おしゃれ手紙

2018.08.25
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テーマ: 読書(8461)
カテゴリ: 読書
銀河鉄道の父 ■158回直木賞受賞作品

明治29年(1896年)、岩手県花巻に生まれた宮沢賢治は、昭和8年(1933年)に亡くなるまで、主に東京と花巻を行き来しながら多数の詩や童話を創作した。
賢治の生家は祖父の代から富裕な質屋であり、長男である彼は本来なら家を継ぐ立場だが、賢治は学問の道を進み、後には教師や技師として地元に貢献しながら、創作に情熱を注ぎ続けた。
地元の名士であり、熱心な浄土真宗信者でもあった賢治の父・政次郎は、このユニークな息子をいかに育て上げたのか。
父の信念とは異なる信仰への目覚めや最愛の妹トシとの死別など、決して長くはないが紆余曲折に満ちた宮沢賢治の生涯を、父・政次郎の視点から描く、気鋭作家の意欲作。

慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ

「雨ニモマケズ」の有名なフレーズを読むと、宮沢賢治は、聖人君子のようだ。
そう信じていた、この本を読むまで・・・。
しかし、いつまでたっても親のすねをかじる道楽息子。

★盛岡の中学校(今の高校)を卒業した後、家業の質屋を継ぐように言われても
「進学したい」のいってん張り。

しまいに、
「(進学できないなら) 信仰に生きます。」と太鼓を叩きながら
「南無妙法蓮華経・・・・」と大声でわめきながら町を歩いてみんなにおかしくなったと思われた。


おもちゃを買ってくれないと泣き喚く赤子のごとし。

★やっと稗貫農学校の教師に 就職するも、数年で辞める

百姓になると言って家を出る賢治
父が、様子を見に行くと畑を耕している。
何を植えるのだろうと思って賢治に聞くと
「パンジー、モクセイソウ、ポピー」
と答え
「なかなか興趣に富む花を咲かせますじゃ。
日本の景色が変わります。」

百姓とは、自分で米を作り野菜を作ってそれで生きていくのに・・・。
父親もさぞ、がっかりしただろう。
私も読んで、_| ̄|○っときた。

以前、賢治がデザインした、花壇の絵を見たことがあったが、この時代に描いたのだろうか。
なんとも、浮世離れした人だ。

★賢治が自費出版をした
農学校での給料を当てたのかと思いきや、一部、 近所でお金を借りて 出版したという。

*人のお金で出版なんて・・・。
 そんな賢治を詩や童話の才能があるのだからと見放さない父親。

そんな父親を賢治が思っていたこと。
「・・・ おらは、お父さんになりたかったのす 。」

ふりかえれば、政次郎ほど大きな存在はなかった。
自分の命の恩人であり、保護者であり、教師であり、
金主であり、上司であり、抑圧者であり、好敵手
であり、
それらすべてであることにおいて政次郎は手を抜くことをしなかった。

◎気になったことをメモ◎
*は、私の思たこと。
■【きなきな】
・・・(略)と言ったので、政次郎は規定の看護料はもちろん、弔い返し(とむらいがえし)の名目でじゅうぶん礼金を受け取ってもらい、 さらにこの地方で【きなきな】と呼ばれる小さなこけしを進呈した。
きなきなは新品だったけれど、新次郎としては、トシの形見のつもりだった。
 *【きなきな】を調べたらおもしろいことが分かった。
主に南部系の工人 ■によって作られる、頭部がくらくらと動く小寸(10cm程度が定寸)のこけしをいう。
キナキナは頭部が揺れる様子の擬態語である。
 産地は、盛岡、花巻を中心とした岩手県、および秋田県の一部を含む。
キナキナの作られる一帯は、それを作る工人というよりは、キナキナをおしゃぶりとする習俗をもつ地域に依存するため、その地域を「キナキナ習俗圏」と呼ぶこともある〈木の花 第8号、第9号〉。
その地域に来た工人の多くが、木地の系統に関わらずキナキナを作る傾向があったからである。


■(略)長女のトシもまた高女を首席で卒業し、東京目黒の日本女子大学校(家政学部予)へ進学してしまったのだ。
*あの「永訣の朝」のトシは、才女だったのだ。

■骨壺はずしりと軽く、わずかに温みを帯びていた。

*ずしりと軽く?
ずしりと重くではないのか?

掻巻(かいまき) の下であおむきになり、いきいきと鼾(いびき)をかいている。

*この時代(大正7年・1918年)、布団ではなく掻巻だったのか。

■政次郎は仕事にもどり、ふたたび関西へ一か月ほど出張した。
*明治時代に関西まで着物の仕入れにいっていた。
関西の方が安くてものがいいのだ。
この当時は、すでに東北本線が開通しているからだ。

■♪ほんだこ ほんだこ
そっちの水はうまぐねぇ
こっちの水はうまいぞ
昼は草葉の 露のかげ
夜はぴかぴか 高提灯
ほんだこ ほんだこ
こっちの方(ほ)さ来い来い

*父・政次郎が病床の賢治の枕元で子守歌代わりに歌ってやる歌。

成長とは、打たれると知りつつ出る杭になることなのかもしれない。
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Last updated  2018.08.25 11:22:50
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