おしゃれ手紙

2019.03.02
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テーマ: 読書(8208)
カテゴリ: 読書
あさきゆめみし(5)

源氏の君は、末摘花や花散里などこれまでお付き合いしてきた女性たちに、屋敷や生活費を用意していました。
しかし明石の君は、紫の上に遠慮して別邸での同居に気が進まないようです。
そんな彼女を源氏の君は何とか説き伏せ、ひとまず娘の「ちい姫」を預かり紫の上に世話をさせることにしました。
自分の夫がよそで作った女性の子どもを育てる……現代では到底考えられない状況ですが、これがまかり通るのが本作です。

そしてこの出来事は、紫の上を精神的に大きく成長させます。
彼女は3年もの間源氏の君と過ごした明石の君に、ずっと嫉妬をしていました。
それなのに明石の君は屋敷への招待を断り、可愛い子どもも将来を思って手放したのです。
自分のつまらない嫉妬心を恥じ、ちい姫を育てるという目標をもって輝きはじめます。

しかしまた悲しい出来事が。
藤壺が病に倒れ、亡くなってしまうのです。
源氏の君は理想の女性だった彼女を失い、激しく嘆きます。

さらに事態は急展開。
藤壺の世話をしていた僧侶が、帝に父親は源氏の君かもしれないと指摘するのです。
その後源氏の君は、帝から直接藤壺との関係を問われました。
あわてて否定するものの、感極まった帝が「父上……」とつぶやくという切ないシーンです。

●読書メモ●
方違え(かたたがえ、かたちがえ)とは、 ■陰陽道に基づいて平安時代以降に行われていた風習のひとつ。
方忌み(かたいみ)とも言う。

外出や造作、宮中の政、戦の開始などの際、その方角の吉凶を占い、その方角が悪いといったん別の方向に出かけ、目的地の方角が悪い方角にならないようにした。

絵合わせ
左右2組に分れて小品画を出し合い,その優劣を競うもので,平安時代の貴族の間で行われた物合 (ものあわせ) という遊戯の一種。
『源氏物語』の「絵合」の段にそのありさまがうかがわれる。

母親の身分
平安中期までは母親の身分が重要だったという話にも興味を惹かれました。
特に親王の子の場合、母の身分が重要だったようです。
例えば具平親王が身分の低い雑仕女との間にもうけた頼成は、具平親王に認知されず、家人の藤原伊祐の子として育てられます。
また「蜻蛉日記」に道綱母の恋敵として登場する町の小路の女も、「さる親王のご落胤」だったようです。
多分、母親の身分が低く、認知されなかったのでしょう。
道綱母も「取るに足りない身分の女!」と切り捨てていますし。
町の小路の女はその後、兼家に捨てられてしまっています。
このようにたとえ天皇の孫でも、母の身分が低いと貴族の正式な妻になることも難しかったようですね。

それが次第に「腹は借り物」という考えが生まれ、母親の身分がそれほど重要視されなくなるのは院政期頃からだそうです。
そして父権がさらに強くなっていくのです。
婿取り婚から嫁入り婚が主流になっていくのもこの時代ですよね。
あさきゆめみし(1)
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Last updated  2019.03.02 00:01:46
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