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2011.10.20
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心理学的にありえない(上)


心理学的にありえない(上)


 感情移入能力を持っている人間がこの世界をどんなふうに経験しているかは、それぞれ違っているのよ。でも、能力の根幹にあるものは変わらない――それが共感覚。(328ページより)

著者・編者 アダム・ファウアー=著
出版情報 文藝春秋
出版年月 2011年09月発行

2007 年暮れ、人の微細な表情から心理を読み取る才能を持つ心理アナリストの青年イライジャ・グラスと、聴衆に圧倒的な感動を与える天才ヴァイオリニストの女性ウィンター・ロイスが巨大な陰謀に巻き込まれようとしていた。各章の冒頭に「最後の審判の夜まであと○○時間」と記されていることから、破滅の時が近づいていることが伺われる。
だが、二人ともまったく接点のないまま話が進んでいく。唯一の共通点は、二人が謎のネックレスをしていることだ。
イライジャはふとしたことからネックレスを失い、偶然、元ハッカーでホームレスとなった従兄スティーブ・グライムズに出会う。ここから彼の運命が転機を迎える。
一方、ウィンターもネックレスを失い、彼女にしつこく付きまとう男性や、彼女の母親が急死するという
二人を守ろうと動き出す盲目の男ラズロと、彼と因縁を持つ女性ダリアン・ライト。一方、異様なカリスマ性で信者を集めつつあるカルト教団の教祖ヴァレンティヌス。

第2部に入ると、話は突然 1990 年に遡る。
悪魔憑きとされる孤児の少女ジル・ウィロビーと、悪魔祓いを行おうとするサリヴァン神父の心理戦。そして、ジルの身柄を引き取るという「研究所」のサマンサ・ジンザーと、彼女と一緒に働くダリアン・ワシントンが登場。
ダリアンは、ラズロの教え子であるイライジャ・コーエンとウィンター・ベケットの特殊能力を見いだし、二人とも「研究所」に招き入れることに成功した。

第1部と 2部で名前が共通するのはラズロだけ。下巻で話は収束するのか!? エンパシーとはいったい何か? ニコラ・テスラの晩年の研究とは何だったのか? ナチス・ドイツとの関係は?著者独特の SF ミステリーは、怒濤の勢いで下巻へと続く。










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最終更新日  2011.10.20 15:13:13
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