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著者・編者 | 竹内薫=著 |
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出版情報 | 朝日新聞出版 |
出版年月 | 2015年2月発行 |
著者は、サイエンス作家で、ミステリー作家「湯川薫」としても活躍する竹内薫さん。ベストセラーになった『99.9%は仮説』(光文社新書)の著者でもある。本書には数式も登場するが、ゼータ関数がどれか、視覚的に把握しておけば楽しめる趣向になっている。これから数学を研究しようという学生さん、SF 大好きなお父さんにお勧め。
なぜ、13 年ゼミと 17 年ゼミは大発生するのか――かつては 10 年ゼミや 12 年ゼミもいたらしい。素数が生存戦略に有利に働いた結果である。われわれ、システム開発の仕事をしていると、素数が暗号と深い関係にあることを知っている。だが、公開鍵暗号方式の仕組みを分かりやすく語れる技術者は少ない。竹内さんが、「数学者ジェームズ・エリスという人物であり、具体的な暗号を発明したのがクリフォード・コックスという人物でした。しかし、彼らの発明は公表されることはありませんでした」(68 ページ)と紹介しているとおり、もともとは軍事技術であったものだ。
素数の発生数をグラフにすると、階段状になる。この「素数階段」を忠実に再現できるのが「リーマンの公式」だ。リーマンの公式には「ゼータ関数」と呼ばれる関数が含まれている。
知っている人には、ここから話が面白くなる。
SF の大道具として登場する「ダイソン球」の提唱者であるフリーマン・ダイソンは、重い原子核のエネルギーを表す公式「エネルギー準位」とゼータ関数の関連性に気付いた。
また、究極理論と呼ばれる「超ひも理論」の証明にもゼータ関数が登場する。
竹内さんは、「人類がまだ知らない法則みたいなものが、このゼータ関数に隠されているのではないか、というミステリアスなイメージを抱かざるを得ません」(96 ページ)と語る。
もちろん、東京工業大学の「素数ネタ」も紹介されている(爆笑)。そして、最後のオチは――本書を手に取って、背表紙に記されている。通巻番号をご覧下さい。
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