先の変更がある中でロビンちゃんはロボコン、ガンツ先生と共に番組に最後まで出続けることになります。ロビンちゃんは心の優しい女の子として描かれていましたが誤解から「ロボコン大嫌い」ということがありました。まあこれがロボコンのハートをどれだけ痛めつけたかは想像に難くないところです。ロビンちゃんはロボットなのか?ロビンちゃんはバレリーナ型のロボットということでロボット学校の一人として登場していたのですが第16話にして実は宇宙人だったことが発覚します。バレリーナ星からの留学生としてまるでガンツ先生と竹取物語のような出会いをしたロビンちゃんですが以後、その出自を忘れた頃に星に帰らないといけないというネタで宇宙人なのをアピールすることになります。#40「キラパッパ!!七夕に消えたロビンちゃん」#96「シビレビリ!ロビンちゃんを守れ!!」あたりがその辺の話だったような気がしますが・・どうでしたっけ。ただ、ロボコンが16話のあとのエピソード(何話か忘れた)でロビンを人に紹介するときに「ロビンちゃんはバレリーナ星からきたロボットなんだよ」と紹介したのを記憶しています。宇宙人なのかアンドロイドなのか?「涼宮ハルヒの憂鬱」の長門有希のように宇宙人でアンドロイドなのかよくわからない・・・て・・単に文芸の不統一のような気もしますが・・原作漫画におけるロビンちゃん原作漫画ではロビンはバレリーナロボットとして新しい振り付けを作る道具として登場します。背中に大きなねじがついておりそれで動く設定です。クリスマスパーティではロボガリやロボパーと仲良く石油を飲むという描写からも間違うことなくロボットでしょうね。初期はただ踊るだけで感情がないが如く描かれていたロビンですがロボコンの悪態を連ねたラブレターに泣いたり、ロボガリとべったりくっついたりする描写から一応感情があるようです。後にはさらに優秀なロボメカに乗り換えるなどビッチな所をみせるロビン。本編での台詞はロボメカを讃える「かっこいいわあー」と「ステキー」の二言だけだったりします。ロビンちゃんを演じた女優、島田歌穂島田歌穂はこのロボコンのロビンちゃん役がデビュー作です。以後「あばれはっちゃく」や「大鉄人17」などの子供番組を経て17-8歳頃はアイドルタレントとして活躍しますが舞台や歌手の方に仕事の場を移してゆきます。87年の「レ・ミゼラブル」の成功で一躍実力派の役者として認められました。舞台女優及び歌手としての評価は高く数多くの受賞歴があります。2006年にも松尾芸能賞演劇優秀賞を獲得しています。そんな島田歌穂が20年ぶりにロビンを演じたのがオリジナルビデオ「燃えろ!ロボコン対がんばれ!ロボコン」(98)です。さすがに青のチュチュ姿は披露しませんでしたが・・歌い踊ったら昔より凄かったでしょうに。超合金とソフビについてロビンちゃんのおもちゃは女の子むけのリカちゃん人形路線「おどるロビンちゃん」及び超合金ロビンちゃんがありました。超合金は女の子キャラでありまた微妙な顔立ちゆえ当時非常に人気が無かった商品ですが今はシリーズ最高のプレミア金額を誇っています。箱付き完品の美品ならば一時は15万円くらいでした。「おどるロビンちゃん」も結構高い商品です。(今だと幾らくらいなんでしょう)ソフビとしてはバンダイのスタンダードでもポピーのミニサイズでも発売されずいわゆるロボット学校セットでセット販売されたミニミニサイズがあります。一期生のみのセットではピンクのチュチュで茶色い髪、何故かほかのロボットよりも巨大でした。二期生まで込みのセットの方ではチュチュが青、髪も金髪になりました。出来がよくなり小さくなったとは言え、まだほかのミニミニサイズよりも大きく造形されていましたね・・。食玩などロビンちゃんは90年代のバンダイHGシリーズロボコンで発売されました。これは非常に愛情込めてよく作られていたと思います。(写真上)また、台湾のセブンイレブンでも非常にファニーフェイスなロビンちゃんを含むおまけとして登場、ロボワルの鉤十字が問題になったのももう5年位前の出来事になります。(写真下)同人誌「青いチュチュ」ロビンちゃんに関する書籍類としては96年ごろに出たぶちゃぬ隊による「青いチュチュ」という同人誌があります。ロビンちゃんをねたにしたファン誌ですが「超」少年漫画家のMOO念平さんによる「がんばれ!ロビンちゃん」という短編漫画が収録されています。熱血コミカライズを得意とする氏の作品らしくちよっと泣かせるいい話になっていますね。登場するのが三期生というのも渋くていい選択です。ロビンちゃんはリメイク作品「燃えろ!ロボコン」でキューピッドロボットのロビーナちゃんとして転生します。ロビーナちゃんが当時の子供たちに30年後にまた懐かしく思い出されるような日がくるのかなあ・・。がんばれ!加藤夏希!(あ、なんか話題がずれてるなあ)
2006.09.27
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少年の鳩を使ったTACの新兵器開発が悲劇を呼ぶ異色作。観ていてブルーになる作品です。少年と鳩三郎少年は鳩に熱中しすぎて母親に鳩を捨ててくるよう言われる。北斗は少年と知り合いに。開発中のTACの無人飛行機に鳩の帰巣本能をつかうことを思いつき少年に鳩を借りることにする。しかし鳩が実験中に消えてしまう。TACの計画を知ったヤプールの策略の策略だったのだ・・。誰も信じてくれない!鳩はヤプールに奪われた・・北斗は2.0の眼で鳩が消えるのを目撃・・・しかしまた誰も信じてくれない・・山中はぶち切れて「バカなことをいうな」と怒鳴り今野も嫌味をいう・・。果ては美川隊員にまで「スモッグ注意報が出てたけど・・それで見落としたんじゃないの?」とキツイ口調でいわれる始末・・。北斗は基本的に迂闊でお調子者ですがここまで信用されていないとは・・。始終怒っている単純馬鹿と小姑みたいな嫌味なデブはいつものことですけど(ごめんなさい・・今回みてて本気で頭にきました)美人の美川隊員に言われるとかなり応えるな・・・。北斗は超獣は少年の笛に反応していると気づき夕子に告げる。隊長に知らせましょうという夕子に北斗は「そんなこと誰も信じてくれないさ」とはきすてるように言い単独行動を決意するのだった・・。悲しい・・悲しすぎるよ北斗・・その通りだけど・・。今回北斗は少年にまで「嘘だ、お兄さんのいうことは全部嘘じゃないか!」と二回も三回罵られてるし・・。不憫な主人公・・・。ブラックピジョンの暴走とヤプールの乱心今回の超獣ブラックピジョンは少年の飼っていた鳩の脳髄を使って作られた超獣(凄く嫌だな)。帰巣本能でTAC基地に、と考えていたヤプールでしたが少年の笛の音に反応して出現。ヤプールがここで取り乱します。「あー!なんたることだ!ワシの命令も聞かずに勝手にとびだしおって!戻れー戻るんだブラックピジョン!」なしくずしてきに交戦状態になるTACとブラックピジョン。「ピジョン光線を吐け、光線を吐くんだ」ヤプールの必死の叫びにピジョンは口から・・火・・ 吐いてるし・・、ピジョンどこまでも反抗的です。とぼけた外見の割りに結構強いブラックピジョン。「次はTACを皆殺しだ!いけー!いけー!ブラックピジョーン」(興奮してるなあ)いつもは結構冷静なヤプールをここまでエキサイトさせるブラックピジョン・・実は大物かもしれません・・。またもやエース瀕死!強力超獣ブラックピジョンけばだった薄汚れた白い羽毛に覆われた顔と血走って狂気をはらんだ眼をもつブラックビジョン。印象とは裏腹に結構強力な超獣です。ベムスターを思わせる腹部、さらに腹の中央には小型のミサイルが屹立。羽ばたきは暴風を巻き起こします。