おしゃれ手紙

2018.06.02
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テーマ: 読書(8208)
カテゴリ: 読書
■おらおらでひとりいぐも■
74歳、ひとり暮らしの桃子さん。
夫に死なれ、子どもとは疎遠。
新たな「老いの境地」を描いた感動作!
圧倒的自由!賑やかな孤独!

第158回芥川賞受賞作!
63歳・史上最年長受賞、渾身のデビュー作!
第54回文藝賞受賞作。
文藝賞全選考委員絶賛!

★「東京オリンピックの年に上京し、二人の子どもを産み育て、主婦として家族のために生き、夫を送って「おひとりさまの老後」を迎えた桃子さんは、戦後の日本女性を凝縮した存在だ。
桃子さんは私のことだ、私の母のことだ、明日の私の姿だ、と感じる人が大勢いるはず」――
斎藤美奈子氏

★「宮澤賢治「永訣の朝」にある「Ora Orade Shitori egumo」のフレーズ。
それを悲しみのうちに 死ぬの意ではなく、独り生きていく「自由」と「意欲」に結びつけた。
「老い」をエネルギーとして生きるための、新しい文学が生み出された
」――藤沢周氏

★「人の気持ちは一色ではないということを、若竹さんはよくぞ?んだ。
年を経たからこその、若々しい小説」――保坂和志氏

★「取り返しのつかない命のなかで、個人の自由や自立と、その反対側にある重くて辛いものも含めた両方を受け取って、人生を肯定的にとらえるまでにいたったのが見事」――町田康氏

 タイトルの「おらおらでひとりいぐも」を聞いて、宮沢賢治の■ 永訣の朝 ■が思い浮かんだ。
私の大好きな詩 ■宮沢賢治の妹のことを書いた小説だろうと思っていたが、大間違い。

夫を亡くした、(それも最愛の)妻の寂しさを描いた作品だった。
しかし、 寂しいだけではなく、底抜けの自由を手に入れた喜びがにじみ出ていた。
***もう誰からも奪うことがない。
奪われることもない。
風に吹かれて、行きたいところに行く。
休みたいところに休む。
もう自由だ、自由なんだ。***


ほんとはね、ほんとは「独りがいい」。
出会いも歓びだが、死別も解放だ。
地声で語られた女のホンネが炸裂!(上野千鶴子氏)

 そして思ったのだ。
うちの次女は、一人暮らし。
結婚もせず、ひとりで暮らす彼女を可哀そうと思っていたが、娘は孤独と引き換えに、誰にも邪魔されることのない自由を手に入れている。
少しレトロな感じのする冷蔵庫や、壁に飾った写真などから彼女の部屋のインテリアは、一人暮らしならではの自由を物語っている。
 主人公、桃子さんは、考え方があちこち散らばり飛ぶ。

そんな時、桃子さんは考える。
それは、女だからと・・・。
女の仕事はひとつではないと・・・。
***(略)一日中、木を切っている与作さんとは違うべ。
ずいぶん古い用例でねが。と別の声。
ほだ。それに女房は機(はた)を織ってるべしたら。
ほでねば。与作と同じ時間だけ機を織っていたとは考えにぐべ。
泣く子に乳を与えながら、
そろそろ姑の汚れた下(しも)を取り替えねばと考えつつ、
晩のお菜はなんにすべなどと考えていたことは想像に難くねのす。
常にあれもし、これもすることを求められれば、つい考えは飛び飛びになるべしたら。***

青春小説の対極、玄冬(げんとう)小説の誕生!
*玄冬小説とは・・・歳をとるのも悪くない、と思える小説のこと。
■おらおらでひとりいぐも■

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
若竹千佐子(ワカタケチサコ)
1954年、岩手県遠野市生まれ。岩手大学教育学部卒業。
55歳から小説講座に通いはじめ、8年の時を経て『おらおらでひとりいぐも』を執筆。
2017年、第54回文藝賞を史上最年長となる63歳で受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Last updated  2018.06.02 00:08:58
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