さらに口からはいやーな感じの白い毒液を吐きます。エースは毒液をはきかけられ倒れた後ビルを頭上からぶつけられ前回に続き伸びて瓦礫の下に。それでもなんとか立ち直ったエースはピジョンの腹部へ必殺のメタリューム光線を発射。動きがとまるピジョン・・・。長い間・・終わりかと思った時・・。ピジョンは腹から吸収したメタリュームをエースにむかって発射!こんな弱そうな超獣にここまで強力な装備をしたヤプールって・・・。まともにくらったエースは完全にダウン。・・必殺技まともにくらってるしなあ・・。「ちきしょうエースの最期かもしれん・・」山中・・・お前あきらめ早すぎだよ・・。絶体絶命を救ったのは少年の吹く鳩笛でした。鳩笛はピジョンの脳髄に反応・・。落ち着きを失い少年を探し始めるピジョン・・切ないよ、おい・・。その隙に立ち上がったエースは前回に続き後ろからダイヤ光線・・・。2回連続後ろから怪獣を撃ったヒーローは他には・・いないんじゃないか・・・・。救いのないラスト脳髄を抜き取られた鳩の小次郎は異次元から帰ってきていた・・三郎少年に会うために小さな身体で必死に・・・。しかし脳髄のない身体で生きることは出来ず・・冷たくなっていました。少年と鳩の姿に重なる岸田森のナレーション。「この空に鳩はもういない・・小次郎は二度と帰ってこない・・。」バックに流れる悲しい音楽・・・ノンマルトの時の音楽でしょうか(今回は少年と鳩のシーンにしばしばこの音楽が流れています)全編真っ暗な救いの何もない物語。子どもの時観ていたらちょっとトラウマだったかも・・・。
2006.09.05
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グドン復活を受けて巷では(いやな巷だな)グドンを食った怪獣がいるらしい、という噂で持ちきり・・なのでそこんとこ検証してみたいと思います。問題の作品は1973年3月4日放送の「ファイヤーマン」第9話「深海からの挑戦」です。グドンの登場は1971年4月30日ですので既に2年が経過。円谷作品としては「ウルトラマンタロウ」と「ジャンボーグA」が放送中の時期です。お話なのですが海底ケーブルが破損の修理と原因調査のため地球科学特捜隊SAFが海底に向かいます。そこでSAFがみつけたものはケーブルでぐるぐる巻きになった巨大な・・。女性隊員の葉山マリ子が叫びます「あ、怪獣だわ」 ・・・・・・・・。いや、言いたいことはわかります・・。超獣じゃないのか? ガマスの死体だよなあ、どうみても。じゃあ何かい、グドンを食った奴というのは超獣よりも強い・・・海野隊長(睦五郎)が低い声で応じます「ジュラ紀のロドグロスらしいな・・」えええええ。ロドグロスって一体・・。でこのあとロドグロスは出てきません・・。さらに海底でなにやらもみ合う姿が ネロ・ギラスとステゴラスです。というか既にステゴラスはお亡くなりのようですね・・。首ないし・・。 で後日です。会場に赤い血のようなものが浮かんできます。その頃海底ではグドンとネロ・ギラスが戦っていました。・・・非常に判り難いですがグドン?身体からすると確かにグドンっぽい・・。 どうなんでしょうかグドン?目も違うような・・アトラク用?とにかくグドン?アトラク用?は一方的にやられて胸の生皮をはがされます・・。 気持ち悪いというか美味しそうというか・・(え?) で海上に浮かぶ死体。胸の部分から骨が露出してますが・・これ食われてるんでしょうか・・喰い散らかしたというか生皮はがしただけじゃないのか?という以前に・・・似てねえな、おい。もうグドンなのやらそうでないのやら・・。でこんな危険な海に行ってしまうファイヤーマン=岬大介の育ての親田所博士。真船博士ではありません。フィアヤーマンの世界で恐竜生存説を唱えても学会を追放されたりしないし・・。 田所博士をも餌食にしたネロ・ギラスに怒りの挑戦です。岬大介「この手で奴を・・ネロ・ギラスを殺してやる」凄い台詞です。私怨で戦う正義のヒーローもありなんでしょうか・・。ネロ・ギラスの腹が減ると共食いまでしてしまうという習性を利用したスピーカーでネロ・ギラスの声を流しておびき寄せる作戦はまんまと成功です。舌が非常に長いためアホ面にみえてしまうネロ・ギラスですが赤い目が凶暴そうでいい感じです。ファイヤーマン苦戦の中ネロギラスをファイヤーダッシュで粉砕します ドサッ、という感じでしょうか。怒りのあまり思いっきり殺してしまった・・んでしょうか。 グドンを倒した怪獣の最期です。合掌・・。んーで結局のところネロ・ギラスはロドグロス(どうみても超獣ガマス)ステゴラス(首なし死体)グドン(海底で動き悪し。海底で判り難いが目も身体もなんとなく別人<アトラク?>ぽい)殺し屋怪獣の名にふさわしく三体を圧倒的な強さで殺しているようですが食べたかどうかは判然としませんねー。あのグドン、確かに胸の生皮は剥がれているのですが食うシーンはないし上がった死体もあまり食べられた感じしないしなあ・・。劇中では共食いするのなんのいわれてますが・・。・・・というよりロドグロスが恐竜なのか超獣なのかの方が気になる・・。ともかくそんなこんなで観た「ファイヤーマン」は結構面白いので何話かまた観てみることにします・・。↑グドンとロドグロスの勇姿?を確認したい人は2巻をチェック
2006.06.20
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「2つの改造人間 怒りのライダーブレイク」は「仮面ライダー(スカイライダー)」の第4話である。放映は80年10月26日、脚本は23話までの17話をメインライターとして手掛けた伊上勝。監督は田口勝彦。ネオショッカーによりサソランジンに改造されてしまった女子大生、上村美也(演:里見和香)は今までの改造人間と異なり意識をもたずゼネラルモンスターによって使役される操り人形、ロボットのような怪人である。科学者の暗殺を繰り返していたサソランジンだったがライダーとの戦いで遠隔操縦機であるペンダントを壊され人間としての意識を取り戻す。彼女が思い出したのは手術台での忌まわしい改造の記憶だった。改造シーン、というのは人が人でなくなるのを描いているわけで見ていて気が滅入るのだがましてやそれが若い女性であるため痛ましい。ゼネラルモンスターの命令で彼女が改造される様は性的な凌辱を連想させる。本話で特筆すべきシーンは人間でなくなったことを嘆く美也の前で筑波洋がスカイライダーへと変身するシーンだろう。改造人間の悲しみという仮面ライダーの大きなテーマがここでは改めてリフレインされる。「仮面ライダー(新)」は第三期怪獣ブームにあってタイトルの通り一作目の「仮面ライダー」を再生することを目的にした作品であり、新人の村上弘明の演技は巧いわけではないがとてもいい。第一話で自分を改造した志度博士の前で大空を飛ぶスカイライダー、のシーン(「仮面ライダースピリッツ」においても効果的に使われていた名シーン)に匹敵する筑波洋という男の優しさがあふれていると同時に怒りと哀しみが錯綜する名場面といってよいだろう。幼い妹と再会し束の間の安らぎを覚える美也だったが一定時間が過ぎると再びサソランジンへと変貌してしまい醜い姿となった彼女は妹の前から遁走する。サソランジンは美也の記憶を残したままでゼネラルモンスターに立ち向かい殺されてしまう。怒ったスカイライダーはゼネラルモンスターの潜むアジトへと潜入するが大幹部は逃走し基地は自爆する。昭和「仮面ライダー」の中で異色の秀編であるのは間違いないので機会があれば是非観ていただきたいのだがあえてここで残念だと思ったことを付け加えておきたい。・ペンダントを壊されてしまい人間に戻った美也が再び怪人となる運命にあるのをゼネラルモンスターが首領にあらかじめ話してしまう。画で表現した方が悲劇性や驚きが増すであろう事を口頭で説明してしまっているのだ。手術台のシーンや洋の変身シーンは名場面だと思うが美也が改造人間になったことを苦しむシーンがもう少しあればもっと深みが増したかもしれない。・サソランジンの声が最初はカムフラージュとしては八代駿の声でもいいのだが一矢報いようとするシーンは美也の声の方がよかったと思う。・美也が殺されて怒る洋が最終的にはゼネラルモンスターを追いつめるとはいえ戦闘員と戦うのが怪人と戦う代わり、というのは怒りのぶつけ場所としては弱い。おそらくここは(無理なのを承知で言わせてもらうが)別な怪人がサソランジンを殺しそれをスカイライダーが倒すというのが正しいあり方だろう・・・。昭和の東映特撮の名作「イナズマンF」(田口監督も4本参加している)あたりの作り手の熱気があれば同じ題材でももっと優れたエピソードになったのではないかと思われそういう意味ではとても残念な気がする。
2012.02.14
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「ゴジラVSメカゴジラ」は93年のゴジラ映画40周年記念の第20作目、「ゴジラ」(84)を含めての平成VSシリーズ5作目の作品。映画版は海底から回収したメカキングギドラの頭部から23世紀のテクノロジーを使い対ゴジラ用の戦闘マシンを作るという導入から始まる。伊福部昭の音楽にのってのドッグに横たわるメカゴジラの姿が印象的な冒頭、青木一馬のGフォースへの転属、アドノア島の調査、ラドンVSゴジラ、ベビーの誕生、MG対ゴジラ最初の対決と機能停止、Gクラッシャー構想、ラドン復活、ベビーによるゴジラ誘導、最終決戦とほぼ怪獣に絡む戦いを中心に話が進む構成になっている。今回再見したのだがテンポよく進むストーリーは飽きさせず、VSシリーズではかなり面白い作品だと思う。今さらいうこともないが伊福部昭の音楽がまた素晴らしい(ラドンのテーマが好きなのです)。役者でいうと中尾明演じるGフォース司令官・麻生が迫力のある演技でゴジラ以上の圧倒的存在感を示しているのがこの映画の一番の見所だろう。また佐々木隊長を中心とするGフォースもプロフェッショナルな戦闘チームとして描かれ三枝未希の戦いも一応の決着をみることになる。坂井孝行版コミカライズの「ゴジラVSメカゴジラ」は怪獣バトルに特化した非常に漫画にしづらい題材に対し伏線を引きクライマックスを映画的な二転三転する展開に脚色しで映画とは違った面白さのある作品に仕上げている。まず登場人物から。 主人公は青木一馬(高嶋政宏)ヒロインは生物学者の五条梓(佐野量子) Gフォース隊長佐々木(原田大二郎)Gフォース隊員のキャサリン(S・スゥィニー)坂井漫画ではお馴染みの黒木翔特佐が自衛隊からGフォースに出向というかたちで前作から引き続き登場している。映画の主要人物である麻生司令官、三枝未希、Gフォースの曽根崎(宮川一郎太)、大前博士(川津佑介)は登場しない。映画と同じくメカキングギドラの頭部から始まる。メカゴジラのお披露目パーティから原因不明の暴走、と冒頭からぐいぐい引き込む演出。「ゴジラ×メカゴジラ」における機龍の暴走はここが案外ルーツかもしれない。転属になった青木一馬はスパルタな佐々木隊長(隻眼のたたき上げのプロの戦士。意外に人情家)にシゴかれる。青木の初任務はガルーダに搭乗しての五条梓博士のアドノア島恐竜化石調査への随行。梓は坂井版ではじゃじゃ馬の天才生物学者で大前博士不在の役割も負っている。アドノア島では本来ガルーダも青木も登場しないのがゴジラVSラドンにガルーダが絡みガルーダでゴジラを持ち上げるというシーンが前半の見せ場として付加されていて連載時の第1回のクライマックスになっている。重要なシーンはラドンの自己再生能力の描写だろう。(映画版では描かれていない為ラストのゴジラ復活が不自然に感じられる。)また 梓と卵の精神的結びつき、前作に通じる「怪獣と母性愛」がコミカルではあるものの丁寧に描写されている点にも注目したい。卵が梓がいなくなると光るという現象が起こる件り。青木と梓の関係が近づくきっかけにもなっており卵にもたれる梓の姿が大ゴマで描かれ印象的である。1回目の対ゴジラ出撃時、映画では青木はMGに乗りそびれ(て配属を変更にな)るが坂井版では海底で戦闘になる展開。MGは光線兵器主体なので海底の戦闘は不利なのだが映画ではみられないマニピュレーターモードによる戦闘(ジャンボーグAか9か)が見せ場に。「メカゴジラはゴジラとの格闘戦を前提に設計されています」引っこ抜かれた左腕からのミサイル発射、ミサイルを主体にオールレンジ攻撃でダメージを与える描写が盛り上がる。しかし何かの目的に取り付かれたかのようなゴジラの前に敗退する。青木は独房入りに。独房でで描いたスーパーメカゴジラ案が隊長の手で実行に移されることになる(映画では配車係の立場を利用してアシモフ博士に直談判してましたね)。ゴジラが卵を目的にしていると判断した黒木は卵(映画と違いベビーは生まれていない。あくまで翼竜の卵と思われている)を囮にと考えるが当然梓は逆上して反対する。言いまかされると黒木の予想通り卵を盗みだそうとする(この辺がじゃじゃ馬たる所以)も失敗。結局、卵と一緒にコンテナに乗ることを希望するのだった・・。梓と卵の載ったコンテナはラドンに奪われ、幕張のビルの上に。ラドンは攻撃で傷ついた身体で卵を孵化させようとする・・。青木の乗ったガルーダは梓を確保するもラドンをMGの攻撃から庇い墜落。そこにゴジラが出現してしまう。ゴジラの進撃をとめられず瓦礫に沈むMG。ガルーダはプラズマニードルでゴジラの両目を潰す。鮮血が飛び散り視力を失うゴジラ。かなり過激な描写。ゴジラはラドンと卵に近づいてゆく。梓はラドンと卵を救うためゴジラを殺す方法を佐々木隊長に伝える。「本当は・・こんなゴジラを殺す方法なんて教えたくなかった・・」※ここからは映画の結末を書きますので注意してください※映画版ではベビーゴジラの生体研究からゴジラの下半身の動きをつかさどる第二の脳が確認されその破壊の方法としてGクラッシャーが発案、三枝未希の超能力が第二の脳の場所を特定する眼になる。シリーズを観てきたものなら美希の苦悩の程がご理解頂けるはずだ。斃れたゴジラ。瀕死のラドンがMGに撃墜されゴジラの死体に覆い被さる。風化するラドンの身体。ゴジラの第二の脳が復活してゆく。ゴジラの眼に光が戻る。MGは計器に異常が発生。ゴジラ最強の赤い熱線でMGは完膚なきまでに破壊され大炎上する・・。美希のテレパシーを受け去ってゆくゴジラとベビー。映画はここで終わる。「やはり五条博士はアレが何だか知っていたのだ。わが自衛隊の膨大なゴジラデータをもってしても解らなかった唯一の器官、それは」「ゴジラ第二の脳」※※ここからは漫画のクライマックスです。全190ページの残り70ページ。未読の方はなるべく漫画を読んでからお読みになるのをお薦めします。MG頭部からのプラズマスパーク攻撃で第二の脳が破壊され動けなくなったゴジラ・・・。その時卵が孵化した・・・。卵からは四足の恐竜が・・ゴジラザウルス・・。この時点でベビーのデザインが上がってないなんてことが・・あったのだろうか。この辺は謎です。「じゃあゴジラは・・生まれてくるこの子の所にかけつけてきていたのか・・たった一匹に減っちまった、仲間を求めて!」「隊長、聞きましたか!ゴジラに 害意はないしそれに下半身の死んだゴジラは人類の手にあまる獣でもありません。絶滅させず保護しましょう」「わかっとる!戦意を喪失した敵は敵ではない!」佐々木隊長の意外な優しさが伝わるシーン。MGはゴジラの保護に目的を切り替える・・「ゴジラ、もういい、それ以上動くな」コントロールを失うMG。パネルは全て同じ文字が「ゴジラニ死ヲ」その瞬間「メカキングギドラの亡霊」が目覚めた。メカキングギドラのブラックボックス、「ゴジラ抹殺」のプログラム(最初の暴走が伏線)が。全てのコントロールを受け付けずゴジラ抹殺を遂行し始めるMG。光線を浴びせ背ビレを引き裂くMG。そして・・二匹目のゴジラ(ベビー)を認識するMG・・。ゴジラはベビーの盾になりマトモに砲撃を受けて首が・・・千切れます。怪獣王ゴジラここに死す・・・。このあたりの描写、容赦がない。瀕死のラドンもまたMGの攻撃で墜落、ゴジラの死体に覆い被さる。ラドンには周囲の生き物を使って自己再生する力がある・・。「あのラドンの同化作用・・・今度はゴジラの身体を吸収して復活をはかっていると思われます」「その逆だ!ラドンの方が溶けている・・・ラドンが自分の命を与えている・・。ベビーを守るために」映画でもこれ位の説明はあっても良かった気がする・・。ゴジラ復活!メカゴジラは搭乗員を脱出させる。放出される佐々木とキャサリン。「メカゴジラを侵しているメカキングギドラのプログラムは人命優先のはず。それがパイロットを降ろしたということは・・・」「相討ち覚悟で戦う気だ!」このあたりの最終バトルは迫力十分、追い討ちに次ぐ追い討ち。映画のあっさりした結末をおぎなってあまりある展開。しかもガルーダに乗っている青木と梓はまだ脱出できていない・・。オールレンジ攻撃、手首を発射してゴジラを固定、頭部からのプラズマスパーク用のニードルで再び第二の脳を攻撃!その瞬間、ゴジラがニードルを叩き落とす。「やったあ」とキャサリンが思わず言うのがいい。ゴジラの放射熱線を避けたMGはワイヤーがそのままでビルに頭から垂直に激突。ゴジラが後ろからメカゴジラの首をねじ切るという昭和ゴジラのリスペクトはまさに燃える展開。首をねじ切られたMG。終わりかと思われた瞬間、ワイヤーを放出ゴジラをぐるぐる巻きに拘束。 (「GMM東京SOS」に似てるかも・・)「ゴジラニ死ヲ」あと30秒「ゴジラニ死ヲ」あと10秒「いやーここから出して」「もうダメだーっ」間一髪、の脱出・・。そして・・・爆発の臨界「ゴジラ!早く逃げて!」「メ、メカゴジラ・・」MGの最期に涙する青木。この辺りの描写もいい。ゴジラは・・・その爆発にも耐えて生き残る・・。ゴジラの咆哮・・。「なんて生命力だ・・」「あたり前よ・・・。彼には守るべき仲間ができたんだもの・・。」ラストは海に向かい背を向けて去るゴジラとベビー・・・。前作でストーリーそのものを変えてしまった坂井孝行は今回、大筋は追いつつまるで違う作品を生み出している。映画版の面白さは麻生司令官の人を引きずり回すような存在感に美希の物語の終息(実際はそうならなかったが)派手な光線の応酬である特撮の極み、GフォースMGの非情さ、ベビーゴジラの愛らしさとラドンの献身・・・。にある。一方、そんな実際の映画の面白さと別の所で坂井版は伏線をきちんと引きたたみかける展開の面白さでこういう怪獣映画が観たいと思わせてくれる作品を作り上げている。いや本当にこの映画が観たかった・・。
2006.08.27
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「Dororonえん魔くん メ~ラめら」のアニメ化に際し角川から発売された「ドロロンえん魔くん(完全愛蔵版)」。 全1巻で558ページの極厚B6判サイズ、1400円。 若木書房コミックメイトから何回も単行本化されたえん魔くんだが帯にある通り「永井豪渾身の完全版・激大幅加筆修正」が今回の売りだ。 どこが激大幅加筆修正されたのか個人的に興味があるので以下に検証してみよう。 今回比較に使うのは若木書房コミックメイト版のカバー変更版(以下若木版)。タイトル前には今回の単行本の収録順に番号を付した。 他の版が手元にないので完全な比較にはなっていない。MF版が扉絵も多く再現してあるらしいので本来そちらで比較すべきなのかもしれない。 また見落としもあると思うのでお気づきの方はご教示、ご指摘いただければ嬉しいです。 表紙カバー 若木版3巻のP204に掲載の絵。おそらく表紙画のひとつと思われるが詳細不明。3P 「1.えん魔くん出陣の巻」。扉絵は若木版と同じ。10P 閻魔大王が叫ぶ顔のアップに続くコマ、 足のついた食台の画が集合する妖怪のアップ2コマに変更。 合わせて「南こうせつ風に叫ぶ」のキャプションがなくなる。12P 妖怪6匹が大王の前に控える1ページ大ゴマ描きおろし37P 地上に向かうえん魔、雪子姫、カパエルの1P大コマ、えん魔、雪子姫の顔を修正。38P 閻魔大王がえん魔を見送る2コマ、1Pを追加。未収録か描き下ろしか迷うところ。39P 「2.妖怪ヘビ壺の巻」、単行品未収録の扉絵のえん魔、雪子姫の顔を修正。49P ダラキュラと対峙する妖怪パトロール3人のうち雪子姫のみ顔を修正。55P 「ゆくぞカパエル!!雪子姫!!」「はいな あんさん!!」「おっけー!!」の一枚画のえん魔くん、雪子姫の顔描き直し、足の裏にトーン 「はいな あんさん!!」は当時まだ連載中だった「男ドアホウ甲子園」の甲子園の恋女房、豆タンの台詞から・・・だよね。66-67P ヘビ壺の蛇に苦戦する雪子姫の顔をそれぞれ修正。83P 氷を溶かすえん魔くんに続くコマ、従来は第3話「そうはとんやがイカの足の巻」のタイトルがはいっていたのを削除。 悲鳴と雪子姫の「いやーん えん魔くんのエッチ-!!ダメーツ!」の台詞を追加84P えん魔くんを凍った蛇で殴る雪子姫の1P大ゴマ、描き下ろし85P 「3.そうはとんやがイカの足の巻」扉絵。若木版2巻巻末、P203にイカを口に咥えていない画が収録87-88P 地獄へ変えるえん魔くんを追う雪子姫、のあと2P描き下ろし。ゲソーにスカートをめくられ襲われる雪子姫97P ワルターゲソーと対峙するえん魔くん。ゲソーの目の周りを墨塗り。えん魔くんの顔3コマ修正98P えん魔くんの顔修正、ゲソーの顔にトーン99-101P えん魔妖力火炎車でゲソーを倒すくだり従来の2Pを完全に描き下ろして3Pに。103P 「4.眠りが誘う妖魔の宴の宴」、扉絵を収録、えん魔くんのみ顔を修正。(何故か雪子姫は直してない)139P 雪子姫が氷の妖術で妖怪を倒す1P大ゴマ描き下ろし143P 「5.妖怪面食いの巻」の扉絵を収録。修正はない159P 「6.妖怪ハチの巣入道の巻」の扉絵を収録(若木版では2巻巻末に元の絵を掲載)。 シャポ爺を被りマントとステッキを装備した雪子姫、顔や手などを描き直し(個人的には昔の顔が好きなんだケド)。166P 地獄別荘に向かうツトム、この1Pは若木版では未収録。187P 裸で仁王立ちする雪子姫の顔を修正190P ハチに胸を刺される雪子姫の顔を修正208P 「7.妖怪マタサ鬼の巻」の扉絵、雪子姫の顔を修正222P 「8.妖怪でた妖が来たようの巻」は修正はない。239P 「9.妖怪ふくらし子の巻」の扉絵(?)がカット。これについては後述268-270P 「10.ふしだら妖怪けっとばーしの巻」冒頭の3Pを2Pに圧縮。えん魔くんと雪子姫のアップ、トバッチリ先生が蹴られて止まるコマの3コマを削除。 それに伴いトバッチリの台詞を変更318-319P 「11.妖怪猫夢の巻」猫夢に襲われる雪子姫、2P4コマ(1P大ゴマあり)を描きおろし333P 「12.妖怪なだれ小僧」の巻には修正がない348P 「13.妖怪すってん童子の巻」にも修正はないようだ。この回は扉絵もなく若木版そのまま。363P 「14.寒天狗炎天狗」。若木2版ではアイキャッチに使われていた扉絵のえん魔と雪子姫の顔を修正 凧あげの絵なので小学三年生正月号の画じゃなかったか。368P 炎天狗の顔にトーン369P 炎天狗の顔にトーン382-383P 寒天狗と炎天狗、地獄別荘上空で対決の見開き画を描き下ろし392P 炎天狗の顔にトーン453P 「15~20.大妖怪怒黒」その1からその6は大きな修正はない。その3の扉絵、えん魔の顔を修正のみか。527P 「妖怪ふくらし子の巻」の扉絵(単行本ではアイキャッチ的に台詞変更していた…はず)をさらに台詞変更にしてあとがきページに。雪子姫の顔を修正。 尚サンワイドや中公版、MF版に併録された「炎魔地獄」や石川賢版、小山田つとむ版は未収録。「シュルルン雪子姫ちゃん」の出典でもあるわけで石川版は完全収録で単行本化してほしかった・・・。 小山田版+石川版+テレビランドの平松版に後年のハガネ功一版も加えて「ドロロンえん魔くん外伝」、今のタイミングなら出せたんじゃないかしらん。一年生版の真樹村正版も気になるし。 お気づきと思うが今回の完全愛蔵版、何故か従来と収録順が大きく異なっている。 従来は1~6→15~21→7→10→8→11→9→13→12→14の順で収録されていた。今回は記載番号順の収録に変更となり最大の長編「大妖怪怒黒の巻」6話分が最後に置かれている。 もともと少年サンデー版と小学三年生5話分の混載で雑誌掲載分と単行本時の収録が合致しているのか(不勉強なためわかりません・・・こちらもご指摘いただければ) ティストの異なる続編「炎魔地獄」、バイオレンスジャックのエピソード「炎の魔人編」、一応正統な続編の「鬼公子炎魔」(そしてその頭の痛い続編「ケルベロス」・・・あとは短編、永井豪以外によるもの、けっこう仮面のテイストが入った「どろろん艶靡ちゃん」・・・)と続いたえん魔くんだが やはり最初の妖怪退治をしないで雪子姫とHなことばかりしているのがえん魔くんらしい、と今回読み直して再認識。「妖怪猫夢」の回でのえん魔くんのサディストぶりは特筆に値する。 (ただ第3話で百手が「人間を妖怪に変えてどうするつもりだった?」と問われて「今にわかる・・・仲間たちがまたいつの日か」と言い残した伏線はその後返りみらる事はない。 この辺りはアニメ版や「鬼公子炎魔」に活かされていないとはいえないが・・・・。) 今回のアニメ版メ~ラめらは原作(もともとはアニメ企画先行だが)の肝心要な「基本的に無駄で役に立たない」部分(そのままでは映像化出来ない部分であるが)を巧く活かして映像化している点が好ましい。
2011.06.14
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70年代前半の第二期怪獣ブーム(変身ブーム)の作品のひとつ「サンダーマスク」は手塚治虫がコミカライズした(原作ではない)ということで非常に有名でありながら何故かDVD化されない作品です。さて今回の本題は「サンダーマスク発狂」です。なんて危険なタイトルなんでしょうか。しかしサンダーマスクが本当に発狂するわけでなく最初から最後までシンナーマンが一人でらりっているだけなんですけどね。場面は公園。昼日中、シンナーを吸って必要以上にトリップして騒いでいる若者たち。(あまりこんなことはないと思うけど・・)そんな彼らを美人婦警がパトカーでシンナー中毒を治すと称して連行するも婦警の正体は魔王デカンダで・・。「 シンナーに侵された狂った人間の脳味噌がお前には何より必要なのだ。吸うがよい、食べるがよい」シンナー中毒の若者たちは シンナー漬けの脳味噌をシンナーマンによってチュウチュウ吸われてしまうのでした・・。このときのシンナーマンが頭に刺すのがコントみたいな巨大なストローで全然怖くない・・・。いろいろと極めて不自然な展開を経てサンダーマスクはシンナーマンと脳味交換手術をされてしまいます。なんの意味があるのかはよくわかりません。婦警デカンダの「まあ、きれいこれがサンダー星人の脳味噌なのですね」というセリフもいかがなものかと思うのですが手術が3秒で終わるところがまたすごい。でこのあと町に出たシンナーマンの脳味噌の入った命光一はうーうーとうなりながらごみばこを蹴り道行く女につかみかかりラーメンの出前をひっくり返す・・わけですが・・・・。一方デカンダは光一の脳の入ったシンナーマンに襲われ「しまったあ」と間抜けさ全開です。いろいろあってシンナーマンと光一の脳は元通り(やはり3秒)。シンナーマンはこれまで食べたシンナー脳味噌の力で巨大化します(なんだかなあ)。支離滅裂にシンナーガスを吐き散らすシンナーマンの攻撃はシンナー中毒の怪獣がまともな攻撃できるわけないよなあなわけで巨大な脳がサンダーシュートでぱっくりわれるというイヤな結末に。飛び散った脳を執拗に焼くサンダーマスクの姿に「人類は自分で自分を滅ぼすようなシンンナーをあやまってついかってはならない。それは人類自らが魔王デカンダに味方することのいなるのだ・・・。」シンナーとデカンダの因果関係がよくわからないナレーションの流れる中フェイドアウトしてゆきます。サンダーマスクと怪獣の脳と替えるという意味不明の展開と手がかかるわりにただのシンナー中毒で役に立たないシンナーマンの姿が泣かせる困ったお話なのでした・・。でもかなり面白いですね・・いろんな意味で。
2006.04.25
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↑押して下さい。ジャイアント仮面ですねー。昭和40年代の特撮が一望。渋い選曲がよいです。怪奇大作戦もいいですね「シルバー仮面」は71年11月28日-72年5月21日の間TBS系列で日曜夜7時から26回が放送された第二期怪獣ブームの作品です。当時は「帰ってきたウルトラマン」「仮面ライダー」とブームのメイン作品が既に放送中でした。フジテレビ系のミラーマンが同じ時間枠で1週遅れで始まることになります。シルバー仮面は以前、放送当時のおかしな宇宙人の性格設定を「シルバー仮面と美味しい宇宙人」 として紹介させていただきましたね。日曜7時の放送枠、スタッフがウルトラシリーズ関った実相寺、上原、佐々木、市川ら一癖ある豪華な面々がそろい、その円谷の「ミラーマン」の裏番組となった円谷・ウルトラと因縁深い作品です。父を宇宙人に殺された春日兄弟が残された光子ロケットのエンジンの秘密を求めて知り合いの科学者を尋ねて歩くというロードムービーな設定は当時のニューシネマの影響がつよく感じられますね。シルバー仮面は等身大で銀(灰色)のタイツに白いつなぎのタンクトップ姿で鉄仮面を被ったような容姿で口が露出しています。(うーん、説明文にすると変態っぽい姿だな、シルバー仮面) ↑悪くないよシルバー仮面全26話の内10話までがこの等身大編、11話以降がタイトルを「シルバー仮面ジャイアント」と変更して巨大ヒーローものになります。出演は春日5兄弟に亀石征一郎(33)、柴俊夫(23)、篠田三郎(22)、夏純子(21)、松尾ジーナ。(年齢は71年当時の俳優の実年齢です)亀石さんは東映の俳優でテレビ時代劇で悪役の印象の強い方ですね。柴さんは本作の前に「ゴジラ対ヘドラ」に出演されてました。篠田さんはいうまでもなくウルトラマンタロウですがもともと大映の俳優でガメラにも出てたりします。高林陽一監督の「金閣寺」で悩む主人公が印象的(柴俊夫も共演)。後の俳優活動も順調な「スーパーマン症候群」に罹らなかった方ですね。夏純子さんはアダルトな印象で「どてらい男」の転落の人生を辿る姿にどきどきした覚えがあります。松尾ジーナさんモデル出身で今見てもかわいい方ですね。シルバー仮面の途中降板以降消息不明だったりします。第1話「ふるさとは地球」(チグリス星人登場、監督:実相寺昭雄、脚本:佐々木守)はいきなり真っ暗闇で家が燃え、父を失うところから始まります。シルバー仮面はお父さんが次男の光二に与えた「銀の力」という設定なのですが・・息子を極秘に改造しちゃあかん・・お父さんを殺したのはロケットエンジンの秘密を狙ったチグリス星人(猫背の直立した豹のような姿インパクト強し)の仕業だったわけでシルバー仮面と対決。星人は腕から出す炎が自分に引火するというコントのような事態の末転げまわったあげく炎上します。わーぬいぐるみそのまま燃え上がってますね。このあとさらに炎上して爆発します。今回は燃える星人になんか食われた感じでした・・第2話地球人は宇宙の敵(キルギス星人登場監督:実相寺昭雄、脚本:佐々木守 )「地球人は国どうしで戦争し国を盗んだ今度は宇宙を盗もうとしている」と主張するギルギス星人が兄弟の行った村に毒ガスを撒き散らし、それがもとで兄弟は村人から文字通り石もて追われる・・。シルバー仮面らしいシリアスな話なのですが、ギルギス星人の行動がどうも・・。地球人に化けて笑いながらガスを撒き、追いかけられて村のはずれに宙吊りになることで兄弟をおびき出すというまわりくどい作戦もどうかと思いますが ひょひょよーんと叫びながら走り回りガスを撒いて鶏やお地蔵様を原色に染めるという愉快犯的な行動が理解できない・・。ギルギス星人が載っている文献(宇宙人図鑑だよこれ)欲しいなあ。第3話父は炎の中に(シャイン星人登場、監督:山際永三、脚本:上原正三 )また真っ暗な画面が続きます。自宅に戻った兄弟をまちうける星人・・。氷っぽいシャイン星人は火を体中から噴出しながら死にます。第4話はてしなき旅(ピューマ星人登場監督:山際永三、脚本:市川森一 )兄弟愛に飢えてホームドラマを観るあの星人 登場です(勿論そんな描写はない)父を尊敬していたという湯浅博士を訪れた兄弟。しかし博士の幼い娘が星人にさらわれてしまう。兄弟は娘を助け出すも博士は資料を全て燃やし兄弟への助力を拒む・・。ピューマ星人のドジっぷりは兎も角シリアスで重厚なそして救われない話になっています。第5話明日のひとみは・・・・・(ジュリー星人登場監督:樋口弘美、脚本:市川森一 )はるかを好きになり兄弟に協力したばかりに星人の犠牲になる三浦(東野英心、ZATの副隊長というかあばれはっちゃくの親父というか・・)の悲劇。三浦の恋情が切なくその最期も哀しい。ジュリー星人は胸に目があるというか女の人が裸にボディペィンティングしたかのようなデザインが面白いなあ。第6話さすらいびとの荒野(ゴルゴン星人登場監督:樋口弘美、脚本:上原正三 )「莫大な金を払えば」とロケットを金の力で買おうとするゴルゴン星人というのが宇宙人らしくなくて凄い。博士が佐々木いさおで妹が南沙織。なぜか妹は「私東京へ出て歌手を目指します」と言って歌を歌うシーンが・・。と書いたらと異様にシュールですが人気アイドルが出演したサービスなのですよね。第7話青春の輝き(キマイラ星人登場、監督:大木淳、脚本:上原正三 )キマイラ星人によりひとみが失明・・責任を感じた光三は単身キマイラ星人と対決する。キマイラ星人とシルバー仮面が商店街でジロジロみられながら小さくなって地味におっかけをする部分ばかり印象に残ります。第8話冷血星人の呼び声(ソロモン星人登場、監督:大木淳、脚本:石堂淑郎 )兄弟に関ったために恋人が宇宙人と同化してしまう悲劇(こればっかり・・)。博士役に特撮ではエースの「三億年超獣出現」の栗虫太郎の怪演が印象的な清水紘治。ソロモン星人は子どもが着ぐるみにはいってなおかつチャックがあいてるのですが凍っている設定のアイスクリームみたいな姿は見た感じ怖いですね。第9話見知らぬ街に追われて(ドミノ星人登場、監督:佐藤静夫、脚本:市川森一 )余り辛い旅に兄弟がとうとうキレてしまった?ギャングみたいに行く先々で機関銃をぶっ放し殺しまくる姿が妙に爽快ですね。もちろんドミノ星人の陰謀なのですが兄弟は警察に追い詰められていきます。ラストに登場するドミノ星人の姿に刑事は自分で見たことを否定するという・・通常の怪獣ものには無い不条理な面白さがあります。↑なんか水を得た魚というか活き活きしてるひとみさんですが・・。第10話燃える地平線(タイタン星人登場、監督:佐藤静夫、脚本:上原正三)前作に続くアクションの多い話で宇宙人軍団(人間の姿ですが)と兄弟の応酬で面白くみせます。でこの話のラストで突然エンジンが見つかってしまいます・・。ああ兄弟に今までの苦難の旅は・・それより今まで犠牲になった人のこと考えると・・。お父さんのバカーと叫びたくなるのは私だけでしょうか。次回から旗をアポロ月面着陸の如く立てるヘンなジャンボ星人とジャイアンツ仮面(野球ファンの森山周一郎はナレーションを読み間違えたか?ジャイアント仮面ですね)の対決する「シルバー仮面ジャイアント」になってゆくのです・・。巨大ヒーローものへ路線変更されたわけですね・・。と等身大編を各話を駆け足で紹介してきましたが初期のシルバー仮面の兄弟が行く先々で出会う人々とのふれあいや迫害を描いたロードムービーとしてみるとこれらの話は今見ても結構面白いですね。不条理な「見知らぬ街に追われて」や人間関係がこわれてゆく「はてしなき旅」、恋愛を絡めた悲劇「明日のひとみは」や「冷血星人の叫び声」などがお薦めです。しかしこの作品ヒーローものとして「ミラーマン」の裏番組としてはどうなのでしょうか。毎回毎回が暗い画面、暗いドラマでは日曜のお茶の間には不適だったでしょう。たとえるなら毎週が「ノンマルトの使者」とか「呪いの壺」なウルトラマンシリーズは辛かろうて、なわけですよね。シルバー仮面の地味で口が露出した姿はやはり当時でもアナクロであり、シルバー仮面の必殺技が敵を倒すという(スペシューム光線とかライダーキックとか)ヒーローものの決まりごとが抜けているのも問題だったでしょう。実際作り手による路線変更後はサブタイトルまで必殺技のオンパレード(これはこれでやりすぎ・・)になります。リアルタイムで見ていた子どもとしてはシルバー仮面のジャイアント化は歓迎でした。路線変更したとはいえ口が銀になりカッコよくなったし怪獣はちょっとマニアックで個性的な感じがあり面白いというのが実感で最終回まで見てしまいましたね。最終回では完成した光子ロケットで兄弟は30年かかるアンドロメダへの旅にでます。30年・・2001年ですからアンドロメダには数年前に着いてるんですね・・。ただ、今にして思えば、悪夢のような地獄巡りの行き着く果てもみたかったような気もしています。あのまま旅が続いていたらどうなっていたのでしょうか・・。ファミリー劇場で放送開始なので興味のある方は是非ともごらんになってくださいね。
2006.05.14
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今週末、16年7月24日(日)に幕張メッセで行われるワンダーフェスティバルに参加します。サークル怪獣少女の配置場所は8(ホール)-16-10です。販売するのはダイナミックプロのミニサイズソフビセット1-3弾(各6000円)。新作は第三弾、「思い出のK君」よりマジンガーZ&K君、「ゲッターロボ」よりゲッター1の最終決戦仕様、「グレートマジンガー」よりアンゴラス将軍の三体になります。第一弾のミケロス、ライガーン将軍、ハーディアス将軍第二弾の白銀の妖獣ララ、ユリシーザー将軍、ピグマン子爵のセットも少数ですが再版します。終末は幕張でお会いしましょう!
2016.07.22
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サークル「怪獣少女」は国際展示場で行われるコミックマーケット80に参加します。特撮関連のサークルが集まる二日目8/13(土)、場所は東5ホールのマ-30bです。今回新発売になりますのは「仮面ライダー&70年代石ノ森ヒーローマガジン」です。春の映画及び夏の映画に合わせて豪華石ノ森ヒーローが競演&対決。映画に登場したキカイダー兄弟、イナズマン、快傑ズバットは勿論、加えて変身忍者嵐、ロボット刑事に新番組から仮面ライダーフォーゼ、さらにあの将軍様(石ノ森ヒーローじゃねえ!)までが大集結したお馴染みヒーローコミカライズの雄、うるとらわいるど7による全編かきおろし渾身の新刊です。合わせて既刊の「電人ザボーガー&ピープロ超画報」「ゴジラコミカライズクロニクル」1-2「ハナ超画報」1-2「仮面ライダー激闘マガジン」1-3「ウルトラ大決戦BOOK」などの既刊も若干数販売の予定です。そして今回はもう一冊新刊が。「サンダーマスクエピソードガイド」(仮題)。現在鋭意作成中(未だに?)。コピー本です。改めての今現在わかる範囲でのサンダーマスクの各話情報本です。ホントに出せるかとても微妙な感じになってきました!期待しないでお待ちください!!と、実に頼りないですが以上、コミケ来場予定の皆様にはお立ち寄りの程、よろしくお願いいたします!!尚「怪獣少女」の隣のマ30aは「てれまんプロジェクト」さんです。こちらの「マニアック特撮大会」でもうるとらわいるど7の新作「レディーボーグの最期」が読めます!「電人ザボーガー」を観る前に予告編に出てる女の子誰だっけ、などと思ってる方は是非映画の予習のためにもお読みください。オリジナル以上に間違いなく悲しいレディーボーグ(ミスボーグじゃないデス、間違えないでね)の最期に泣いて下さい!!
2011.08.07
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さてパチ怪獣サミットで話題に上っていた「かいじゅうゲゾラのだいけっとう」です。作画は成田マキホ。表紙を見るとゲゾラとキングギドラにエビラが海で対峙、いかなオリジナルのストーリーが展開するのか期待が高まりますね。ゲゾラはほんとに主役の善玉怪獣なんでしょうか?相手が相手だしなあ・・。早速ストーリーを読んでみましょう。・・・子ども新聞の記者あやこさんとたろうくんは宮博士をたずねました。博士が南洋のセレジオ島へ怪獣の調査に行くという話をきたからです・・。ふんふん、なるほど・・・・・ん?こども新聞???あやこさんとたろうくん?え?この話「怪獣とくそうたいドゴンをたおせ」の続きなのですか??(「パチ怪獣サミット2006怪獣より強い犬チロ登場」参照)ひょっとしてチロがゲゾラに噛み付くとかいう展開なのでしょうか?あ・・・これはいったい・・???博士「きみたちもおぼえているだろうレッチ島のエビラがモスラやゴジラとたたかったのはついこのあいだのことだ」いきなり回想ですか?エビラ当然ながらここにしかでてきません。(ええーっ!)太郎「モスクワはラドンに襲われパリにはゴロザウルスが現れ、北京も・・」こんどは「怪獣総進撃」ですね。あれは1999年じゃなかったでしたっけ・・。台詞はゴロザウルスにちゃんと直ってますが絵の方はバラゴンがおもいっきり凱旋門壊してます・・。 迫力ある怪獣総進撃です。クモンガがいませんがキングギドラ戦にバラン、バラゴン、マンダ不参加なのは史実どおりというかなんというか・・。確か成田マキホ氏はまんが王で「怪獣総進撃」のコミカライズをされていたような・・。以後は「決戦!南海の大怪獣」の話になります。博士とたろう、あやこはセレジオ島へ・・。こども新聞は海外取材までやりますか?で洞窟に入ってゲゾラに遭遇です。まあ、イルカの声にゲゾラがたじろぐ描写もあったりして・・。ゲゾラから出たけむりが亀と蟹にも取り付いて・・ 博士たちは火口に追い詰められ絶体絶命。そこへコウモリが飛んできて・・ あや子「きゅうに喧嘩をはじめておかしいわねえ」(緊張感のない台詞だなあ)超音波で怪獣というか宇宙人が狂って同士討ち、映画では実現しなかった三つ巴がちょっとそそるかも。 ごらんなさい。怪獣が火をふく火口へつぎつぎにころげおちていきます。←誰の台詞?たろう「ばんざい。怪獣が焼け死んだぞ」(イヤな台詞・・。)火山が大爆発です。あやこ「これでこの島の人たちももとの平和な暮らしにもどれるわね・・。」凄い噴火なんですが・・。となりの島民たちの表情が暗いのは気のせいでしょうか。というわけで・・キングギドラもエビラもゲゾラとは戦いませんでした・・。しくしく。映画「ゲゾラ・ガニメ・カメーバ決戦!南海の大怪獣」とは大筋は同じなのですが宮博士(土屋嘉男、別人・・)と祈祷師のオンボ(と、こども新聞のふたり)しか出てこないしなあ。あ、アヤ子という女の人は一応でてくるんですけど偶然の一致でしょう・・、多分。佐原健二の悪役・小畑がでてこないののが一番のポイントでしょうか。・・でも一番残念だったのはせっかくこども新聞なのにチロがでなかったことかもしれません・・、わんわんわん・・。
2006.04.19
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「サンダーマスク」のコミカライズは小学館の学年誌、少年サンデー及びてれびくんの前身である小学館BOOK、秋田書店の冒険王で描かれています。それぞれの掲載状況をまとめてみると以下のようになります。週刊少年サンデー 手塚治虫 72年43(10月8日)号~73年2(1月7日)号 別冊少年サンデー やまと虹一 73年1月号~73年3月号 小学館BOOK 池原成利 72年11月号~73年3月号 よいこ 森藤嘉宏 73年2月号のみ 幼稚園 池原成利 72年11月号のみ 小学一年生 原成 72年11月号~73年3月号 小学二年生 長谷川猛 72年11月号~73年3月号 小学二年生 西井とおる 73年4月号 小学三年生 池原成利 72年11月号~73年3月号 小学四年生 原成 72年11月号~73年3月号 冒険王 長谷川猛 72年10月号~73年4月号 別冊冒険王 長谷川猛 72年秋~73年5月号 このうち手塚治虫のコミカライズはサンダーマスクとデカンダー、登場人物は共通するもののTVとは無関係なオリジナル作品。こちらは今でも秋田文庫や秋田サンデーコミックスで読めますね。手塚本人が全集の後書きであまりよく書いていないため評判があまりよくない作品ですが同じ時間を生きられなくなった恋人たちの悲しい物語でありTVとは全く別の感興をそそる作品です。サンダーマスクに興味のある方であれはその違いを楽しむ意味でも一読をお薦めします。また『プラモ狂四郎』で知られるやまと虹一の別冊サンデー版は僅か3回ながら独自のヒーローものになっていて漫画としても面白い作品です。デカンダが魔獣でなく雪女や大仏を使役するのが興味深く最終話は何とニセサンダーマスク編。当時ダイナミックプロをやめたばかりだったため永井豪的な可愛らしい美少女、血へどを吐くバイオレンス描写が楽しめる異色のサンダーマスクです。その他の作品は正統なTV作品に準じたコミカライズ。それぞれの作品については色々特徴があるので1度には書ききれないので今回は1話を除くと最もコミカライズされているエピソードである第12話『残酷!サンダーマスク死刑』、第13話『はるかなる銀河の果て』の物語とそれを元に描かれた漫画を紹介してみましょう。 まずTVのおおまかなストーリーを追ってみよう。12話はまずデカンダから流星鉄仮面の幹部交代劇が描かれる。流星鉄仮面はサンダーマスク=命光一の妹リンに化けて周囲の人間を欺く。光一は子供の頃から会っていない(1万年前はリンは子供だったんでしょうね)リンを本物かどうか判断しかね疑いの目を向ける。流星鉄仮面はサンダー星人を発狂させる鈴と魔獣メガトロンを使いサンダーマスクを殺して十字架に磔にしてしまう・・。13話。考古学研究所の面々は正体を現したニセのリンに人類を滅ぼす兵器の開発を命じられる。まゆみの弟・勝也は研究所を抜け出し流星鉄仮面に対抗できるサンダースパークガンV-7 の部品を探していた。一方サンダーマスクは本物のリンに助けられ奇跡の復活を果たす。オリジナルの脚本を担当したのは第1話や最終回など全10話を担当したメインライターの上原正三。主人公が殺されてしまう中盤の山場、ターニングポイントでどことなく『セブン暗殺計画』前後編を思わせる娯楽性に富んだエピソードです 『幼稚園』73年2月号、森藤よしひろ。 大コマの4ページ!メガトロン(なぜかメトロンガと表記)をサンダーイナズマ斬りで倒すそれだけの展開。流星鉄仮面は未登場。 『小学一年生』同2月号、原成(池原成利)。 流星鉄仮面とメガトロンがドライブする光一たちを待ち伏せるもあっさりと倒されてしまうという逆にびっくりな展開。 この原成名義も含めて5誌で『サンダーマスク』を描いた池原成利は手塚治虫のアシスタントで『魔女っ子メグちゃん』が代表作。 当時、特撮やアニメのコミカライズを多く描いています。80年代にも『聖戦士ダンバイン』や『重戦機エルガイム』『機動戦士ガンダム0080』などのサンライズ作品、ゲームの『ロックマン』シリーズも手掛けています。 『小学三年生』73年1月号~2月号、池原成利 デカンダの処刑からニセモノ・リンの登場、弱点の鈴、サンダーマスク処刑(槍で後ろから)と前半は比較的忠実。後半はやや駆け足で必殺の武器サンダースパークガンV7を探す件が省略、メガトロンはTVではサンダーマスク復活のために登場する本物のリンが操る円盤によってなんと倒されてしまう!池原版のリンはいずれもベレー帽を被った手塚調の美少女。 『小学四年生』同1月号、原成(池原成利)。 見開きの漫画による情報ページ。ベレー帽のリンにデカンダの首をはねる流星鉄仮面、鈴の音に苦しむサンダーマスクの姿がダイナミックに描かれています。 『小学館BOOK』同1月号、池原成利 同じくベレー帽のリンが登場するも光一に「誰だ!」と言われる始末ですぐ正体を現す流星鉄仮面。鈴の音で幻惑するも逆転され実にあっさりと倒されてしまう。 コミック版の流星鉄仮面はリンに変身していた、という展開のためか女口調で喋りオホホホと笑うのが定番になってます。 ここであげませんでしたが『小学二年生』では流星鉄仮面は未登場。該当の1-2月号ではドロドロン、デーゴンH が登場しています。 その小学二年生版を描いたのは長谷川猛氏。小学館の学年誌及小学館BOOKで流星鉄仮面未登場なのは唯一小二長谷川版だけ。 しかし同じく長谷川氏が手掛けた冒険王版は他誌にはみられない過激な展開が見られます。それが身体を貫かれ首を斬りおとされるサンダーマスク、の描写です。『冒険王』73年1月~2月号、長谷川猛 当時のコミカライズで圧倒的な分量を誇るのが長谷川『冒険王』版です。1回の連載量が10ページに満たない小学館学習誌の各作品に比べるとTVの内容を不足なくとりこんでいるといえるでしょう。 それどころか過剰な描写が多く73年1月号ではメガトロンのツノがサンダーマスクの胸を貫通、さらには流星鉄仮面が魔剣流れ星でデカンダと同じようにサンダーマスクの首を斬りおとしてしまう、というこの上ない残酷な展開になっています。 なお、この1-2月号(2月号は別冊のTVコミック)の前後編は合わせて100ページ近くの分量なのですがザリバザーンの登場する第11話、及び デーゴンHが登場する第15話が前後を挟んだ内容です。 余談ですが流星鉄仮面の登場するもうひとつのエピソードである第14話『魔獣を呼ぶけむり』(ガエンボー登場)も『冒険王』冬の増刊号で漫画化されているので流星鉄仮面が登場する都合4話分のエピソードは全てコミカライズされていることになりますね。冒険王版の2月号で流星鉄仮面は倒されてしまいます。本来TV最終話で流星鉄仮面は命光一の発明したミサイルを愚かにも自信たっぷりに正面から受けて死んでしまうのですがこの展開ならば漫画版での最後の方がまだ納得がいくような気がします。というわけでその他のエピソードも機会をみて紹介していきますので乞うご期待。
2011.01.12
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理由あってサンダーマスクのコミカライズについて調べているのですが・・。 「サンダーマスク」のコミカライズはそれぞれ 少年サンデーで手塚治虫 (説明不要・・でしょうがコミカライズ) 別冊少年サンデーでやまと虹一 小学一年生~四年生および小学館BOOKではひろみプロの池原成利(原成) 小学二年生、冒険王、別冊冒険王では長谷川猛 がそれぞれ手掛けています。 ページ数は学年誌はやはり少ないので手塚版を除くとやまと版、長谷川冒険王版が量が多いと思われます。 やまと版は手塚タッチというよりもキャラクター、特に女の子に永井豪色が強く感じられて可愛くこれはこれでいい感じなのですが敵が魔獣ならぬ雪女(!)・大仏(!!)・偽サンダーマスクの全3話。 いずれも魔王デカンダが操る展開ですがテレビの特撮番組らしいティストはあまり感じられません。 小学館の学年誌及び小学館BOOKに掲載されたものTV版に近い流れですがいかんせんページ数が少なく読み応えがありません。毎回2Pの見開きながら原成(池原成利)の絵で魔獣と当月の放送内容を紹介した小学四年生版が一番資料性が高いかも。 コミカライズとTVの大きな違いとしては小学二年生版の最終回に鉄人13号の変わりにはロボッガーという魔獣が登場すること位でしょうか。 あ、あと流星鉄仮面は喋り口調が女性・・リンに変身する影響とおもいますが・・男?女? 分量も多く最もTVのティスト・展開に近いのが冒険王版。実は上記小学館版の『サンダーマスク』、全て最終回でサンダーマスクは死ぬことなくベムキングを倒して終わり・・・がほとんどなのです。 TVと同じく地球のために戦って死んでしまうサンダーマスクを描いた漫画作品は長谷川冒険王版だけ、ということになります。 ・・なのですがこの時期の冒険王が別冊も含めて手にするのが困難なんですよ、もともとないし、べら棒に高いし、図書館にも置いてない。 一応わかっている分だけ掲載内容を記しておくと 冒険王11~12月号 ・・不明 同1月号・・・『ザリバザーンと魔獣軍団、流星鉄仮面・メガトロン前編』・・・・ハカイダー、サメラ、ドロドロン、タイヤーマとザリバザーンが登場。サンダーマスクは鉄仮面に首を切られる衝撃的展開 同2月号・・・『流星鉄仮面後編(別冊)』 同3月号・・・『デカンダ復活&ギャタピラン編』 同4月号・・・不明 (最終回、テレビと同じ内容???) 別冊冒険王?月号~4?月号・・・不明 別冊冒険王5月号・・・真の最終回。 テレビ版最終回(冒険王最終回?)の続きでベムキングの弟ベムファイヤーが登場する。 ここまでか・・・コミカライズ版「サンダーマスク」について 何かご存知の方がいらっしゃれば是非情報おねがいします・・。
2007.11.06
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